FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:短期過熱感から利益確定売り優勢

前日までの2営業日で850円以上の上昇で過熱感を警戒した利益確定売りが優勢となった。内需関連中心に国内企業4-6月期決算の大幅減益も買い手控え要因となり一時下げ幅は200円を超えた。しかし、午後に日銀のETF買いが入るとの思惑もあり、下げ渋る場面もあった。結局、前営業日比58円安の2万2514円と3日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:105円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、前日のNY市場で米長期金利の低下を背景に、主要通貨に対してドルが全面安となった流れを引き継ぎ、105.51円付近まで下落した。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて本邦輸出勢のドル売り・円買いも通常より多く観測された。しかし、心理的節目の105.50円が意識されると、下げは一服した。その後は、値ごろ感もあり105.60円付近まで切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中第1段階合意の達成は困難

1月に米中は、中国が米国産農畜産物の輸入を大幅拡大する『第1段階合意』に署名し、中国は米国から365億ドル相当の農畜産物を輸入することに合意した。ただ、5月末までのデータを見ると、同輸入の実績は60億ドル程度である。合意を達成するには2017年の実績を50%上回らなければならないが、これは2017年を31%も下回る水準である。残りの数カ月で中国が輸入を大幅に拡大しなければ、目標を達成するのは困難である。

 

欧州市場では6月ユーロ圏小売売上高が公表

5月実績は、前月比+17.8%だった。都市封鎖の部分的な解除にって小売売上高は大幅に増加した。6月については、経済活動の拡大によって2ヵ月連続で増加する見込みだが、増加幅は5月実績を大幅に下回る可能性がある。

 

SPDRゴールド・シェアーズに大規模資金流入

4日の米国市場で金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズ(@GLD/ U)に5億8877万ドルの大規模な資金が流入した。この結果、過去1週で9億ドル超、1ヵ月で40億ドル超の資金が流入し、純資産は791億71800万ドルと800億ドルの大台に迫っている。この日の米国市場でGLDは大幅に3日続伸して2.12%高の189.59ドルで終え、一時189.60ドルまで上昇して上場来高値を更新した。金現物、先物共に史上最高値を更新する中、GLDを通じて金相場への資金流入が続く格好となった。GLDには年初来で202億ドルの資金が流入した。米国上場ETFで純資産が最大のS&P500に連動するスパイダーS&P500ETF(@SPY/U)からは225億ドルの資金が流出したが、株からゴールドへの資金シフトが起きていることを示唆している。

 

トルコから若者が流出:キリスト教国へ移住

一部のトルコメディアが報じたところによると、昨年トルコから外国へ移住した人数は約33万人に達し、そのうち20歳から34歳までが40.8%を占めた。記事では、トルコは現在、『経済不安、失業、腐敗、権威主義の高まり』で最も才能のある若者の頭脳流出を経験している、という専門家の意見を紹介している。才能ある若者の7割が『何らかの縁故なしではトルコでは成功できない』と考えている、との調査結果も記載された。自国に失望し、外国に夢を抱くのは反政権側の若者かと思いきや、そうでもない。一部調査では、エルドアン大統領を支持する若者でさえも、その6割はサウジのようなイスラム教国家で働くよりも、賃金が安くてもスイスのようなキリスト教国に住むことを望んでいるとした。大統領が目指した『敬虔なイスラム教徒で保守的な世代を育てる』ことは成功していないと指摘されている。

 

米国債市場の変動率急伸には注意:ドルの乱高下要因

米国経済を支える数兆ドル規模の追加財政策の実施に向けて交渉が続く中、米国債相場は続伸を続けている。5年債利回りは過去最低水準を連日更新。米10年債利回りも0.51%まで低下。新型コロナウイルスパンデミック拡大で、米国も緊急事態宣言を発動するにいたり市場が混乱していた時期の3月9日以来の低水準となった。7月に入りウイルスが再燃し回復が停滞したため景気の先行き見通しが再び悪化している。回復は容易ではなく、ウイルスパンデミックにより損傷した経済が危機前の状況に戻るには少なくとも2年ほどかかるといった経済への不安も強まり安全資産としての米国債に投資資金が流入した。ただ、8月は投資家が夏季休暇に入るため通常、参加者が限定的となり相場が動きやすくなる。このため、混乱が起こりやすい月である。米国債市場での変動率が過去最低水準から急伸する可能性も警戒されている。ドルの乱高下にもつながる可能性があるため注意が必要となる。

 

米国市場では6月貿易収支が公表

5月実績は‐546憶ドルで赤字幅は拡大した。財・サービスの輸出は約10年ぶりの低い水準に織り込んだことが要因となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、需要と出荷がいずれも停滞した。6月については、輸出が伸び悩んでおり、貿易赤字の大幅な縮小は期待できない。

 

欧米市場イベント

○16:50   7月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:57.8)
○16:55   7月独サービス部門PMI改定値(予想:56.7)
○17:00   7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:55.1)
○17:30   7月英サービス部門PMI改定値(予想:56.6)
○18:00   6月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比5.9%/前年比▲0.5%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   7月ADP全米雇用報告(予想:120万人)
○21:30   6月カナダ貿易収支(予想:9.0億カナダドルの赤字)
○21:30   6月米貿易収支(予想:501億ドルの赤字)
○22:45   7月米サービス部門PMI改定値(予想:49.6)
○22:45   7月米総合PMI改定値
○23:00   7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:55.0)
○23:30   EIA週間在庫統計
○6日06:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、討議に参加
○6日06:00   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.00%に引き下げ)
○英中銀金融政策委員会(MPC、6日まで)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

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