FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好業績銘柄と出遅れ株に買い

米ハイテク株安などを背景に70円超下げて始まったが、一巡するとプラス圏を回復した。資生堂や三井不動産など好業績銘柄中心に物色されプラス圏を回復した。また、出遅れ株に買いが広がり指数を押し上げた。結局、前週末比107円高の2万2865円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高を好感してドルは底堅い展開

ドル/円は、米長期金利低下をながめてドル売りが先行し、一時109.20円まで下げた、しかし、先週末の海外市場でつけた安値109.15円がサポートとして意識されると下げ一服となった。その後は本邦実需筋からのドル買いが入り109.30円台まで持ち直した。午後は日経平均株価が上げ幅を拡大したことからリスク選好の円売りが入り109.40円台までじり高となった。ユーロ/ドルは、1.1960ドル前後で方向性を欠いた動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

仮想通貨市場が活気を失っている

仮想通貨市場が活気を失っており、コンピューターを用いたアルゴと仮想通貨売買にいたっては、ほぼ壊滅状態となっている。コインマーケットキャップによると日本時間14日6時時点で、直近24時間の仮想通貨全体の売買高は198億ドル程度だった。1月5日につけたピークの約700億ドルには遠く及ばない。3月に一時100億ドルを割り込んでいたことから、徐々に個人マネーの流入は増えている。しかし、リスクに敏感なアルゴリズム系ヘッジファンドなどの期間投資家は慎重姿勢を崩していない。

ビットコイン相関係数(5月7-11日)では、相関が強いのは原油先物:+0.686、NYダウ:+0.506、一方逆相関は大証日経平均先物:▲0.912、オフショア人民元:▲0.306となっている。

 

国債発行コスト減少が財政健全化の意識低下

日本銀行の異次元緩和による金利低下で、2013年度以降の国債発行コストが5兆円程度抑制された。13年以降に発行された計630兆円の固定利付国債(物価連動債を除く2-4年債)の平均利回りを基にした発行コストは5年間の累積で約7.4兆円となった。また、18年度の国債残高が883兆円と過去最高を更新する中、市場金利は低下傾向のある。そのため、金融緩和は、財政規律の悪化に伴う金利上昇や利払い負担増を防ぐ半面、財政健全化の意識低下につながっている。

 

新興国通貨は悪材料に敏感:マレーシア・リンギット下落

アルゼンチンペソやトルコリア、ブラジルなどが大幅下落している中、今度はマレーシア・リンギットが大きく下落している。先週の連邦下院選挙で歴史的な政権交代が実現し、マハティール新首相が主張してきた消費税廃止や燃料補助金の復活を巡り懸念が広がった。また、米格付け会社ムーディーズは、消費税が廃止され他の歳入確保の手段が補完されなければ、予算に対するリスクになると警告している。

 

欧米イベント

○15:30   4月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比2.90%)
○15:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○15:45   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○19:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:15   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○20:45   プラートECB専務理事、講演
○22:40   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演

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