FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平気株価:北朝鮮情勢への警戒感から売り優勢

前日NYダウが298ドル高の続伸や1ドル=111円台の円安を手掛かりに買いが先行したが、海外メディアがペンス米副大統領の『北朝鮮の出方次第で米大統領の6月米朝首脳会談取りやめの用意』発言を報じ朝鮮半島情勢への警戒感が強まり利益確定売りが優勢となり下げに転じた。結局、前日比42円安の2万2960円と4日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整のドル売りがやや優勢

ドル/円は、日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたことで持ち高調整のドル売り・円買いが入り110.85近辺まで下げた。米長期金利が小幅に低下したこともドル売りを誘った。ただ、23日に公表されるFOMC議事要旨を見極めたいとの雰囲気から下押しも限定的となった。午後は、株価にらみの展開となり、110.90円台を中心としたレンジ相場となった。本邦実需筋による売買は午前中に一巡したことで、午後は薄商いとなった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米社債リターンが急速に悪化:金融政策引き締めの影響が進行

JPモルガン・チェースの指数によれば、米国社債市場の100日リターンは2000年以降で3番目に大きなマイナスとなっている。FRBによりる引き締め気味の金融環境が期間が長めの高格付け債に影響を与えている。米投資適格社債を対象とするブルームバーグ・バークレイズ指数は年初来で3.9%低下しているが、新興国のドル建て債も同程度の値下がりしている。新興国市場ではドルが再び強くなっていることと、起債ブーム後のクレジットの質を巡る懸念が問題視されている。

 

さらに中東情勢悪化で原油は高止まり

トランプ大統領は原油が69ドルに上昇した4月19日の翌日、協調減産を続けるOPECをやり玉に挙げ『石油価格は人為的にとても高く、容認できない』などと批判した。しかし、その後原油一段高は、トランプ大統領自らによるイラン核合意から離脱決断と対イラン制裁の再開(イランの原油供給削減)思惑が影響を及ぼしている。そのため、今後も中間選挙に向けた有権者配慮で『口先介入』による原油高けん制はあっても、原油相場を押し下げに向けた政策対応には動かない可能性が高い。

さらに、ポンペオ米国務長官は21日、ワシントンのシンクタンクで、イランと米欧など6カ国が結んだ核合意から離脱表明に続く新たなイラン政策を発表した。ウラン濃縮の完全停止など12項目を要求し、イランが政策変更するまで『史上最強』の制裁を続ける方針を表明した。金融面で前例のない圧力もかける。

 

FRB要人発言や23日FOMC議事録に注意

米国では原油高などによるインフレ懸念と金利上昇の圧力が高まるなか、今週はFRB幹部の発言や23日のFOMC議事録が注目されている。現在は過度に利上げペースの加速が警戒され恥園丁いるだけに、改めて慎重なペースでの利上げ姿勢が示唆されると、調整的な米長期の低下とドルの頭打ち、あるいは短期的なドル安を招く。一方で、現在は米国の物価がFRB目標の2%を超えてきても、『FRBは一定の上振れを容認する』というインフレに寛容姿勢が米長期金利の上振れの一因となってきた。FRBがインフレと景気の上振れ過熱に警戒感を示し始める可能性も残る。そのため、利上げペース加速のシグナルが見られると、米国株や新興国株の下落材料となりやすい。その場合は短期調整的なリスク回避により、円全面高に振れる余地もある。

 

欧米イベント

○17:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、ラムスデンBOE副総裁、サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ブリハMPC委員、講演
○18:00   リーカネン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:30   3月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.9%)
○22:00   4月ロシア失業率(予想:5.0%)
○23:00   5月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:10)
○23日02:00   米財務省、2年債(330億ドル)入札
○米韓首脳会談(ワシントン)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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