FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

★日経平均株価:高値警戒感から上値の重い展開に

注目されていた10日の日米首脳会談で懸念されていた通商摩擦や円安批判的な言及がなく、リスク選好ムードに朝方は1ドル=114円前半への円安進展に歩調を合わせて買い安心感が広がり一時140円超へ上げ幅を広げ、一時約1カ月ぶりに1万9500円台を回復した。しかし、買い一巡後は上値の重い展開となった。結局、前週末比80円高の1万9459円と続伸して終了した。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は上値の重さに下落基調に

ドル/円は、朝方一時114.16円まで上げたが、じりじり値を下げる展開となった。日経平均株価の上げ幅が100円以下に縮小され、リスク選好のドル買い・円売りがやや弱まった。15時過ぎには上値の重さを確認したことで、先に買いを進めた向きが反対売買を迫られた。また、米長期金利や株式先物の小動きのため、ドル買いが強まり難い展開となった。ユーロ/ドルは、朝方1.0612ドルまで下げた反動から1.0627ドル付近まで下げ渋った。ただドル/円がやや弱含んだことに伴って1.063ドル台まで値を上げた。

 

★FRBボードメンバーの大半が退任の可能性も

FRBは先週、ゼネラルカウンシルであるスコット・Gアルバレス氏が今年の後半に退任すること、また、ダニエル・タルーロ氏は今年の4月に退任する予定であることを発表した。この2人はドット=フランク・ウォール街改革・消費者保護法を実施するうえで重要な役割を果たしてきたが、ドット=フランク法の廃止または大幅な見直しが避けられない状況となっており、これが両名が退任する理由ではないかとの憶測がある。また、イエレンFRB議長とフィッシャー副議長はそれぞれの任期(2018年2月と2018年6月)で退任するとの憶測が広がっている。どちらかは年内に退任するとの見方も出ている。

 

★米国債券への投資に足踏みの様相

米国債を大口保有する海外勢はトランプ政権の発足後、米政府が発行する債券に資金を投じることを考え直す様相となっている。米国債を最も多く保有するのは日本の投資家だが、昨年12月の保有額が約4年ぶりの大幅減少となったことが財務省の直近データで示された。ただ、これは世界中で外国勢がこれまでにないペースで米国債から手をひきつつある。理由としては、トランプ政権下で財政赤字が膨らむ見通しで荒れ、インフレ加速懸念であれ、米利上げ観測であれ、米国債子女うが世界で最も安全な債券市場と確信出来なくなっている。

 

★イエレン米FRB議長の議会証言に注目

イエレン米FRB議長による上・下院による14日、15日の議会証言に注目が集まっている。イエレン議長が議会証言でタカ派寄りの姿勢を示せば、ドル高に弾みが付く可能性が高い。そうなると3月の利上げの確率は現在の約30%から50%に近づくことになる。

 

★欧米イベント

○16:00  1月独卸売物価指数(WPI)

 

本日の欧米市場では、重要経済指標はほとんどなく手掛かり材料不足の感が強い。そのため、短期筋のポジション調整的な動きに振られる可能性もあり注意が必要だ。

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