FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀金融政策決定会合を好感して上げ幅拡大

原油高を受け、前週末の米国株式相場が上昇したのが支えとなった。ただ、国内では緊急事態宣言が解除されない限り、企業業績の回復期待は高まりにくい。2万えの節目を前にレンジ相場から脱却するのは容易ではない。日銀は27日に開いた金融政策決定会合を決めたが、事前の報道にほぼ沿った内容だったため反応は鈍かった。ただ、日銀が27日決めた国債購入額『上限撤廃』は事前予想通りでサプライズない一方でコマーシャルペーパー(CP)と社債購入上限額は従来の約3倍の20兆円と予想より多く好感する買いがやや増えた。結局、前週末比521円高の1万9783円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は持ち高調整による円買い

ドル/円は、本邦実需勢などのドル買い・円売りが先行し、107.62円付近まで上昇した。しかし、このところ低調な米経済指標が相次いでいることから、上値を追う動きは限られた。その後は短期筋などの利食い売りも見られ、107.50円を挟んだもみ合いとなった。午後に入ると、日銀金融政策決定会合にサプライズはなく、材料出尽くし感が広がるなかで持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、107.21円付近まで下落した。ただ、15時30分から始まる黒田日銀総裁の記者会見を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り、107.25円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、今週予定されている米FOMCやECB定例理事会などのイベントを前に、ショートカバーが持ち込まれ、1.0850ドル近辺へ上昇した。欧州の一部地域で、新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化かしていることも、ユーロ買い戻しにつながった。

 

WTIが再びマイナス価格に陥る可能性も

野村証券の27日付のリポートで『WTI価格がマイナスに陥る可能性がまったくなくなった訳ではないだろう』と指摘した。リポートでは『クッシングの原油在庫は着実に増えていて、貯蔵能力に近づいている。すでに多くが予約で埋まっている可能性があり、実際の在庫状況もされに向かっている。このままのペースで3~4週間で在庫の限界に達する』と指摘している。その上で『全米で在庫余力がまだあるものの、クッシングでこうした状況にあるため、再びWTI価格がマイナスに落ち込む可能性も残っていると考えられ、注意しておく必要があろう』とし、WTI先物の受け渡し場であるクッシングの在庫状況を警戒した。

 

サウジアラコムが予定より早く原油生産の削減

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが予定より早く原油生産の削減を開始したことが、事情に詳しい同国の業界関係者の話で分かったと報じている。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の合意では、5月1日に協調減産に踏み切ることになっているが、アラムコはすでに4月25日終了週に削減を始めた。

 

南アの大規模経済支援策でもランドの上値は重い

南アフリカのロックダウンは今月末までの継続されるが、来月は小幅に規制が緩和される。今週発表された経済支援策は10年前に南アで行われたサッカー・ワールドカップで費やした金額の約10倍に当たる。今までは国内総生産(GDP)のわずか0.1%程度の支援策だったが、今回はGDPの約10%となったことで、ラマポーザ政権の必死さがうかがわれる。しかしながら、南アはコロナウイルスの大流行前にすでに経済が不況に陥り、信用格付けが格下げされ、電力の負荷制限、失業増加などに苦しんでいたため、今回の支援策だけでランド買いには傾きにくい。また、ランドだけではなく、依然として新興国通貨が買われる地合いではないことから、今週のランドの頭は重くなる可能性が高い。 

 

米1-3月期GDPが予想ほど落ち込まない可能性も

米商務省が発表した3月耐久財受注速報値は前月比‐14.4%と、2月+1.1%からマイナスに落ち込み2014年8月来の低水準となった。 変動の激しい輸送用機を除いた3月耐久財受注速報値は前月比-0.2%と、2月-0.7%に続き2カ月連続のマイナスとなったが、予想-6.5%は上回った。国内総生産(GDP)の算出に用いられる3月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値は前月比-0.2%と、予想外に2月-0.9%から改善した。企業の設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は予想外のプラスとなった。
1-3月期GDPが予想ほど落ち込まない可能性が出てきた。

 

米4月雇用統計の失業者激増懸念

5月8日に発表される米国4月の非農業部門就業者数は、前月比2000万人の減少、失業率は15%と予想されている。 新規失業保険申請件数は、コロナショックにより、3月21日週に330.7万件となり、過去最悪を更新し、米国4月の雇用統計の調査対象週(4月12-18日週)には、442.7万件となっている。 過去5週間で、2650万件の新規失業者が出たことで、戦後最大の景気拡大期に創出された雇用者数約2220万人を打ち消したことになる。 そして、失業保険の継続受給者数は、4月11日週の段階で、1597.6万人となっており、4月18日の新規失業保険申請件数を加えると、約2040万人となるが、4月18日の段階での失業保険給付者数は、今週の木曜日(4月30日)に発表されることで、要注目となる。

 

欧米イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○20:00   3月メキシコ失業率(季節調整前)
○28日00:30   米財務省、2年債入札
○28日02:00   米財務省、5年債入札
○南アフリカ(自由の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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