FITS エコノミックレポート

★2月の景気ウォッチャー調査

内閣府が発表した2月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は48.6となり、市場予想の50.0を下回った。また前月の49.8から悪化した。

調査には景気に敏感なタクシー運転手など約2000人を対象に毎月実施。

 

★日1月の景気動向指数：市場予想を上回る

内閣府が発表した1月の景気動向指数（CI、速報）は現状を示す一致指数が114.9となり、市場予想の114.3を上回った。先行指数は105.5となり、市場予想の105.4を上回った。

 

★中国2月貿易収支：市場を大きく下回る

中国の2月貿易収支は603億6000万人民元の赤字となり、市場予想の1725億人民元の黒字をを大きく下回った。1月は3545億人民元の黒字だった。

人民元建てベースで輸入額が前年同月比+44.7%増となり、市場予想の23.1%増を上回る改善となった。一方輸出額は前年同月比+4.2%となり、市場予想の+14.6%増を大きく下回った。そのため、輸入が輸出を大きく上回る伸びとなったことで、赤字額が大幅に増えた。ただ、貿易赤字となったが、中国の内需の底堅さが示唆された。

1-2月の対米輸出は+11.5%増で、対米輸入が41%増と大幅に米国からの輸入が増えた。

 

★日経平均株価：新規材料難のなか先物主導の下げ

前日に米国株が下落した流れを引き継いだほか、週末のメジャーSQ（特別清算指数）を前に先物主導で持ち高調整目的の売りが出た。新規材料難のなかで1ドル＝113円台半ばへの円高を嫌気して先物主導で軟調推移した。結局、前日比90円安の1万9254円と4日続落で取引が終了した。

 

★東京外国為替市場：売買材料乏しく狭いレンジ内での値動き

ドル/円は、午前中に付けた本日の安値を下抜け、一時113.57円まで値を切り下げた。もっとも、6日安年113.56円が目先サポートとして意識され、113.70円台へと下げ渋った。日経平均株価の軟調推移が継続されドル売り・円買いに振れる展開となった。ユーロ/ドルは、ユーロ/円の下落につれて一時1.0558ドルまで下げたものの、前日安値である同水準を下抜けすることができず、一旦は下げ止まった。

 

★10日の米2月雇用統計が注目材料：平均賃金の改善期待

前回は平均賃金が伸び悩んだ。2月指標でも不透明感が強いが、同じ2月分の米コンファレンス・ボードによる消費者信頼感指数では、6カ月後の予想景況で、『所得の増加予想』が18.3%となり、1月の18.1%から小幅に上昇した。前回1月の同指標は雇用統計での賃金下振れに先行する形で、12月の21.5%から18.1%へと急低下していた実績がある。その意味で2月の平均賃金は、小幅ながらも持ち直しが期待されやすい。雇用統計の先行指標でも、6カ月後の予想景況では『雇用の増加予想』が1月の19.7%から2月の20.4%へと改善した。昨年10月の14.4%をボトムに急上昇が続いているが、過去には雇用統計や平均賃金の改善に先行性を有している。

 

★米国市場では2月のADP雇用統計が公表

米国では週間ベースの新規失業保険申請件数が、2月に44年ぶりの低水準まで減少する改善となった。トランプ政権での政策期待のほか、内需サービス関連の人手不足、原油価格の上昇を受けた資源エネルギー関連会社の人員削減一服などにより、米国の雇用の底堅さが期待される。参考となる1月実績は、前月比+24.6万人で市場予想を上回った。2月についても、20万に近い増加となる可能性がある。

 

★欧米イベント

○16:00　　　1月独鉱工業生産（予想：前月比2.7％）
○16:45　　　1月仏貿易収支（予想：38億ユーロの赤字）
○16:45　　　1月仏経常収支
○17:15　　　2月スイス消費者物価指数（ＣＰＩ、予想：前月比0.2％）
○未定　　　ポーランド中銀、政策金利発表（予想：1.50％で据え置き）
○21:00　　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
○22:15　　　2月ＡＤＰ全米雇用報告（予想：18万9000人）
○22:15　　　2月カナダ住宅着工件数（予想：20万件）
○22:30　　　10－12月期米非農業部門労働生産性改定値（予想：前期比1.5％）
○22:30　　　10－12月期カナダ労働生産性指数（予想：前期比0.4％）
○22:30　　　1月カナダ住宅建設許可件数（予想：前月比3.0％）
○24:00　　　1月米卸売在庫（予想：前月比▲0.1％）
○9日00:30　　　ＥＩＡ週間在庫統計
○9日03:00　　　米財務省、10年債（200億ドル）入札