FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ワクチン開発進展やEUの復興基金合意を好感

米国株高を好感して買いが先行した。しかし、21日の東京の新規感染者230人とと伝わり短期筋の売りに上げ幅を縮めた。一方で英大手製薬アストラゼネカ等による新型コロナのワクチン開発進展や欧州連合(EU)首脳会議が復興基金で合意するとの英FT紙(電子版)報道を契機に景気回復を期待した買いが優勢となった。結局、前営業日比166円高の2万2884円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ユーロに対してドル買い戻しで連れた円安基調

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.20円を挟んでもみ合いとなった。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後は、ユーロ/ドルのユーロ安・ドル高が波及、ドル/円も107.35円付近まで上昇した。日経平均株価が上げ幅をやや拡大したことも、ドル買い・円売りを誘った。ユーロ/ドルは、EU首脳会議で7500億ユーロの復興基金案が合意に至ったことを好感して一時1.1470ドル付近まで上昇、およそ4ヵ月半ぶりの高値をつける場面があった。しかし、目先の好材料は出尽くしたの見方から、次第に利益確定や持ち高調整ののユーロ売り・ドル買いに押される展開となり、1.14ドル台前半へ下落した。

 

2020年は庚子の年:厄災の多い年回り

2020年『庚子(かねのえ)の年』は、戦争、大地震・洪水などの自然災害、大飢饉による食料難などの厄災に襲われるのではないか、との警鐘が鳴らされていたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に襲われている。中国を統治した五帝の最初の帝『黄帝』(紀元前2510年~2448年)が、約4500年前に記した『黄帝地母経』によると、60年に1度やってくる干支『庚子の年』は、災難に襲われる年、歴史的な変化の年として警鐘が鳴らされてきた。『庚子の年』は、人々が暴力的になり、洪水と旱魃に襲われる年となるらしい。

 

今後の日本株のキーファクターは企業業績

大和証券は21日付けレポートで国内外の機関投資家の株式市場などに関する調査結果を公表した。6ヵ月後の日経平均株価予想は、2万2000円~2万3000円という回答が最多となった。4月に実施された前回調査では、2万円以下の回答が約8割を占めており、その時に比べ高水準となった。前回調査から世界的に株価が上昇したことが影響しているとみられ、今後6ヵ月は上値が重いとの見方が大勢を占めた。今後のキーファクターは企業業績が最多回答で、前回調査で最多回答コロナウイルスの被害状況は次点となり、投資家の菅セインが徐々にコロナウイルスから企業業績にシフトしているとみられた。

 

国内金地金は上昇基調:過去最高値を更新

田中貴金属工業が21日午前に公表した小売価格(税込み)は前日比比べ34円高い1グラム6,937円となり、過去最高値を更新した。米国や日本などで新型コロナウイルスの新規感染者が増加し、感染再拡大の警戒感が高まっていることで、相対的に安全資産とされる金の買いを誘った。

 

国際社会とトルコの溝が広がりでトルコリラは買い難くなる

トルコが介入を強めるリビア内戦に関し、仏・独・伊は、国連安全保障理事会が定めた武器禁輸に違反した国に『制裁検討の用意がある』と警告した。トルコへのけん制も当然含まれており、今後の同国の動向が注目される。ただ、これまでシリアからリビアに向けて傭兵を送っていたトルコが、他の地域からも傭兵調達に動いているとの報道もあり、リビア内戦へのかかわりは更に深まる。また、博物館となっていた世界遺産『アヤソフィア』をモスク化した件でも、キリスト教国を中心に批判が高まっています。トルコ政府は、礼拝中はキリスト教関連の人物を描いたモザイク画をカーテンで覆う方針を明らかにした。国際社会とトルコの溝が広がり、経済関係の悪化にも繋がってしまうようであれば、リラはますます買い難くなる。

 

米企業はウイルス感染の再拡大で企業活動見直し

米国の大企業は3月と4月に打ち出した新型コロナウイルス対策について、状況の打破にはつながらないと判断し始めている。米国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の再拡大で一部企業の活動が再び停止に追い込まれ、迅速な回復への期待がしぼみつつある。航空会社から外食チェーンに至るまで多くの企業が、戦略や人員配置の再転換、あるいは既存の転換計画のてこ入れを迫られている。企業は一時帰休を恒久的なレイオフに変更し、コア事業の縮小や生産の無期限削減に着手している。

 

米国の追加財政策の協議が本格化:民主党と共和党で大きな隔たり

米国のトランプ政権と議会はパンデミック対策の追加財政策の協議を本格化させる。ワクチンや治療薬開発で進展が見られるものの実用化にはまだいたっておらず、パンデミック終息も見られないため回復を押し上げるためには追加財政支援策が必至となる。 政府がパンデミック救済策の一環として実施している失業保険の週600ドルの特別支給が今月末に終了、また、小規模企業を支援するプログラムの申請期限も8月に迫る中、米国政府、議会は今後2週間、法案成立の圧力が強まる。 破綻を最小限にとどめるための企業の債務保護、地方政府への支援、国民への直接的な資金供給、住宅ローンや賃貸支援において、民主党と共和党は見解の相違を縮めていく必要がある。また、規模でも民主党は3.5兆ドル規模の支援を提示している一方、共和党は1兆ドル規模を提示しており、大きな譲歩がお互いに必要となる。

 

欧米イベント

○17:30   6月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.1%)
○21:30   5月カナダ小売売上高(予想:前月比20.0%/自動車を除く前月比12.5%)
○22:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、パネルディスカッションに参加

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