FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:本邦マイナス成長を嫌気した売り優勢

前日のNYダウが193ドル安の9日ぶり反落を嫌気し先物に売りが先行した。また、朝方発表なった本邦18年1-3月期実質GDP(速報値)が9四半期ぶりにマイナスになったことも売り材料視された。ただ、商品投資顧問(CTA)など海外短期筋の先物買いに一時20円近辺まで下げ幅を縮めたが徐々に上値が重くなった。結局、前日比100円安の2万2717円と続落して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:110円台前半での終日もみ合い相場

ドル/円は、米長期金利の上昇でドル買いが強まった流れを引き継ぎ一時110.38円までじり高となった。しかし、久しぶりの110円台乗せとなったこともあり、国内輸出勢などのドル売り・円買いが持ち込まれ110.20円付近へ軟化した。一部報道で『米政府が北朝鮮の核プログラム放棄を一方的に主張し続けるならば、米国との首脳会談開催を再考するかもしれない』と報じられると、リスク回避の円買いを誘った。午後から日経平均株価をにらみながらの110.20円台を中心としたレンジでのもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、昨年12月以来の安値1.1816ドルをつけた反動から利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り1.1840ドル台へ切り返したが、その後はもみ合いとなった。本日も欧州勢待ちの様相となっている。

 

米小売売上高の結果で本年4回の米利上げの可能性強まる

米商務省がはっぴょうした4月小売売上高は前月比+0.3%と、3月に続き2ヵ月連続のプラスとなった。また3月分は+0.6%から+0.8%へ上昇修正された。3月分は+0.6%から+0.8%へ上方修正された。GDP算出に用いられる小売りコントロールグループ(自動車、建材、ガソリンを除く)は前月比+0.4%と、3ヵ月連続のプラスとなった。3月分は0.5%へ上昇修正された。この結果を受けて、4-6月期の消費が1-3月期の弱い基調から反発する兆候だと期待が広がった。ガソリン価格の上昇を、減税に加え強い雇用が相殺し、消費を支えていると見られる。そのため、アトランタ連銀のGDP見通しで、4-6月期分は従来の4.0%から4.1%へ引き上げられた。4月の小売売上高の結果で、消費支出のプラス寄与度が3.0%から3.1%へ引き上げられた。この結果を受けて、FOMCによる本年4回の利上げの可能性が強まった。

 

中東情勢悪化における地政学リスクの高まり

米国の在イスラエル大使館移転に反発するパレスチナ自治区での抗議デモは15日も続いた。同日は70年前のイスラエル建国で多数の難民が発生した『ナクバ(大惨事)と称する記念日にあたり、抗議活動が広がればイスラエル当局との衝突が拡大するおされもある。欧州はイスラエルと米国への批判を強めており、米国との亀裂が一段と深まる。パレスチナ当局によると14日までにパレスチナ人58人が死亡した。負傷者数は2700人以上に膨らんだ。

 

米国市場では4月の住宅着工件数が公表

前月の3月は前月比+1.9%の132万戸となり、市場予想の127万戸を上回った。集合住宅の+14.4%という高い伸びがけん引している。そのため、テクニカル的には4月は反動減速が警戒される。4月は長期金利の上昇や賃金伸び悩み、資源素材価格の上昇による住宅建築コストの上なども悪材料となりやすい。

 

米国市場では4月鉱工業生産が公表

同じ4月のISM製造業景況指数では『生産』が57.2となり、3月の61.0や2月の62.0から鈍化した。4月にかけては米長期金利の上昇とドル高、資源価格上昇、貿易戦争への懸念などもあり、米国の生産の悪化要因となる。ただ、資源価格の上昇については、資源エネルギー業界の制裁や設備投資にプラスとなる。貿易戦争懸念は米国内外の企業による米国への生産シフトを推進させているほか、米国では減税効果も持続している。4月小売売上高も強い数字を示していることから、生産も懸念ほど減速しない可能性もも残る。

 

欧米イベント

○15:00   4月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比横ばい)
○16:00   3月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.7%)
○18:00   4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.2%)
○未定    ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   3月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比4.7%)
○21:00   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21:30   3月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.9%)
○21:30   4月米住宅着工件数(予想:131万件、前月比▲0.7%)
        建設許可件数(予想:135万件、前月比▲2.1%)
○21:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21:30   クーレECB理事、講演
○22:15   4月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.6%)
       設備稼働率(予想:78.4%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:30   プラートECB専務理事、講演
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.25%に引き下げ)

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