★日12月景気動向指数:速報値を下回る
内閣府が発表した12月景気動向指数(CI、改定値)は現状を示す一致指数が120.2と速報値120.7を下回った。また、先行指数は107.4となり速報値の107.9を下回った。
12月の外国為替市場は112-113円台で推移したことや、日経平均株価は2万3000円でもみ合いになった。特に急速な円高になったわけでもなく、日経平均株価も高値圏推移した中、景気動向指数が速報値を下回った。1-2月は円高進行や2月の株価急落など、景気を押し下げる要因が多いだけに、先行きの景気動向指数も下落基調となる可能性が高い。
★日経平均株価:前週末の米国株高を好感
前週末の米国株が上昇し、日本株にも買い安心感が広がった。上げ幅は一時330円を超える場面もあったが、その後は外国為替市場で円高が進んだことが嫌気されて上値が重くなった。午後になるとNYダウ先物が上げ幅を広げて26日以降の米国株続伸への期待から買い安心感が広がり再び買いが強くなった。結局、前週末比260円高の2万2153円と続伸して終了した。
★東京外国為替市場:ドルの戻り上値は重い展開
平昌オリンピックも無事閉会式を迎えたたと同時に飛び込んできたのが、北朝鮮高官からの『米国との対話用意』との発言だった。週明け早朝のオセアニア市場では、ドル/円は窓を空けるような形で買いが先行した。市場では『海外勢中心に北朝鮮ネタを受けてドル買いを先行させた』ことから、先週末高値を上抜けると一時107.25円まで上昇した。ただ、スポット末の仲値を終わったあたりからドルの戻り売りに押される展開となった。330円を超える上昇となっていた日経平均が上げ幅を縮めたほか、米長期金利も低下した。月末絡みのドル売りが輸出筋から観測されると、早くも朝方買った向きが投売りとなり、一時106.43円まで値を下げる場面もあった。ユーロ/ドルは、ドル/円が戻りの鈍い動きとなったことを受けて底堅く推移した。一時1.2332ドルほ本日高値を更新した。
★円には恒常的な上昇圧力が存在
ドル/円は海外投機筋の円ショートポジションの解消が進まないまま、日米金利差を無視するように購買力平価(PPP)企業物価ベース95.42円(17年末)にサヤ寄せするように2月16日105.55円近辺へ円高を示現した。そこには経常黒字国かつ対外純債権国の通貨が上昇(円高)、経常赤字かつ対外純債務国の通貨が下落(ドル安)する構図がある。日本は世界最速の少子高齢化の人口減少国だが、世界最大の対外純債権国であり、その規模は約358兆円、対GDP比65%に達する。しかも、日本は経常黒字GDP比4%、年間22兆円の黒字の大部分が所得収支の黒字であり、リパトリに由来する円買い需要には根強いものがある。そもそも経常黒字国では国内は資金余剰にあり金利は低下しやすい一方で、経常赤字国では国内は資金不足で金利は上昇しやすい。つまり、日本円には恒常的な上昇圧力が存在したが、過去4年間は異次元緩和による積極的かつ大規模な金融緩和で打ち消してきた。
★米国の鉄鋼とアルミニウムの輸入制限:円高リスク増大
トランプ政権が16日に、鉄鋼とアルミニウムの輸入増は案是保障上の脅威として輸入制限案の具体的な検討に入った。トランプ大統領は商務省が同日公表した制限案を採用するか4月までに決断する。鉄鋼は①全ての国に最低24%の追加関税、②ブラジルや中国、韓国など特定12カ国に最低53%の関税、他の国には17年実績と同じ輸入割当枠を設定、③全ての国に17年実績の63%に相当する輸入割当枠を設けるの3案となっている。最大の標的は中国だが、日本を含む全ての国が対象であり、安保を盾に異例の輸入制限に踏み切れば、他国に報復措置の口実を与え『貿易戦争』の様相を呈する。米国の『保護主義』的通商政策は、世界貿易の混乱と共に市場に通貨切り下げ競争をイメージさせ、リスク回避の円高に拍車がかかる。
★欧米イベント
○19:00 クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○22:00 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00 ドラギECB総裁、欧州議会の経済金融委員会で証言
○24:00 1月米新築住宅販売件数(予想:前月比3.4%/64万6000件)
○27日03:00 カンリフ・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○27日05:15 クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
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