FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:午後から売り膨らみ大幅下落

前日の米国株が下落した流れを引き継ぎ、主力輸出関連株を中心に安寄りして始まった。弱い日銀短観も嫌気され下げ幅を拡大したが、その後は下げ渋った。新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞が懸念されるものの、下値は日銀がETF買いに対する警戒もあり、売り込み難い展開だった。しかし、午後になると、新年度入りした国内機関投資家は含み益を確定するために売りが入った。また、CTA(商品投資顧問)など海外勢の売りが入り、日経平均株価は一時1,000円を超えた。結局、前日比851円安の1万8,065円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日経平均株価が大幅下落するとドル売りが優勢に

ドル/円は、米国で新がコロナウイルスの感染拡大が急増していることからドル売りが先行し、107.25円へ下落した。しかし、30日につけた107.15円が下値の目処として意識され下げは一服した。その後は、本邦実需勢などのドル買い・円売りに支えられ、107円台後半へじり高となった。財新・マークイットの3月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.1と予想の45.0を上回ったことも、リスク回避姿勢を和らげて円売りを誘った。午後は、日経平均株価の大幅安を眺めたドル売り・円買いが入り107.30円台へ軟化した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

大企業製造業の業況DIは7年ぶりの低水準

日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、大企業・製造業の最近の業況判断指数(DI)がマイナス8となり、前回の2019年12月調査から8ポイント悪化した。悪化は5四半期連続で、13年3月調査以来、7年ぶりの低水準となった。日銀・調査統計局は、『新型コロナウイルス感染拡大による部品調達難や、国内外の需要減少を指摘する声が非常に幅広く聞かれた』と説明した。中堅企業・製造業の業況判断DIはマイナス8(前回比9ポイント悪化)、中小企業・製造業の業況判断DIはマイナス15(同6ポイント悪化)といずれも悪化した。

 

イエレン米FRB前議長は深刻な米景気悪化に懸念

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長は30日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の落ち込みにより、4~6月期の米成長率が年率換算で前期比『マイナス20%を超える恐れがある』と警告した。『失業が急増すると予想している』とも述べ、深刻な景気悪化に懸念を示した。イエレン氏はオンラインでの対談で『米国は今回のような景気の急激で大幅な減速を経験したことがない』と異例の事態との見方を強調した。今後、リセッション(景気後退)がどこまで深刻化するか『現時点では分からない』と語った。

 

米外出自粛要請の延期で成長見通しを一段と引き下げ

金融各社は米国の外出自粛要請の延期で、経済活動の停止が長引くため成長見通しを一段と引き下げている。ゴールドマンサックスの米国経済チーフエコノミストのハチウス氏は国内総生産(GDP)見通しで第1四半期を前期比年率マイナス9%(前回マイナス6%)、第2四半期をマイナス34%(前回マイナス24%)までそれぞれ下方修正した。もし、マイナス34%となった場合、1947年の統計開始以降最悪の結果となる。金融危機時においては最悪でもマイナス8.4%だった。失業率は年半ばまでに15%まで上昇すると見ている。前回の9%からさらに引き上げた。大恐慌時を大幅に上回る可能性を警告した。

■各社GDP予想ゴールドマンサックス:第1四半期:-9%(前回-6%)、第2四半期‐34%(-24%)、第3四半期+19%(+12%)、2020年‐6.2%(-3.7%)
ドイツ銀:第1四半期-2.2%、第2四半期:-33%JPモルガン銀:第1四半期-10%、第2四半期-25%ウェルスファーゴ銀:第1四半期+1.2%、第2四半期:-14.7%TD:第1四半期-3%、第2四半期-25%モルガンスタンレー:第1四半期-2.4%、第2四半期-30.1%

 

米3月シカゴPMI/消費者信頼感指数は悪化傾向でも予想は上回る

米コンファレンスボードが発表した3月消費者信頼感指数は120と2月132.6から低下し2017年7月来で最低となった。ただ、予想110.0は上回った。現況は167.7と11月来で最低。期待値は88.2と2016年10月来で最低となった。
事前に発表された米国の3月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は47.8と1月来の低水準となったが予想40を上回った。

 

米国市場では3月ISM製造業景況指数が公表

米3月ISM製造魚鵜景況指数は44.0と、2月の50.1から大きく落ち込み、3ヵ月ぶりに50を下回る見通しとなった。新型コロナウイルスのまん延による製造業への悪影響が示され、先行きへの懸念から案zね通貨のドル買いが入りやすい。

 

欧米市場イベント

○15:00   2月独小売売上高指数(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
○16:00   3月トルコ製造業PMI
○16:30   3月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:42.2)
○16:50   3月仏製造業PMI改定値(予想:42.9)
○16:55   3月独製造業PMI改定値(予想:45.5)
○17:00   3月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:44.6)
○17:30   3月英製造業PMI改定値(予想:47.0)
○18:00   2月ユーロ圏失業率(予想:7.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   3月ADP全米雇用報告(予想:▲15.0万人)
○22:00   10-12月期ロシア国内総生産(GDP)(予想:前年比1.9%)
○22:45   3月米製造業PMI改定値(予想:48.0)
○23:00   3月米ISM製造業景気指数(予想:44.8)
○23:00   2月米建設支出(予想:前月比0.6%)
○23:30    EIA週間在庫統計
○2日03:00  3月ブラジル貿易収支(予想:40億ドルの黒字)
○2日03:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演

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