FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株に連れてリスク選好の買い優勢

前日の米国株式市場では、米議会で新型委コロナウイルス対策法案の可決が近いと伝わったことで、史上最大の上げ幅になった。米国株の上昇を受けて、朝方から幅広く買いを集めた。一時中だるみの場面があったものの、買い戻しが活発化し、1000円以上の上昇幅となり、3月12日以来の1万9000円台を回復した。市場では、期末を前にして、日銀のETF平均買いコストとされる1万9500円が強く意識され、これに絡んだ思惑的な動きも生じそうだ。後場に『米政権が新型コロナウイルスの景気対策で民主党と合意』と伝わり一段高となり、結局、前日比1454円高の1万9546円と大幅3日続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株高でリスク選好の円売り優勢に

ドル/円は、本邦輸出勢などから月末・期末に絡むドル売り・円買いフローが持ち込まれ、110.76円付近まで下落した。時間外取引のNYダウ先物が下落したことも、ドル売りを誘った。しかし、下値では値ごろ感からドルを買い戻す動きが見られ、110.90円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価の大幅続伸やアジア株高を眺めたドル買い・円売りが入り111.50円付近へじり高となった。一部海外メディアが『ホワイトハウスは、新型コロナウイルスをめぐる経済対策で民主党と合意した』と報じたことも、ドルの買い戻しにつながった。ただ、連日で乱高下している米株価動向を見極めたいとの雰囲気もあり上げは一服した。ユーロ/ドルは、1.08ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

資産の現金化後退で改めて金買い優勢に

先週までは『あらゆる資産の現金化化』が加速し、金にも売りが先行した。16日には1450.9ドルまで急落した。危機時は手元にドル・キャッシュを厚めに確保する動きが出るため、『安全資産』とされる金にも売りが集まっていた。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が無制限の量的緩和策を導入すると発表したことで、市場に資金が供給されることになる。投資資金が戻るとしたら、まずは『安全資産』とされる金が一番に買われる。『リーマン・ショック』のあとに量的緩和が実施されると真っ先に資金が向かったのが『金』という経験則もあり、1,600ドル台半ばまで回復している。先週のようなVIX指数(恐怖指数)が85を超えるような異常な状況での『パニック売り』は当面ないとの見方も多い。

 

世界経済が恐慌に陥るとの不安が募っている

新型ウイルスの蔓延で、世界の主要都市が封鎖に踏み切り、中小、大手含め様々な企業や小売り店が製造停止や休業に追い込まれ経済活動が停止、失業者数の急増や世界経済が恐慌に陥るとの不安が募っている。欧州は歴史上最悪の景気後退に陥ると見られている。国際通貨基金(IMF)も2020年のリセッションが2008年金融危機以上に深刻化すると警告した。景気悪化を抑制すべく日本をはじめ財政出動に消極的であったドイツまでも経済支援策を検討している。また、世界最大の経済を持つ米国でもクドロー国家経済会議(NEC)委員長は経済支援策として財政で2兆ドル、米連邦準備制度理事会(FRB)が4兆ドル規模の流動性を供給することになり合計で6兆ドルと経済支援策としては過去最大規模にのぼるとしている。今後、果たして大規模支援が米国のみならず世界経済を救済することができるかが焦点になる。

 

NY州の新型肺炎の感染者は3日ごとに倍増

米東部ニューヨーク州のクオモ知事は24日、州内の新型コロナウイルス感染者は3日ごとに倍増しており『予想以上の勢い』と懸念を表明し、感染のピークが早ければ今後2週間で訪れ、現状のままだと医療機器や人員が大幅に不足するとの危機感を示した。知事は『われわれは炭鉱のカナリアだ。きょうのニューヨークは明日の米国だ』と強調、連邦政府が備蓄している2万台の人工呼吸器を直ちに放出するよう求めた。
知事によると、感染者治療用のベッドは最大で14万床必要だが現状は5万3000床しかない。最大4万台の人工呼吸器が必要だが、現状は7000台しかない。

 

米国株式市場では2月耐久財受注が公表

1月実績は、前月比▲0.2%%になった。輸送機器の受注減少が影響した。ただ、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注は前月比+1.1%で好調だった。2月については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が多少出てくることから、全体の受注額とコア資本財の受注は伸び悩む可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   2月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.7%)            CPIコア指数(予想:前年比1.5%)
       小売物価指数(RPI、予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
       卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.5%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   2月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.8%/輸送用機器を除く前月比▲0.4%)
○22:00   1月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○26日02:00   米財務省、5年債入札
○日米首脳電話協議

 

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