FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:午後から短期筋の仕掛け的な売りで下げ幅拡大

前日の米国株式市場が反発したほか、中国統計局が発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52と、過去最低を記録した前月から上昇し、景況拡大と悪化の分かれ目である50を予想外に上回った。そのため、景気敏感株を中心に買い優勢となった。今日は年度末最終で期末株価が注目されるが、そうした中で、日銀が購入したETFの買いコストとなる1万9500円の損益分岐点の攻防が意識された。しかし、明日以降の新年度入り金融機関の売りを先取りした海外短期筋の売りや新型コロナウイルス『緊急事態宣言』外出自粛長期化による景気停滞を懸念した売りに下げ幅を250円に広げた。結局、前日比167円安の1万8917円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:月末・期末に絡む円買いで一時108円台後半

ドル/円は、本邦実需勢などから月末・期末に絡むドル買い・円売りフローが多く持ち込まれ、108.80円付近まで上伸した。しかし、米国で新型コロナウイルスの感染者が16万人近くに急増しているため、上値では利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、108円台半ばを中心に取引された。午後は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺め、108.15円付近へ下落した。ただ、今晩の米国株動向や経済指標を見極めたいとの雰囲気からドル売り・円買いは続かず、1008.20円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となった。

 

4月1日から原油増産:米国が介入するか注目

4月1日から石油輸出国機構(OPEC)加盟国、非加盟国が増産に踏み切る計画であることから供給過剰懸念や新型ウイルスまん延を巡る世界経済の鈍化を受けた需要鈍化懸念からNY原油先物は一時20ドルを割り込み17年ぶり安値を更新した。その後、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と価格競争に関して協議したと伝わると売り止まった。原油価格安定のためにロシアとサウジアラビアの価格競争に果たして米国が介入するかどうかに注目が集まる。

 

中国の巨額隠れ融資にデフォルトリスク

世界経済が停滞し、資源価格が急落する中、ひそかに積み上がった債務がここにきて新興国を脅かしつつある。新興国は中国から推定2000億ドル(約21兆6000億円)を借り入れているもようだが、公式データにはその実態が反映されていない。その中国マネーは、高い利回りを求めて過去10年間にリスクの高い新興国市場に約2兆ドルを投じてきた投資家の目算を狂わせかねない。新興国の中には、足元の金融市場の混乱が発生する以前の段階ですでに、中国への返済が行き詰った国もある。

 

当面の間は南アランドは荒れ模様の相場展開

昨年末に中国で発生した新型コロナウィルスは、足下で世界的大流行となるなど世界経済のリスク要因となっている。昨年末にかけての世界経済は米中合意への期待を背景に底打ちする動きがみられたが、南アフリカでは計画停電が足かせとなる形で『テクニカル・リセッション』に陥る厳しい状況に直面していた。さらに、足下では同国内でも新型肺炎の感染者数が拡大しており、非常事態宣言の発令及び外出禁止令の発動に踏み切るなど一段の景気減速が避けられない状況にある。こうしたなか、ムーディーズ社は同国を格下げし、主要格付機関はいずれも『投資不適格』となる。足下の国際金融市場の動揺を背景にランド相場は調整局面が続いたが、機関投資家の退出に伴う荒れ相場化に加え、一段と下押し圧力が強まることも予想される。

 

米3月ダラス連銀製造業活動指数は過去最低

米国の3月ダラス連銀製造業活動指数は▲70と、2月1.2から過去最低に落ち込んだ。重要項目の生産指数は2月16.4から▲35.3に急激に悪化した。新規受注も▲41.3とそれぞれ景気後退時の2009年来で最低となった。雇用指数も2月の0から▲23へ悪化した。
新型ウイルスまん延を受けた全米経済悪化や原油安が影響した。

 

米2月中古住宅販売成約指数は予想外に2カ月連続プラスだが?

全米不動産業者協会(NAR)が発表した2月中古住宅販売成約指数は前月比+2.4%となった。1月+5.3%に続いて、2カ月連続のプラスとなった。同指数は契約時点での統計となるため、中古住宅販売の先行指標として通常は注目される。ただ、3月に入り新型ウイルスまん延で経済が急激に悪化したため失業などから住宅ローンが得られず数多くの契約が破棄された可能性も考えられる。

 

米国市場では3月CB消費者信頼感指数が公表

2月実績は130.7に悪化した。3月については、米国内で新型コロナウイルスの感染が急速に広がっていることから、2月実績を大幅に下回るか旺盛が高い予想される。

 

欧米イベント

○15:00   2月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.3%/前年比▲1.5%)
○15:00   10-12月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比横ばい/前年比1.1%)
○15:00   10-12月期英経常収支(予想:70億ポンドの赤字)
○15:30   2月スイス小売売上高
○15:45   3月仏CPI速報値(予想:前月比0.4%/前年比1.0%)
○15:45   2月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   2月仏消費支出(予想:前月比0.7%)
○16:00   2月トルコ貿易収支(予想:30.5億ドルの赤字)
○16:55   3月独雇用統計(予想:失業率5.1%/失業者数変化2万9000人)
○18:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00   3月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比0.8%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.1%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   2月南アフリカ貿易収支(予想:20億ランドの黒字)
○21:30   1月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.9%)
○21:30   2月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.2%)
○21:30   2月カナダ原料価格指数
○22:00   1月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比3.2%)
○22:45   3月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:40.0)
○23:00   3月米消費者信頼感指数(予想:110.0)
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁テレビ会議

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