FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は下落:NYダウ先物の下げ幅拡大に連れた売り優勢

前日の米国株式市場が急激に切り返したほか、為替相場も円安に振れるなど好材料がそろった。しかし、米国の景気刺激策に関する会見にトランプ大統領が出席せず具体案の膠着感に市場の期待が後退しNYダウ先物が軟化したことから、売り優勢の展開となった。市場では、13日のメジャーSQを控えて今日をピークにデルタヘッジに絡んだ先物取引が行われいる可能性が高いとの声も聞こえた。結局、前日比451円安の1万9416円と大幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米国の経済対策の実現に懐疑的な見方でドル売り

ドル/円は、トランプ米政権が検討している大規模な経済対策の実現に懐疑的な見方が浮上したため、ドル売りが強まり105.20円前後から104.65円付近まで下落した。米長期金利が大幅に低下したことや日経平均株価の下げ幅拡大も、ドル売り・円買いを誘った。午後もこの流れは続き、米国内で新型コロナウイルスの感染者が1000人を超えたことも嫌気されて、さらにドル売り・円買いが進み、104.07円付近まで下落した。しかし、心理的な節目の104.00円が視界入りすると、下げは一服した。その後は値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、104.20円前後で取引された。ユーロ/ドルは、明日のECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1315-20ドル水準から1.1350ドル付近へじり高となった。

 

日本銀行株価は史上安値を更新

日本銀行(コード:8301)の株価は、2007年後半17万円台だった日銀株は、多くの金融株が売り込まれたリーマンショック時に同じく軟調に転じ、2012年後半には3万円台と5年間で8割超も価値を失った。その後、13年前半には9万円台まで大きく反発するも、10万円には届かず再び下落基調となった。何度か買い戻された場面もあっが、18年半ばの4万7千円台を頭に今年2月には初めて3万円を割り込んでいる。日経平均が反発した3月10日も、その株は2万9千円で取引され史上最安値を更新した。

 

次回日銀金融政策決定会合ではETFの購入枠の拡大を検討

 新型コロナウイルス感染の拡大で経済への打撃が懸念されるなか、一部報道では、日銀は18-19日の金融政策決定会合において、指数連動型上場投資信託受益(ETF)の購入枠を現行の年間約6兆円から増やす手段を検討と報じられた。 日銀のETF買い入れは、量的緩和の一環として実施されており、13年に年間1兆円を初めて超え、その後15年には3兆円超え、18年には6.2兆円まで拡大した。19年は4兆円台まで抑えられたが、今年2月末までの残高は29兆円に迫る勢いであり、東証一部の時価総額の約5%を占めるまでに至っている。さて、今年2月までの日銀ETF購入は700億程度がほとんどだったが、今月に入り実施された4回とも全て1002億円であり、今後の購入枠拡大への布石ともいえる。 ここまでの購入の平均単価は日経平均株価で19,100~19,200円、TOPIXでは1,350ポイント前後となっている。

 

米金融大手の幹部をホワイトハウスに招待

ホワイトハウスは、ゴールドマンサックスなど金融大手の幹部を招待し、11日に新たな経済のリスクとなった新型肺炎を巡る対応策を協議する計画だ。銀行幹部らはさらなる株式相場の急落や景気後退を回避する効果を出すためには2,3日中に、具体策を発表する必要があると要請すると見られている。市場関係者は新型肺炎が新たな成長リスクとなり、米国経済が景気後退入りすると警戒している。米連邦準備制度理事会(FRB)も先週、0.5%という大幅な緊急利下げを決定したばかりだが、17日、18日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)ではさらに0.75%ポイントの利下げが織り込まれつつあり、いずれゼロ金利政策が必要だとの見方が台頭し始めた。

 

米追加利下げと経済対策を検討するも時期尚早との見方も

新型肺炎の米国内での感染拡大を受けて、経済が停滞するとの懸念が広がっている。市場エコノミストは経済が景気後退入りする可能性も指摘されている。米連邦準備制度理事会(FRB)は0.5%の緊急利下げに踏み切ったが、3月17日-18日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)でもさらに0.75%ポイントの追加利下げが予想されている。また、トランプ政権は新型肺炎感染拡大による経済への損害を最小限に食い止めるために経済対策を検討している。給与税減税、時給労働者への休業手当支給、特に影響を受ける産業への税優遇策などが協議されている模様である。ただ、決定には時期尚早との見方もあり、タイムフレームは未定となっている。

 

米国市場では2月消費者物価コア指数が公表

1月実績は前年比+2.3%になった。賃貸や衣料などが値上がりしたが、物価上昇圧力は高まっていないとみられている。2月については、複数の項目で物価上昇が確認されているものの、一部項目の物価上昇圧力は弱くなっていることから、全般的なインフレ率は1月実績と同水準にとどまる見込み。

 

欧米イベント

○16:00   1月トルコ経常収支(予想:25億ドルの赤字)
○18:30   1月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○18:30   1月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比▲2.6%)
          製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○18:30   1月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:70.00億ポンドの赤字/3.56億ポンドの赤字)
○19:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:24)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   2月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.15%)
○21:30   2月米CPI(予想:前月比横ばい/前年比2.2%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○21:30   10-12月期カナダ設備稼働率(予想:80.7%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○12日02:00   米財務省、10年債入札
○12日03:00   2月米月次財政収支(予想:2363億ドルの赤字)

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