FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中対立への警戒感の後退を好感した買い優勢

欧米の経済活動再開を好感したNYダウ211ドル高の反発した。また、中国の劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表部代表、ムニューシン米財務長官が電話会談したことが伝わると、米中対立への警戒感が後退して買いが優勢となりSQ(特別清算指数)絡みの売買もあり上げ幅を広げた。結局、前営業日比504円高の2万179円と3営業日ぶりに2万円に乗せて終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りも上値の重い展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅続伸を眺めたドル買い・円売りが先行し、106.46円付近まで上昇した。しかし、今晩発表される4月米雇用統計は、歴史的な悪い数字が予想されていることから、上げは一服した。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、106.30円前後でもみ合う展開となった。午後は、本邦実需筋などがドル買い・円売りに動き、106.40円付近へじり高となった。日経平均株価の上げ幅拡大もリスク選好の円売りを誘った。ユーロ/ドルは、1.0840ドル台を中心とした狭いもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

 

3月はFX取引が過去最大に急増

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した3月に、外国為替証拠金取引(FX)の取引金額が過去最大の1015兆円に達したことが7日、分かった。有事に強いドルを巡り市場が混乱し、円相場が巻き込まれた。今後も新型コロナ流行の長期化などに警戒が強まれば、再び相場の乱高下や取引膨張といった局面が生じる可能性がある。金融先物取引業協会の集計では、3月の取引金額が2月の403兆円から急増し、これまで最大だった2015年1月の660兆円を大きく上回った。円とドルの取引で全体の7割を占めた。

 

新型コロナ感染症を巡る中国政府を提訴する動きが広がる

新型コロナ感染症を巡り、中国政府の初動対応の遅れが世界的な感染拡大を招いたとして賠償を求める声が、米国や英国、インドやトルコなど各地で上がっている。中国当局は『反中世論』を形成しようとする動きだとして警戒している。米ミズーリ州は4月21日、中国当局が武漢市での感染症発生情報を隠したとして、中国政府などを相手に提訴した。英保守系シンクタンクは、中国がWHOへ十分な情報を提供しなかったことは『国際保健規則』に反しており、国際社会は中国に対して法的措置を講じるべきだとの報告書を公表した。G7への損害額は最低4兆ドル(約430兆円)になると試算した。

 

米経済が完全回復するまでに1年以上かかるが半数以上:世論調査

英フィナンシャル・タイムズ(FT)と米ピーター・G・ピーターソン財団は4月23~27日、11月の米大統領選に関する世論調査を実施した。新型コロナウイルスの影響から米経済が完全回復するまでに「1年以上かかる」との回答が56%にのぼった。家計が新型コロナとの長期戦に備え、消費を手控える姿勢が強まっていることも浮き彫りになった。米国では州ごとに外出制限を段階的に緩める動きがあるが、新型コロナ前の状況には遠い。大統領選の勝敗を決めるとされる11の激戦州に限ると米経済の完全回復まで1年以上かかるとの回答は61%。全米平均を5ポイント上回った。再選を目指すトランプ大統領は経済活動の早期再開を各州に促し、経済の立て直しを急ぐ。

 

米FRBはマイナス金利導入を否定するも市場は織り込み始める

米国債相場は来週の入札規模が予想を上回り供給増の思惑に下落していたが、悲惨な雇用関連指標を受け米国経済の悪化懸念から米連邦準備制度理事会(FRB)が当面ゼロ金利や大規模な資産購入を続けるとの見方から米国債の購入が強まった。米国の金利先物市場ではFRBが2021年の初旬にも政策金利であるFF金利誘導目標をマイナスまで引き下げることを織り込み始めた。特に、2年債や5年債利回りは過去最低水準となりドル売り圧力となっている。 ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは、マイナス金利が『今のところ選択肢にはない』との方針を繰り返している。パウエル議長も過去のインタビューですでに『米国でのマイナス金利導入は考えていない』と常に答えている。FRBはマイナス金利よりも、追加緩和手段として、イールドカーブコントロールやフォワードガイダンスといった手段がより効率的と考えている。

 

米国市場では4月雇用統計が公表

4月雇用統計では失業率が16%と過去最高水準まで上昇、非農業部門雇用者数も前月比▲2125万人と過去最大の減少となると警戒されている。雇用統計ともっとも相関関係が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の4月分は2023.6万人減と、減少幅は過去最大を記録したことも雇用統計での雇用悪化を示唆している。さらに、雇用統計の先行指標となる週次新規失業保険申請件数も過去7週間で3300万人超に達した。失業保険継続受給者数は2264.7万人と予想1980万人を上回り過去最高を記録した。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独貿易収支(予想:188億ユーロの黒字)
○15:00   3月独経常収支(予想:207億ユーロの黒字)
○20:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21:00   4月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比▲0.20%)
○21:15   4月カナダ住宅着工件数(予想:11.00万件)
○21:30   3月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲20.0%)
○21:30   4月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化▲400.00万人/失業率18.0%)
○21:30   4月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化▲2200.0万人/失業率16.0%/平均時給、前月比0.4%/前年比3.3%)
○23:00   3月米卸売在庫(予想:前月比▲1.0%)
○23:00   3月米卸売売上高(予想:前月比▲3.0%)
○英国(アーリーメイバンクホリデー)、フランス(戦勝記念日)、休場
○10日 ポーランド大統領選

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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