FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:先物主導で下げ幅拡大

国内の新型コロナウイルス感染拡大が続き先行き警戒から機関投資家による買いが限られ、前日の米ダウ445ドル安の反落や米3月経済指標の大幅悪化等を嫌気した先物売り主導で下げ幅を広げた。ただ、後場に日銀がETFを買い入れるとの期待が支えとなり、前場引けにかえて下げ渋る展開となった。市場では『新型コロナウイルスによる経済停滞が早期に回復するとの楽観論もあるが、米実体経済への懸念から売りが出やすくなっている』との声も聞かれた。結局、前営業日比259円安の1万9290円と続落して終了した。4月第2週海外投資家が9週ぶりに543億円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:リスク回避の動きから有事のドル買い

ドル/円は、米経済指標が軒並み歴史的な低水準へ落ち込んだことや原油安を背景に、リスク資産を売ってドルを確保する動きが広がった。本日の東京市場でもこの流れが続き、国内輸入企業や国内機関投資家のドル買い・円売りにも支えられ、107.90円付近へ上昇した。午後に入ってもドル買い基調は継続され、108.08円付近までじり高となった。ただ、今晩発表される週間の米新規失業保険申請件数や4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、107.80円台へ小緩んだ。

ユーロ/ドルは、1.08ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

FXの個人投資家の売買が3月に異例の規模へ

外国為替証拠金取引(FX)をてがかる個人投資家の売買が3月、異例の規模に膨らんだ。金融先物取引業協会によると、店頭FX53社の取引金額は前月の2.5倍である1015兆円となり、これまで最大だった2015年1月(660兆円)を大幅に上回った。なかでも急増が目立った通貨ペアがドル/円だった。3月は721兆円と前月の2,7倍に膨らみ、データを遡れる08年11月以降で突出した水準になった。

 

世界に石油需要が通年では過去最大の減少幅

国際エネルギー機関(IEA)は15日、2020年の世界の石油需要が前年比で日量930万バレル減るとの予測を発表した。通年では過去最大の減少幅となる見通しだ。新型コロナウイルスによる悪影響を織り込み、3月時点の9万バレル減から大きく引き下げた。主要な産油国は協調減産で合意したが、需要の先行き不安から原油価格の低迷に歯止めがかかっていない。IEAは4月の石油市場月報で、20年の世界需要を前年比9%減の日量9055万バレルと予測した。2012年以来8年ぶりの低水準となる。新型コロナの感染拡大で世界的に外出や移動の制限措置がとられるなか、ガソリンやジェット燃料などの消費が大きく落ち込む。
3月の世界需要は前年同月比で日量1080万バレル減ったと推計した。4月の減少幅は2900万バレルと、平常時の約3割にあたる記録的な規模に達するとみている。5月は2580万バレル減、6月は1460万バレル減と徐々に持ち直すと予測した。ただ12月時点でも270万バレル減を見込み、年内は前年割れが続く。

 

アフリカ大陸で新型コロナウイルスの感染急拡大

アフリカ大陸で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。感染者数の合計は4月上旬に1万人を超えた。大半の国は医療水準が低く、治療に必要な機材も不足する。アフリカでの感染終息が遅れれば、北半球など他の地域に再び持ち込まれて感染の『第2波』をもたらす可能性もある。

 

軒並み悪化する米国経済指標

米商務省が発表した3月小売売上高は前月比‐8.7%減少率は過去最大となった。4月NY連銀製造業景気指数も-78.2と、過去最低となった。。全米住宅産業協会(NAHB)が発表した4月NAHB住宅市場指数は30と、2012年6月来の低水準に落ち込み予想55も大幅に下回った。3月72からの低下幅は過去最大となった。同時刻に米商務省が発表した2月企業在庫は前月比‐0.4%と、予想通り1月-0.3%に続き2カ月連続の減少となった。 事前に米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した3月鉱工業生産は前月比‐5.4%と過去最大の下落を記録した。3月設備稼働率は72.7%と、2010年4月以降10年ぶり低水準に落ち込んだ。

 

米国市場では3月住宅着工件数が公表

2月実績は159.9万戸。3月は新型コロナウイルスの感染被害が拡大しており、住宅着工の作業などにも大きな影響を与えていることから、2月実績を大幅に下回る見込み。4月の着工件数はさらに減少する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独卸売物価指数(WPI)
○15:00   3月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
○15:30   3月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲1.3%)
○18:00   2月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比▲2.0%)
○21:30   3月米住宅着工件数(予想:130.0万件、前月比▲18.7%)
          建設許可件数(予想:130.0万件、前月比▲10.5%)
○21:30   4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲32.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:510.0万件/1400.0万人)
○21:30   2月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.1%) 
○22:30   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○17日03:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○17日03:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○17日04:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○17日04:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○主要7カ国(G7)首脳テレビ会議
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合(テレビ会議、17日まで)

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