FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:4連休を控え利益確定売り優勢

米国でハイテク株が売られて、ナスダックが下げたことを嫌気して下落スタートした。開始早々に下げ幅を3桁に広げたところでは、押し目買いが入って急速に値を戻したが、プラス圏に浮上するかというところでは売り直された。日本の4連休を前にこれまで上昇した銘柄に利益確定売りが優勢となり、米追加経済対策に時間を要するとの見方も重荷となっている。結局、前営業比132円安の2万2751円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は下げ止まり106円台後半で小動き

ドル/円は、日経平均株価の反落を眺めたドル売り・円買いに押され、106.72円付近まで下落した。欧州の景気回復を期待したユーロ高・ドル安が波及した面もあった。しかし、106.65円付近がテクニカル的な下値のサポートとして意識されると下げは一服、106.75円を挟んでもみ合いとなった。午後は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや中国株高に支えられ、106.90円付近まで上昇した。しかし、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気から伸び悩む展開となった。ユーロ/ドルは、21日に行われたEU首脳会議での復興基金案合意が好感されて一時1.1547ドル付近まで上昇し、約1年ぶりのユーロ高・ドル安となった。

 

英製薬大手アストラゼネカのワクチン:9月にも供給予定

英製薬大手アストラゼネカは20日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナウイルスのワクチンの初期治験(臨床試験)で強い免疫反応を確認したと発表した。ワクチンは9月にも供給を始める予定で、新型コロナ対策としての期待が高まっている。開発中のワクチンを18-55歳の1077人に投与し、ほとんどの治験者の体内で抗体が作られかつワクチンを2回打った人はより強い効果が認められた。アストラゼネカのソリオCEOは20日の会見で、米国や中国はじめ世界中でワクチン開発が進んでいるが、『アストラゼネカのワクチンは医療機関等に今秋9月にも供給予定で最早部類に入る』とし、日本へのワクチン供給は『1億回を念頭に政府と交渉している』と述べた。なお、治験は英国やブラジル等で進み日本では8月に開始予定している。

 

EU首脳会談で合意された復興基金

欧州連合(EU)は首脳会談で、前代未聞のパンデミックで損傷している域内経済を助ける復興基金でようやく合意にこぎつけた。補助金と低利融資の割合で大きく意見が分かれていたが、補助金の割合を3900億ユーロに減額する妥協案がだされ合意に至った。規模は7500億ユーロ規模。加えて、EUは次回の予算で2021年から2027年まで1.07兆ユーロを拠出。投資は合計で1.8兆ユーロにのぼる。欧州委員会のウルズラ委員長は欧州経済がパンデミック危機から力強く脱出できると、楽観的な見方を示している。首脳らはそれぞれの国の議会の承認を得なければならない。

 

南ア航空(SAA)の救済に必要な条件を満たす必要がある日

南アフリカだけでなく世界的なウイルス感染拡大は、今後の経済に影響を与えることは確実だが市場は無視し、低金利により支えられている株式市場の値動きが新興国通貨の動きを決定するほぼ唯一の要因になりつつある。リーマン危機の時もパリバショックが起きてから約8カ月以上市場が崩壊するまで時間がかかった。それ以前からもサブプライムローンの危険性が指摘されていたことを考えると、市場が反応するのにはかなりタイムギャップがあるのかもしれない。ウイルス感染による経済的な影響でリスクオフになることには備えが必要ですが、まだ先なのかもしれない。
 南アにとっては本日22日に南ア航空(SAA)が救済に必要な条件をすべて満たす必要がある日となっている。昨日ムボウェニ南アフリカ財務相は『政府はSAAの財政支援は行わない』とすでに発言しているが、必要条件に満たさない場合債権者が集まる24日に今後のSAAの運営が決まる。人員の解雇などを含め、大きくSAAが変わることは間違いない。

 

米国の第4弾の財政出動の行方に注目

第4弾の財政出動を巡るトランプ米政権・共和党側と民主党の協議の行方が注目される。米政府は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、これまで合計2.9兆ドル近くの景気刺激策を実施してきた。ただ既に失業給付の積み増しが今月末で終了するため、早期に新たな支援策をまとめる必要がある。積み増し幅に関しては現状の600ドルから、共和党が200ドル程度まで減額、民主党は500ドル程度に留めたいとしており、両者には差がある。また、トランプ大統領が求める給与税減税については、議会が必ずしも積極的ではないようだ。他にも、『コロナ免責条項』(従業員や顧客が職場などで新型コロナに感染しても企業や政府機関、学校などが賠償責任を負わない)について、共和党は賛成だが民主党は反対の立場だ。 共和党と民主党、政府と議会は11月の選挙に向けての駆け引きもあり、協議停滞などのヘッドラインには警戒しておきたい。合意に向けて進展となれば、素直にリスク選好の動きになりやすい。

 

米国市場では6月中古住宅販売件数が公表

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月実績は、2010年10月以来の低水準となった。経済活動は大幅に制限されており、住宅需要は減少した。6月については、各州で経済活動が再開されており、雇用情勢も改善していることから、販売件数は前月比で大幅に増加する見込みとなっている。

 

欧米イベント

○未定   7月月例経済報告
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   4月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲15.6%)
○21:30   6月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比0.2%)
○22:00   5月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:15   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00    6月米中古住宅販売件数(予想:前月比24.5%/年率換算480万件
○23:30    EIA週間在庫統計
○24:00    デギンドスECB副総裁、講演
○23日02:00   米財務省、20年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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