FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★日経平均株価:昨年来高値も利益確定売りに押される

前日の米国株式市場が303ドル高と上昇した流れを引き継いだほか、為替市場で1ドル=114円台への円安が進んだことを好感して幅広い銘柄に買いが先行した。一時上げ幅を275円へ広げ1月4日の昨年来高値1万9594円を上回ったが、その後は新規材料難に利益確定売り押された。結局、前日比171円高の1万9564円と3日続伸して取引を終了した。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は終日114円を挟んだ動き

ドル/円は114円を挟んだもみ合い相場が続いた。ダドリー米NY連銀総裁やウィリアムズ・米サンフランシスコ連銀総裁、ブレイナードFRB理事などFRB高官の発言により、3月利上げへの期待は高まっている。ただ、市場では『ドル買いの材料が出揃っている割りには上値が重い』との指摘もあり、115円台回復には時間がかかるとの見方もある。ユーロ/ドルは、1.0530ドル台で値動きが細っており、欧州勢参入待ちとなっている。本日は欧州経済指標が多く発表されることから、結果次第では大きく振れる可能性が高い。

 

★英国のEU離脱の交渉開始は4月第1週以降

EU加盟国が、英国の離脱通告に関する首脳会議を4月第1週の後半に開催する予定であるという通知を受けたことが、1日明らかになった。ただ、最終的な日程はメイ英首相が実際に離脱通告を行う時期に左右される。正式な離脱交渉は、メイ英首相がリスボン条約50条の発動を通告することで開始する。EU内部の予定表ではメイ英首相の通告に関する英国を除く27加盟国首脳会議は4月6日に記されており『確認中』とされている。トゥスクEU大統領は各国首脳に対して4月6-7日に首脳会議を実施する可能性があると通知。首脳会議ではメイ英首相の通告の内容に基づいて、交渉に向けた指針を策定する見通しとなっている。

 

★超ハト派までが3月利上げを支援:ブレイナードFRB理事

早期利上げはドル高を招き米景気と企業業績に悪影響する『超ハト派』の大元締めとも言えるブレイナードFRB理事が、今朝マサチューセッツ州で講演し、『物価上昇率は目標に達しつつあり追加利上げが早期に適切となろう』と発言した。紛れもなくハト派の『敗北宣言』となった。そのため、市場は3月利上げ確率を80%にまで引き上げることになった。残るは週末のイエレン米FRB議長とフィッシャー米FRB副議長の二人の親分の講演と来週末に予定されている2月米雇用統計を確認するのみとなった。

同理事が『バランスシートをどう調整するかが重要な議題』と改めてテーパリング議論の必要性を強調したように、米FRBが利上げと共にテーパリングにまで前のめり姿勢を強めれば、株価など資産価格には逆風が吹き荒れる可能性がある。

 

★米国市場では週間の新規失業保険申請件数が公表

1月以降は改善を示す申請減少傾向が継続しており、米国の労働市場の底堅さが注目される。米トランプ新政権による雇用増強計画などが、米国の雇用にはプラスとなる。また、米国では原油価格が上昇したことを受けて、資源エネルギー業界による生産の再開と人員削減の一服も見られている。ただ、米国企業については、ドル高や金利上昇、米FRBの利上げ前のめりなどが先行きの収益悪化リスクとして警戒されている。そのため、雇用指標が伸び悩むリスクも残っている。

 

★欧米イベント

○15:45   10-12月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年比1.3%)
○16:00   1月独輸入物価指数(予想:前月比0.5%/前年比5.5%)
○17:15   1月スイス小売売上高
○18:30   2月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.0)
○19:00   1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比3.2%)
○19:00   1月ユーロ圏失業率(予想:9.6%)
○19:00   2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○21:30   2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30   12月カナダGDP(予想:前月比0.3%)
10-12月期カナダGDP(予想:前期比年率2.0%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:24万5000件)
○3日04:30   ラウテンシュレーガー欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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