FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い戻し主体の上げで大幅続伸

日銀のETF買いに対する期待が支えとなり、朝方から大型株への買いが先行した。その後、NYダウ先物やアジア株の堅調推移に伴って日経先物の買い戻しの流れが強まり、現物指数も上げ幅を拡大した。市場からは『買い戻しが主体。急落した分、自立反発の幅も大きくなる。』との声もあった。需給主導の一方的な上昇に対する警戒感からやや伸び悩む場面もあったが、大引けにかけて再び一段高となった。結局、前営業日比1204円高の1万8092円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:FRBのドル資金供給の取り組みからドル弱含み

ドル/円は、FRBなどの主要中銀が市場安定化に向けてドル資金供給に取り組んでいることで、短期筋などのドル売り・円買いに押され110.09円付近まで下落した。ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル安が波及した面もあった。しかし、トランプ政権が検討している経済対策の行方を見極めたいとうの雰囲気から、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドル買いを戻す動きも見られ、110.30円台へ値を切り返した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向を睨みながら、110円台前半でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、米長期金利上昇を眺めた持ち高著性などのユーロ売り・ドル買いが入り1.08ドル台前半から1.07ドル台後半へ水準を切り下げた。

 

中国よりも先に米国で感染者が出ていた疑い

中国外務省の報道官は22日夜、中国で確認されるよりも前に、アメリカで新型コロナウイルスの感染者が出ていた疑いがあると指摘する内容をツイッターに投稿した。
この報道官は先に『新型コロナウイルスはアメリカ軍が中国に持ち込んだものかもしれない』と投稿してアメリカ側の反発を招いたばかりで、再びアメリカ側の反発を招きそうだ。中国外務省の趙立堅報道官は22日夜、ツイッターに、アメリカCDC=疾病対策センターが、新型コロナウイルスの患者をインフルエンザの患者と誤って診断したことを認めていると指摘したうえで、インフルエンザの流行時期を念頭に『新型コロナウイルスの感染が去年9月ごろに始まったとするならば、どれくらいの人が感染したのか。アメリカは最初の患者がいつ現れたのか明らかにすべきだ』などと書き込んだ。

 

アジア通貨危機ならば円安の可能性も

ドル全面高とアジアでのドル調達難、アジア通貨安が加速された。現状段階では円相場は、微妙ながらもドル高に対してのアジア通貨安・円安という連動性が見られている。その意味で引き続きコロナ影響によるアジア経済の打撃とドル調達難や資本流出、日本へのマイナス影響伝播、その流れからのアジア通貨安と円安の相関性は注視される。しかもアジア通貨に関しては、ドル調達難と同時にドル外貨準備高の減少、FRBによるドル資金供給スワップ協定の締結の遅れなども通貨安要因として警戒され始めた。1997-1998年のアジア通貨危機の際は、複合要因もあってドル高・アジア通貨安の加速に連動してドル高・円安が進展。当時のドル/円は1997年6月の110円前後を起点として、1998年8月には147円方向へとドル高・円安がオーバーシュートした実績を有している。

 

欧州市場では3月製造業購買担当者景気指数が公表

2月改定値は49.2に上方修正されたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって地域の景況感は急速に悪化している。雇用にも悪影響がおよびつつあることから、3月の数字は2月実績を下回る可能性が高いとみられる。

 

景気後退と株式の弱気相場入りの相関は80%程度

S&P500種株価指数が『弱気相場』の目安となる直近高値からの下落率20%以上を記録したケースは過去93年間に13回ある。13回の弱気相場の内、1年以内に米経済がリセッション(景気後退)入りしなかったのは1987年と1966年の2回だけであり、残り11回はリセッション(景気後退)入り(※85%)している。過去93年間でのリセッション(景気後退)局面は、14回あるが、弱気相場は11回(※79%)、弱気相場でなかったのは3回にとどまる。すなわち、リセッションと弱気相場は、約80%程度の相関関係を有している。

 

投資家の心理改善に重要な3点:ゴールドマンサックス

ゴールドマンサックスの株式ストラティジストは株式相場の速やかな回復と長期にわたる回復に違いをもたらす投資家の心理改善に重要な点は以下の3点だと指摘している。 ⓵どの程度速やかに新型ウイルスの蔓延を抑制できるか、②ビジネスが、90日から180日維持することができる十分な資本や流動資金にアクセスできるか、③財政刺激策が成長見通しを安定させることができるか もし、短期的なビジネス閉鎖が債務不履行や閉店、恒久的な雇用削減につながった場合、企業収益の伸びに与える損害は、新型ウイルス蔓延が終息後も長期化する可能性があると警告している。

 

米国市場では3月製造業購買部担当者景気指数が公表

3月NY連銀製造業景況指数は▲21.5に急低下し、下げ幅は過去最大となった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が表面化している。2月実績を大幅に下回るかの制が高い。

 

欧米イベント

○17:15   3月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:40.0)
○17:15   3月仏サービス部門PMI速報値(予想:42.0)
○17:30   3月独製造業PMI速報値(予想:39.6)
○17:30   3月独サービス部門PMI速報値(予想:42.3)
○18:00   3月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:39.0)
○18:00   3月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:39.0)
○18:30   3月英製造業PMI速報値(予想:45.0)
○18:30   3月英サービス部門PMI速報値(予想:45.0)
○21:00   1月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比2.2%)
○22:45   3月米製造業PMI速報値(予想:42.8)
○22:45   3月米サービス部門PMI速報値(予想:42.0)
○22:45   3月米総合PMI速報値
○23:00   2月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲2.0%/75.0万件)
○23:00   3月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲15)
○25日02:00   米財務省、2年債入札
○先進7カ国(G7)外相テレビ会議
○先進7カ国(G7)財務相テレビ会議

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