FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:上海株高につれてストップを巻き込み上げ幅拡大

寄り付きは小幅な上昇であったが、半導体関連などの動きの良さから上げ幅を拡大した。NYダウ先物が強い動きとなったことや、アジア株高、円安進行などもリスク選好ムードを高めた。中国の人民日報が、株高を支持する論説を打ち出したことで、上海株式市場で材料視され買われたことが、日本株の支援材料になり上げ幅を拡大した。先安を見込んで株価指数先物を売り建てていた参加者の買い戻しを巻き込んで一段高となった。結局、前営業日比407円高の2万2714円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好のドル安・円安地合いが継続

ドル/円は、リスク選好のドル売り・円売りが同時に進んだため、107.70円前後で動きづらい状況となった。ユーロ/ドルは、NYダウ先物高・日本株高・上海総合株価指数高などから、リスク選好のドル安が継続し、一時1.1293ドルまで上値をの伸ばした。

 

日本の鉱工業生産で在庫抑制:前年比では14ヵ月ぶりのマイナス

日本の5月鉱工業生産指数(2015年=100)は前月比-8.4%の79.1と4カ月連続で低下し、比較可能な2013年以降の最低を2カ月連続で更新した。足元では米中などで感染2波が警戒されているほか、内外での消費・生産などの制約持続とあいまって、底入れ遅延や回復の鈍さが懸念される。ただし、懸案の在庫積み上がりは2カ月連続で低下に転じ、前年比では14カ月ぶりのマイナスとなってきた。供給制約や減産加速などで生産と在庫の調整自体は進展しており、企業収益の2番底リスクや各種の不良債権増加を制御していく。

 

豪中関係悪化のなか7日に金融政策理事会の声明文に注目

豪中関係は引き続き改善する兆候がない。先週、香港国家安全維持法が可決したことに対して、モリソン豪首相は『豪州は香港のSafe Haven(安全な場所)になることを考えている』と発言し、香港市民の受け入れの可能性を示唆した。このことで豪中関係がより悪化するのは確実である。米国株の値動きも豪ドルに大きな影響を与えているので、引き続き注視しておきたい。今週のイベントでは7日に行われる豪準備銀行(RBA)の理事会が注目される。政策金利を変更することはないだろうが、上記のような感染第2波に対してRBAが今後どのようなスタンスを取ろうとするのか声明文が注目される。

 

中国人民銀行は流動性総量を調整しながらの金融調節

中国人民銀行(中央銀行)は先週の公開市場操作(オペ)で、4900億元の短期資金を銀行間市場から吸収した。週ベースの吸収規模として4カ月半ぶりの大きさとなった。 週内に同額のリバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)が償還期限を迎えた半面、3日まで5日連続でリバースレポを通じた資金供給を見送った。人民銀は3日、リバースレポ操作を停止した理由を『銀行システムの流動性総量は足元でやや高い水準にあり、リバースレポの償還や政府債券発行に伴う資金需要を吸収できる』と説明した。

 

7月17-18日のEU首脳会議に市場は注目

7500億ユーロ(約90兆円)規模に上る復興基金を協議するもので、すでに一定の織り込みは進展してきたほか、難航リスクは残るものの、17-18日までは進展『期待』が維持される。同構想は6月19日のEU首脳テレビ会議でも協議されたが、対立点が解消されず先送りされた。7月17-18日のEU首脳会議で再協議されるが、7月1日から半年間、EUの議長国を務めるドイツのメルケル首相は2日、実質的な議長就任会見で『合意をとりつけるため、ブリュッセルに向かう。夏の間には合意に至る必要がある』と決意を表明している。すでに金融市場では復興基金の織り込みが進展してきたほか、17-18日には難航と遅延のリスクも残されている。一方で首脳会議まではメルケル首相の意気込みもあり、進展への『事前期待』がユーロやリスク選好相場の下支え要因となりやすい。

 

8日にトランプ大統領とメキシコの大統領の首脳会談:米大統領選対策の思惑

1日にメキシコのロペスオブラドール大統領が記者会見でトランプ米大統領との首脳会談を8日に行うことを発表したが、この決定には様々な意見が出ている。そもそも、2018年の就任以降、一度も海外に訪問したことがなかった大統領が初めて選んだ先が米国である。米国とは移民問題を巡る国境の壁で関係をこじらせて以降はメキシコ国民のトランプ大統領への批判は高まり続けている。両国大統領の関係は良好と見られていたが、先日のベネズエラへの石油取引を巡ってはメキシコ大統領は米国側の意向を無視する形でベネズエラ側へつく態度を示すなど、不穏な空気が漂っている。ただ、今回の首脳会談が、『なぜこの時期』なのかということだが、11月の米大統領選挙での苦戦が強いられることが予想されるトランプ大統領がヒスパニック系の支持を上げるための政治的な要因が強いとも言われており、今回の会談がメキシコにとって実りあるものになるかどうかは不透明なところである。

 

米国市場では6月ISM非製造業景況指数が公表

5月実績は45.4だった。先に発表された6月の製造業景況指数は大幅に改善した。非製造業は経済封鎖の段階的な解除の影響を製造業よりも強く受けている可能性があるため、景況指数は50レベルに迫る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独製造業新規受注(予想:前月比15.4%/前年同月比▲24.0%)
○17:30   6月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.0)
○18:00   5月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比15.0%/前年比▲6.5%)
○22:45   6月米サービス部門PMI改定値(予想:47.0)
○22:45   6月米総合PMI改定値
○23:00   6月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:50.0)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ