FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク回避の動きがやや後退

前日の米国株安主要3指数が大幅に下落、為替も円高方向に振れたことで売りが先行し、一時200円超に下げ幅を拡大した。しかし、日銀のETF買いに期待が出ていることや、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪を予定通り開催すると言明したことや、米大統領の民主党候補者争いで中道派のバイデン氏が一部の州で勝利との見込みが伝わっているこが安心感につながりプラス圏に上昇した。ただ、上値に対して依然として慎重な状態が続いており、プラスに転じた後は伸び悩んだ。結局、前日比17円高の2万1100円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:過度なドル売り・円買いは後退

ドル/円は、本邦実需勢などのドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、107.52円付近あmで上昇した。米大統領予備選挙(スーパーチューズデー)で、中道派のバイデン前副大統領が優勢だったことも、ドルの買い戻しがつながった。ただ、前日にFRBが緊急利下げを決定し、米金利先高観が後退していることから、上値を追う動きは限られた。その後、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、世界経済の減速を警戒したドル売り・円買いに107.20円台へ押し戻された。午後に入ると、NYダウ先物が大幅高を眺め、107.50円付近はじり高となった。しかし、今場発表される2月ADP全米雇用リポートや2月米ISM非製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気からドル買い・円塗は続かず、107.40円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1160ドルを挟んでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となった。

 

中国の1-3月期GDPがマイナス成長に陥る可能性

交通銀行(03328/601328)金融研究センターは最新リポートで、2020年1-3月期の中国国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥る可能性があるとの見方を示した。中国国家統計局と中国物流採購聯合会が29日発表した2020年2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は35.7と市場コンセンサス予想の46.0を大きく下回り、過去最低を更新したことを踏まえ、新型コロナウイルス感染症が中国経済に与える影響はすでに08年のリーマショックを上回ったとの見方を示した。また、2月の非製造業PMIが30を割り込んだことに触れ、08年当時は50を下回っていなかったと指摘した。一方、国内での感染者数の増加が減少傾向にあり、生産の再開などが進んでいることから、3月以降はPMIが顕著に回復するとの見方を示した。もっとも、3月は引き続き50以下の水準で推移する可能性があるとした。

 

 

欧州市場では1月ユーロ圏小売売上高が公表

12月実績は前月比▲1.6%で大幅な落ち込みとなった。オンライン販売を除くすべての項目で減少した。1月は反動増が予想されるものの、オン来販売の大幅な増加は期待できないことから、小幅な伸びにとどまる見込みとなっている。

 

ECBの適切かつ的を絞った措置とは?

これまで新型肺炎での政策対応に消極的であったECBも2日、『適切かつ的を絞った措置を講じる準備がある』との声明を発表した。世界の主要中銀が協調してこの問題に対処する方針を示唆している。追加緩和余地が乏しく、戦略検証中のECBは難しい対応を迫られる。マイナス金利の深堀りは金融機関の収益圧迫の副作用を招く恐れがあり、資産買い入れの強化には現行スキームの見直しが必要となる。長期資金供給オペの利用条件緩和では、金融市場の失望を招く恐れがある。

コメルツ銀行は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げに踏み切ったことから、ECBも来週10ベーシスポイント(bp)の利下げを行うとの見方を示した。

 

米FRBによる緊急利下げ

米連邦準備制度理事会(FRB)は2008年の金融危機以来、初めて、定例連邦公開市場委員会(FOMC)以外での利下げを決定した。FRBが過去に緊急利下げに踏み切ったのは、①1998年:ロシア危機、②2008年:金融危機、③2011年:9・11の同時多発テロのような異常事態時のみだった。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)を2週間後に控えて、緊急利下げに懐疑的見方も見られた。逆に投資家の脅威に繋がっている。さらに、新型肺炎のような世界的な健康問題解決において、金融政策の手段は限定的となってくる。パウエル議長は利下げでサプライチェーンを支援することはできないとしながらも、全般的な強い景気を持続させるというFRBの任務を担っていくとした。新型肺炎が経済に与える影響は今のところ不透明となっている。ただ、一部では景気後退を織り込むべきだとの考えも浮上している。

 

欧米イベント

○16:00   1月独小売売上高指数(予想:前月比1.0%/前年比1.5%)
○16:30   2月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
○17:50   2月仏サービス部門PMI改定値(予想:52.6)
○17:55   2月独サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:52.8)
○18:30   2月英サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   1月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.6%/前年比1.1%)
○未定  ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   10-12月期ブラジルGDP(予想:前年同期比1.5%)
○22:15   2月ADP全米雇用報告(予想:17.0万人)
○22:30   10-12月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比0.2%)
○23:15   ベイリー次期英中銀(BOE)総裁、総裁就任に関して議会証言
○23:45   2月米サービス部門PMI改定値(予想:49.4)
○23:45   2月米総合PMI改定値
○24:00   2月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:54.9)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.50%に引き下げ)
○5日00:30   EIA週間在庫統計
○5日03:00   ブロードベントBOE副総裁、講演
○5日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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