FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

5月13-19日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は、対外中長期債は9489億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。対外株式は1658億円の買い越しとなり、買い越しは買い越しは8週連続となった。また、海外投資家は、対内株式は991億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続の買い越しとなった。対内中長期債は1509億円の売り越しとなり、売り越しは2週間ぶりとなった。対内短期債は1兆1119億円の買い越しとなり、買い越しは2週間ぶりとなった。

 

本邦投資家の海外投資は継続しており、円を売って外貨を買うことから円高時での下支え要因となりやすい。海外投資家は2週連続買い越しとなっているものの、買い越し額が増えてこないことから上値が重くなっていた。対内短期債の買い越し額が大幅に増えているのは、スワップなどで円とドルを一定期間交換する商いが増えていると思われる。要するに円安傾向が強まっているいることから、6月末の輸出為替予約の持込が増えたことで、手前でドル買い・円売りのフォーワードをする必要があり、海外投資家にその期間は円が滞留することによる短期債運用となっている。

 

日経平均株価:米自動車関税検討を嫌気して売り優勢

トランプ大統領が『自動車などの輸入を巡り232条に基づく調査開始検討を商務省に要請』と発言したことで自動車株中心に売りが加速した。また、外国為替市場での円高進行も売りを後押しし300円近い下げ幅となった。結局、前日比252円安の2万2437円と3日続落となった。

 

東京外国為替市場:根強いリスク回避の円買い

ドル/円は、トランプ米政権が輸入車に新たな関税を課すことを検討していることや米朝首脳会談が中止になる可能性が浮上していることで、リスク回避のドル売り・円買いが優勢となり一時109.45円まで下げた。米長期金利が2.97%台まで低下したこともドル売りを誘った。午後もこの流れが続き、日経平均株価の下げ幅拡大をながめてさらにドル売り・円買いが進み一時109.30円まで下げた。ただ、下値ではドルの押し目買いが入り109.40円台でのもみ合い相場となった。ユーロ/ドルはイタリアの政局に対する根強い懸念があり1.170ドル前後での動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

5月FOMC議事録での確認事項:3回の利上げにそった内容

議事録ではサプライズはなかったが、2点が確認された。①次回6月の利上げが確実になった。大半のFOMCメンバーは追加利上げが『間もなく適切になる』と見ていることが明らかになった。②FRBは現状で、利上げペースを加速させる必要がないと考えていることが明らかになった。昨年中、低迷で悩まされたインフレが2%の目標に向けて上昇することを、メンバーは一段と確信した。このため、経済が順調に展開した場合、緩やかな利上げ軌道を維持すると、大半のメンバーは見ている。また、原油高がインフレ率を押し上げるとの意見も見られた。目標である2%を一時的に突破することも『有益かもしれない』と、どちらかというと前向きな意見が見られた。また、利上げの回数に関しても様々な意見が見られた模様である。総じて2018年3回の利上げ予想のそった内容となった。

 

米中間選挙対策で自動車関税発言か:日独自動車業界に向けた視線

トランプ政権が自動車関税を25%引き上げを得kんとうしていると伝わった。米連邦投票支援プログラムによると、6月5日にアラバマやミシシッピといった日本の自動車メーカーが工場進出している州で予備選が実施される。予備選は、共和・民主各党の候補者を選ぶ選挙にすぎないが、その動員数は中間選挙の結果を大きく左右する。特にアラバマ州では昨年12月の連邦上院補欠選挙で与党・共和党が敗北した。自動車関税は『海外自動車メーカーは米国内での生産をもっと増やせ』と暗に圧力をかけ、選挙民向けには好意的なメッセージとなる。トランプ大統領の保護主義の視線が日本やドイツに向き始めた。いずれ米国製の日本車の逆輸入車が増える可能性もある。

 

米国市場では4月の中古住宅販売件数が公表

先行指標である中古住宅販売契約指数は、3月分で市場予想を下回る鈍化となった。米国では4月にかけて米長期金利が上昇したことで、住宅ローン金も連動して上昇した。米国の住宅市場については、割安物件の減少や在庫不足、建築資材コスト、建築労務費コストの上昇などによる住宅価格の上昇も販売への逆風となっている。

 

欧米いイベント

○15:00   1-3月期独GDP改定値(予想:前期比0.3%/前年同期比2.3%)
○15:00   6月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.8)
○15:45   5月仏企業景況感指数(予想:108)
○16:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁、講演
○17:30   4月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.9%/前年比0.2%)
○17:30   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:30   ECB理事会議事要旨(4月26日分)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万件)
○22:00   3月米住宅価格指数(予想:前月比0.6%)
       1-3月期米住宅価格指数(予想:前期比0.7%)
○23:00   4月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲0.9%/年率換算555万件)
○23:35   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○25日02:00   米財務省、7年債(300億ドル)入札
○25日03:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○ユーロ圏財務相会合
○仏ロ首脳会談

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