FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★中国3月貿易収支:市場予想より強い

3月の中国貿易収支は239億3000万ドル(1643億4000万元)の黒字となり、市場予想の125億ドル(758億元)の黒字より強い結果となった。

輸出と輸入が揃って予想を大きく上回る改善となったことから、同国と資源貿易関係の深い豪ドルに買いが集まった。

 

★日経平均株価:年初来安値をつけるも引けにかけて下げ渋り

前日の米株安やトランプ大統領のドル高けん制外国為替市場で1ドル=108円台後半への円高が進行したことを背景に企業業績改善ペース鈍化を懸念させ、輸出関連株を中心に売りが広がった。また引き続き地政学リスクを嫌気した売りも根強かった。昨年12月上旬以来の安値を示現した。引けにかけてはドル/円が109円台を回復したこともあり下げ渋る展開となった。結局、前日比125円安の1万8426円と3日続落で取引を終了した。

 

★東京外国為替市場:円高進行は一服

ドル/円は、良好な3月豪雇用統計を受けた豪ドル/円の上昇につれて108.92円台まで下げ渋ったが、日経平均株価が250円近い下落や米長期金利低下を横目に108.70円台まで失速した。ただ、ドル売りも長続きしないなど108.80円台で神経質な動きとなった。朝からドル売りを進めていた向きが反対売買を迫られる形でショートカバーが進行し、一時109.11円まで上昇した。ユーロ/ドルは、米長期金利の低下を背景に買いが散見された。前日高値の1.0675ドルを上抜け1.0677ドルまでじわりと上げた。円絡みの取引が中心となったため総じて値動きは鈍かった。

 

★本当は円安材料となるはずなのに

トランプ米大統領が今週財務省の公表する主要貿易相手国の為替報告書について、中国を為替操作国に認定しないと発言したことを受け、財務省の報道官はその方針を確認したと報じられている。

円高の要因のひとつとして、為替報告書で中国が為替操作国に認定されるのではないかという不安があった。しかし、中国が為替操作国に認定されないと報道されても、相場に対する影響はほとんどなかった。結局は、円高材料でなかったということか。

 

★米国市場では3月の生産者物価指数(PPI)が公表

3月にかけては、原油価格のなどの資源価格が上昇一服となっていた。昨年後半からドル高の累積効果のほか、賃金の伸び悩みなどもあって、改めて米国の物価指標は下振れが警戒される。参考となる2月実績は、前年比+2.2%だった。新車価格の下落や衣類の価格に大きな変動はなかったことから、物価上昇率は1月実績をわずかに下回った。

 

★米国市場では4月のミシガン大学消費者信頼感指数が公表

4月にかけてはトランプ新政権の政策期待が後退し、実行の遅延や規模縮小が懸念されている。株高の一服やシリアなどでの地政学リスクもあり、消費マインドは昨年11月以降の急回復の反動減速が警戒される。参考となる3月確報値は96.9で速報値97.6から下方修正された。ただし、2月実績の96.3は上回っており、景況感の悪化を示唆する数値ではなかった。4月については医療保険制度改革が停滞していることから、3月実績をやや下回る可能性がある。

 

★欧米イベント

○15:00   3月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%)
○15:45   3月仏CPI改定値(予想:前月比0.6%)
○16:15   3月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.1%)
○19:45   JPモルガン・チェース第1四半期決算
○21:00   シティ・グループ第1四半期決算
○21:00   ウェルズ・ファーゴ第1四半期決算
○21:30   2月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○21:30   2月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.7%)
○21:30   3月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比横ばい)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:24万5000件)
○23:00   4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:96.5)
○米債券市場は短縮取引

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