FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★日2月景気動向指数:まちまちの結果

内閣府が発表した2月の景気動向指数(CI、速報)は現状を示す一致指数は115.5となり、市場予想通りとなった。ただ、先行指数は104.4となり、市場予想を下回った。

 

★日経平均株価:米国のシリア空爆で乱高下

前日の米国株高や外国為替市場で円高が一服したことから自立反発の買いが先行した。しかし、米国がシリアにミサイルを発射したとの報道が伝わると、リスク回避姿勢が強まった。そのため、地政学リスクを警戒したヘッジファンドなど海外短期筋先物売り主導で下げに転じた。その後、リスク回避の円買いが一服すると、日経平均株価もマイナス圏から持ち直しプラス圏を維持した。ただ、引け前にプーチン露大統領が『米国のシリア空爆を侵略と見なす』との報道が流れると急速に上げ幅を縮小した。結局、前日比67円高の1万8664円で取引が終了した。

 

★東京外国為替市場:米軍のシリア攻撃で大波乱の展開

ドル/円は、『米国がシリアにミサイルを発射した』との報道が伝わると、NYダウ先物が急落。日経平均株価も失速したためリスク回避のドル売りが優勢となった。米長期金利が2.30%を割り込んだことも売りを促し、一時110.09円まで売り込まれた。ただ、市場では『本邦機関投資からドル買いが観測された』との指摘があったうえ、3月27日安値の110.07円が目先のサポートとして意識されると下げ渋った。ユーロ/ドルは、ドル/円が急落すると一時1.0660ドルまで上げたが、ユーロ/円が下げた影響も受けたため買いは続かなかった。

 

★シリア攻撃は中国への威嚇効果も

米中首脳会談が行われているタイミングでの米国によるシリア軍事攻撃は、中国に対する威嚇の効果も見込まれている。通貨安政策による不均衡貿易の是正を求める姿勢の米国は、中国との交渉を優位に進める可能性もある。

また、シリア攻撃に関してはロシアに事前連絡していたことで事態の一段悪化は避けられるとの報道がある。一方で、ロシア軍と米国軍がシリアでの協力を停止する可能性があるとの報道や、ロシアはシリア攻撃に関して国連安全保障理事会の会合を求めるなどの報道もあるなど錯綜している。また15時間際にはプーチン露大統領は、米国のシリア空爆を侵略と見なすとの報道も流れた。今後の米国とロシアの関係がどうなるかが注目される。

 

★米国市場では3月雇用統計が公表

3月指標ではADP雇用統計が予想を上回ったほか、週間の新規失業保険申請件数も改善減少となっている。米トランプ政権の政策期待の残存のほか、住宅販売の底堅さ、周期入りによる季節的な雇用の増加などもあって、労働市場の回復傾向が注目される。参考となる2月の非農業部門雇用者は前月比+23.5万人、失業率は4.7%だった。非農業部門雇用者数は市場予想を上回った、ただし、2月は天候に恵まれたことが雇用者数の大幅な増加に寄与したとみられている。3月の非農業部門雇用者数が20万人以上増えることは難しいとみられる。

 

★欧米イベント

○15:00   2月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%)
○15:00   2月独貿易収支(予想:177億ユーロの黒字)
○15:00   2月独経常収支(予想:191億ユーロの黒字)
○15:45   2月仏貿易収支(予想:49億ユーロの赤字)
○15:45   2月仏経常収支
○15:45   2月仏財政収支
○15:45   2月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
○17:30   2月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
製造業生産高(予想:前月比0.3%)
○17:30   2月英貿易収支(予想:109億ポンドの赤字)
○18:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○21:30   3月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化18万人/失業率4.7%)
○21:30   3月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化5700人/失業率6.7%)
○23:00   3月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:56.0)
○23:00   2月米卸売在庫(予想:前月比0.4%)
○23:00   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○8日01:15   ダドリー米ニューヨーク連銀総裁、講演
○8日04:00   2月米消費者信用残高(予想:150億ドル)
○米中首脳会談(フロリダ、最終日)
○ユーロ圏財務相会合(マルタ)


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