FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は上昇:黒田日銀総裁談話を受けて買い優勢に

円高に振れた為替相場を受けて売り優勢で始まった。安寄りした後、一旦戻り歩調となったものの、再び全体的に売り直される場面もあった。日銀の黒田総裁が日銀として『今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である』とした。市場は日銀総裁の談話が好感されたほか、中国株式市場の上昇なども好感され買われる展開となった。一時上げ幅を400円超に広げた後『北朝鮮が飛翔体発射』報道に上げ幅を縮め、結局、前週末比201円高の2万1344円と6営業日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株が上昇したことでリスク回避の円買い後退

ドル/円は、本邦実需勢などのドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、107円台半ばから108.25円付近へ上昇した。上海総合株価指数の反発や日銀が4年ぶりに国債の現先買いオペを実施したことも、円売りを誘った。午後もこの流れは続き、108.37円付近まで上昇したが、新型コロナウイルスの感染者が、NY州で初めて確認されたこともあり、上げは一服した。その後は米長期金利低下や日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いが入り、108.20円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

2日からEUと英国との交渉が始まる

欧州連合(EU)とEUから離脱した英国との貿易協定や外交・安全保障をめぐる交渉が2日からブリュッセルで始まる。双方の主張の対立はすでに鮮明で難航は必至だ。英国は大枠が固まらなければ、6月の決裂も辞さない構えを見せている。
焦点の貿易関係では、関税や数量制限のない自由貿易協定(FTA)締結を目指すことで一致している。ただ、思い抱く具体像は食い違う。

 

恐怖が薄れない限り本格的反転は難しい

米国株式市場を支配しているのは、新型コロナウイルスのまん延が景気や企業業績を直撃するとの懸念である。米主要500社の予想PERは19日のピーク時に19倍強と18年ぶりの高さになった。過度な楽観の反動で下げが深くなっている。加えて、連日のように下げ幅を増幅させているのが『アルゴリズムに基づいたコンピューターの機械的な売り』である。VIX指数(恐怖指数)の上昇に反応して売りを浴びせるケースが多い。VIX指数は28日には一時50に迫り、市場の不安心理が高まった状態とされる20を大幅に上回った。投資家は短期的な反発をうかがい始めた。しかし、企業業績の悪化や景気減速など実体悪が表面化するのはこれからである。市場を覆う恐怖が薄れない限り、相場が本格的に反転に向かうのは難しい。

 

3月の米FOMCで利下げの可能性高まる

新型コロナウイルスへの懸念が売りを誘い、週間の下落幅は3583ドルと過去最大となった。リーマン・ショック時の2008年10月(1874ドル)の2倍近くに達する記録的な株安になった。『経済を支えるため適切に行動する』米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は28日の午後2時半に緊急声明を出した。『適切に行動する』という言葉は利下げに動く際の常とう句である。市場は3月17~18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを示唆したと受け止めた。

 

米国市場では2月全米供給管理協会(ISM)製造業景況指数が公表

1月実績は50.9となった。新規受注と生産の項目が改善した。先行指標のマークイット2月製造業PMIは50.8で市場予想を下回ったが、フィラデルフィア、ニューヨーク地区連銀の製造業景況指数は改善している。全米レベルの景況感は強弱まちまちと見られており、1月実践と差のない数字となる見込み。

 

欧米イベント

○16:00   2月トルコ製造業PMI
○17:30   2月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:48.0)
○17:50   2月仏製造業PMI改定値(予想:49.7)
○17:55   2月独製造業PMI改定値(予想:47.8)
○18:00   2月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:49.1)
○18:30   2月英製造業PMI改定値(予想:51.9)
○18:30   1月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○18:30   1月英マネーサプライM4
○23:45   2月米製造業PMI改定値(予想:50.8)
○24:00   2月米ISM製造業景気指数(予想:50.5)
○24:00   1月米建設支出(予想:前月比0.6%)
○3日03:00   2月ブラジル貿易収支
○英国と欧州連合(EU)の初交渉

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