FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀の株式ETF買い入れ観測を好感

前日のNY原油先物の急伸や米ダウ平均377ドル高の反発を受け買いが先行したが米中対立の先鋭化への警戒感から時間外取引のNY米ダウ先物の下落を受け前引けにかけて下げ幅を広げた。シカゴ市場の時間外取引で米ダウ先物が上げに転じて買い安心感に繋がったほか、日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れを実施するとの観測が浮上したことも買い材料となった。結局、前偉業日比122円高の2万0037円と再び2万円台を回復し堅調推移した。4営業日ぶりに上昇して終了した。

 

東京外国為替市場:米中関係の悪化懸念からドルの上値はが重い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、107円台半ばへ水準を切り上げた。しかし、トランプ米大統領による中国に対する批判的な発言が相次ぎ、米中関係の悪化が警戒されているため、上値は重かった。その後は、日経平均株価が朝高後に伸び悩むと、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて107.25円付近へ下落した。午後は、日経平均株価の動向を睨みながら、107.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.0805ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

メキシコペソは利下げよりも原油高を好感

メキシコ中銀は金融政策決定会合で市場の予想通り政策金利を従来の6%から50ベーシス引き下げ5.5%とすることを全会一致で決定した。声明では経済のリスクバランスが著しく下方に傾斜しているとしたが、思惑があった利下げペース拡大を示唆する文言が見られなかった。また、WTI原油先物6月限が一時10%超上昇したことを受けて、産油国通貨とされるペソに買いが集まった。

 

欧州市場では1-3月期ユーロ圏域内総生産改定値が公表

参考となる速報値は、前年比▲3.3%だった。フランス、スペインは前期比▲5.0%台の大幅な落ち込みを記録した。ドイツ経済も前例のない大幅な落ち込みを記録していることから、改定値の成長率は下方修正される可能性がある。

 

IEAは2020年世界の石油需要予測をやや上方修正

国際エネルギー機関(IEA)は14日発表の石油市場月報で、2020年の世界の石油需要予測をやや上方修正した。前年比で日量860万バレル減と、4月の前回より70万バレル引き上げた。新型コロナウイルスによる経済活動の低迷で過去最大の需要減になる見通しは変わらないが、欧州などで取られ始めた移動制限緩和の動きを織り込んだ。
世界の供給量は産油国の協調減産により、5月に前月比1200万バレル減の日量8800万バレルと、9年ぶりの低水準になると予測した。石油輸出国機構(OPEC)を主導するサウジアラビアのほか、米国やカナダなど非加盟国の減産効果が大きいとみている。
原油市場では需給改善への期待から、4月に急落した先物相場に底入れ感も出ている。ただIEAは、新型コロナ感染の再拡大なしに各国が移動制限を緩和できるかなど『大きな不透明感は残ったままだ』と指摘した。

 

米中関係悪化の様相:今晩もヘッドラインに注意

トランプ米大統領は、連邦退職基金が中国株式に投じる約45億ドルの資金引き揚げを指示し、投資先として中国株との関係を絶つ方向に動いている、と報じられており、中国外務省は法律違反だと反論し、懲罰的措置を講じる、と警告している。さらに、米議会では、中国が新型コロナウイルス感染拡大に至る経緯の調査に協力せず、十分に説明しない場合に、対中制裁を科す権限を大統領に付与する法案が提出された。同法案は、米国が実施するあらゆるコロナ関連調査に対して中国が十分な説明を提供したと60日以内に確認するよう大統領に義務付ける内容であり、中国サイドの反発が警戒されている。 また、米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省は声明を発表し、中国がワクチンや治療法、検査に関する情報を盗もうとしているとして医療や製薬の関係機関に警告し、不審な動きがあれば通報するよう呼び掛けたことで、関連ヘッドラインに要警戒となる。。

 

ウォーレン・バフェット氏も株式投資は静観の構え

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は『コロナ禍で世界は変わる』と断じ、投資の神様もコロナショックによる世界的株安で20年1-3月期決算(バークシャー・ハサウェイ)で497億ドル(約5兆億円)の赤字を出した。しかも、パウエルFRBの無制限『QE』(量的緩和)を評価しながらも、『魅力的なものがないので何もしていない』と株式投資に静観の構えを貫いている。因みに、バークシャー・ハサウェイの3月末時点の手元資金は、2019年末から100億ドル増加して過去最大の1370億ドル(約14兆4220億円)に積み上がっている。実際、バフェット氏自身、『今のパンデミックのようなことが起こった場合、それを織り込むのは難しい』と謙虚に不確実性を受け入れ、『少なくとも私の見解では、借りたお金(証拠金)で投資をしたくない』とレバレッジ・ファンドなど投機筋と一線を画す。

 

米国市場では4月小売売上高が公表

3月実績は、前月比▲8.4%で過去最大の下げ幅となった。4月実績はさらに落ち込む見込み。都市封鎖の影響で飲食サービス、衣料・装飾品、ガソリン、自動車・関連部品などの売上高は3月実績を下回る見込み。全体の数字も3月実績の減少幅を上回る可能性が高いとみられる。

 

欧米イベント

○15:00   4月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.6%)
○15:45   4月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比0.4%)
○17:00   1-3月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済、予想:前期比▲2.2%/前年同期比▲2.0%)
○17:00   1-3月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比▲1.6%)
○17:30   1-3月期香港GDP確定値(予想:前期比▲5.3%/前年同期比▲8.9%)
○18:00   3月ユーロ圏貿易収支(季節調整済、予想:170億ユーロの黒字/季節調整前)
○18:00   1-3月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比▲3.8%/前年比▲3.3%)
○21:30   3月対カナダ証券投資
○21:30   4月米小売売上高(予想:前月比▲12.0%/自動車を除く前月比▲8.6%)
○21:30   5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲63.5)
○22:15   4月米鉱工業生産指数(予想:前月比▲11.5%)
       設備稼働率(予想:64.0%)
○23:00   3月米企業在庫(予想:前月比▲0.2%)
○23:00   5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:68.0)
○16日05:00   3月対米証券投資動向

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