FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ソフトバンクグループの下落が上値の重石に

前日の米国株市場が大幅安になりながらも、ECBが量的緩和を開始すると発表したことが好感され、急反発して始まった。その後は、一転して下げに転じたものの、値上がり銘柄の方が多く、指数の推移と物色動向がかい離する展開になった。午後には、ソフトバンクグループが後場に下げ幅を拡大し、一時17%超安となった。日経平均株価を110円押し下げる要因となった。結局、前営業日比173円安の1万6552円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は値動きの激しい展開が継続

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられ、108円台後半へ水準を切り上げた。その後も、オセアニア通貨や資源国通貨に対するドル高が波及、109.50円付近まで上昇した。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、日銀が午前に続いて5~10年の国債買い入れオペ通知すると、一時109.55円付近まで値を上げ、2月下旬以来のドル高・円安をつける場面があった。しかし、連日で乱高下している米国株価動向を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、高値警戒感から利益確定などのドル売り・円買いに押され、108円台後半へ下落する荒い値動きとなった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速を警戒したユーロ売りが一巡すると、1.0900ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。

 

ECBも臨沂の試算購入プログラムの導入を発表

欧州中央銀行(ECB)は18日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、7500億ユーロ相当の新たな臨時の資産購入プログラムの導入を発表した。民間、公的部門の証券を対象に2020年末まで実施する。『パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)』は、既存の資産購入プログラムの下での全ての適格資産カテゴリーに加え、信用の質が認定される非金融のコマーシャルペーパー(CP)にも対象を拡大する。ギリシャ債も購入対象に含まれる。報道によると、新型コロナ感染拡大に伴う危機のフェーズが終わったと判断すれば、PEPPの下での純資産購入は打ち切られる。ただ、年内継続が想定されている。

 

新興国ではトリプル安の中でトルコも協調緩和

昨年末に中国で発生した新型コロナウィルスは、中国以外での感染者数の爆発的増加により世界的に移動制限の動きが広がるなど世界経済のリスク要因となっている。
また、米中合意への期待などで活況を呈した国際金融市場も世界経済の減速懸念を受けて一転混乱し、OPECプラス瓦解による原油市況の暴落が混乱に拍車を掛ける。結果、新興国では株式、為替、債券が下落する『トリプル安』に直面する事態となっている。 新型肺炎の震源地が欧州に移るなか、欧州経済への依存度が高いトルコはその影響が避けられなくなっている。トルコ景気は政府の下支え策やインフレ鈍化などを追い風に堅調に推移したが、雲行きが急速に怪しくなっている。 こうしたなか、中銀は17日に緊急会合を開催して政策金利を9.75%とエルドアン大統領の悲願である一桁台に引き下げる決定を行った。世界的な協調緩和の波に乗る形で利下げに動く格好となった。 一昨年のリラ暴落を受けて加速したインフレ率は昨秋にかけて一転鈍化するも、足下では底入れしており、今回の利下げで実質金利のマイナス幅は拡大する。

 

新型肺炎の感染拡大で米国雇用市場に変化も

米国の全50州で新型ウイルスの感染が確認された。大都市ニュージャージー州、ニューヨーク州、コネチカット州などもサンフランシスコ州に続き8時以降の外出禁止令が出されたことで、ジム、レストランやバーなどの営業ができすに一時的に休業を強いられた。また、アップルに続く形で、相次いで大手小売り店も当面休業を発表。新型肺炎蔓延の影響で米国経済はほぼ停止状態となっている。休業を同時に、小売り店や企業は速やかな雇用の削減を強いられている。ニュージャージー州は17日の一日だけで1.5万件の失業保険の申請があったと報じられている。最終的には900万人が雇用の危機に直面すると分析されている。ムニューシン米財務長官は、もし、財政支援がなければ失業率が20%まで上昇すると警告している。

 

米国の2月の住宅市場は非常に強い展開だった

米国の2月住宅着工件数は前月比‐1.5%の159.9万戸と予想150.0万戸を上回った。1月分は162.4万戸と2006年12月以降13年ぶり高水準に上方修正された。2月住宅建設許可件数は前月比‐5.5%の146.4万戸と予想150.0万戸を小幅下回った。1月分は155.0万戸と2007年3月来で最高に上方修正されており、新型肺炎の感染拡大する前、住宅市場が非常に強かったことが証明された。

 

米国市場では20日に2月中古住宅販売件数が公表

1月の実績は、前月比▲1.3%、546万戸となった。中古住宅価格(中心値)は前年同月比+6.8%と底堅さを保っている。2月については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出ているものの、金利水準の低下は住宅購入を後押しすることから、販売戸数は1月実績を上回る可能性がある。

 

欧米市場のポイント

○17:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○18:00   3月独Ifo企業景況感指数
○19:00   1月ユーロ圏建設支出
○21:30   10-12月期米経常収支(予想:1090億ドルの赤字)
○21:30   3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/172.5万人)
○23:00   2月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.1%)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:5.75%に引き下げ)

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