FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は大幅下落:世界的な連鎖株安で大幅下落

前日米国市場では、NYダウが過去最大の下げ幅を記録したことから、日本株も全面安の展開となった。寄り付きから400円を超える下落となり、売り気配スタートの銘柄の値が付くにつれて下げ幅を広げた。上海や香港株などアジア株も下げ幅を広げ世界的な連鎖株安が広げ一時下げ幅を1000円超に広げ、結局、前日比805円安の2万1142円と大幅5日続落で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い優勢に

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染が米国内で拡大するとの思惑や米長期金利が低下したことを背景に、109.25近辺へ下落した。月末に絡む本邦輸出企業のドル売り・円買いも観測された。午後もこの流れは続き、上海総合株価指数の下げ幅拡大や日経平均株価の大幅安を眺めて一時108.81円付近まで下落した。ユーロ/ドルは、週末を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り1,1005ドル付近へじり高となった。

 

英国のEUからの合意なき離脱の最初の山場は6月

ジョンソン英政権は27日、欧州連合(EU)離脱を受け、自由貿易協定(FTA)締結などEUとの将来の関係構築に向けた交渉方針を公表した。9月までの最終合意を目指す一方、進展がなければ6月に協議を打ち切ることも辞さない姿勢を表明した。EU規則の受け入れを拒否する強硬姿勢を堅持した。EUとの協議は3月2日に始まるが、対立点が多く難航が予想される。政権は交渉方針で、物品の大半がゼロ関税のEUカナダ間のようなFTA締結が望ましいと表明。まとまらない場合は、関税の発生もやむを得ないとの立場を示した。

 

新型肺炎の感染拡大で欧州経済への打撃となり欧州リスクが高まる

 新型肺炎の感染拡大は、中国向け輸出の減速や中国人観光客の減少を通じて、脆弱な景気回復下にある欧州経済にも打撃となる。中国向けの輸出シェアや観光客に占める中国人の割合は、日本やアジア諸国に比べて低いが、輸出依存度が高いドイツや、観光依存度の高いフランスやスペインへの影響が大きい。
こうした影響に加えて、イタリアでの感染拡大が新たな不安要素として浮上している。感染拡大が広がるイタリアの北部地域は豊かな工業地帯として知られ、昨年10-12月期にマイナス成長に転落したイタリア経済への打撃は避けられない。
 イタリアは輸出国でもあり、同地域で生産された自動車部品は、欧州の自動車メーカーの多くに納入されている。経済活動の麻痺が長期化すれば、周辺の欧州諸国にとっても景気の下押し要因となる。
 陸続きの欧州で感染拡大を封じ込めるのは困難で、今後感染拡大が他国に一段と広がれば、緊急避難的な国境管理の強化が検討される可能性もあり、政治的な波紋が広がる恐れもある。

 

トルコリラの上値が重い要因

新型ウイルスに関して、隣国イランでの感染拡大が止まらない。感染により死亡した人は25人を超え、中国以外では最多となった。(政府高官も含まれる)感染者は250人近く達したとされているが、実際の数値は発表値よりかなり多いのではないかと見られている。イランはトルコを訪れる外国人のなかで5番目に多い国であり、イランからの入国制限・停止はトルコ観光業にとって大きな痛手となる。

緊迫の度合いが高まるシリア北西部では、ロシアが後ろ楯となっているアサド政権軍による攻撃で、20人以上のトルコ軍兵士が犠牲になったことが一部通信社から伝えられた。トルコ側は報復を示唆しており、大規模な戦闘・地政学リスクの高まりが危惧される。また、一昨日にエルドアン大統領が述べた『プーチン露大統領が来月5日のトルコ訪問』については、ロシア側から『そういった予定はない』と否定された。シリアだけでなくリビア内戦でもトルコはロシアと立場を異にしており、トルコ露の溝の広がりも通貨リラにとってはネガティブな要因となっている。

 

南アランドのネガティブ要因

一昨日発表された南アの予算に対しては、南アの現地アナリストもポジティブにとらえてない論調が多いこともランドの売り材料となっている。予算演説で『公的部門の賃金を1602億ランド削減する』と発表されると買い戻されたが、この発表を受けて労働組合コサトゥは、2020年の予算を『挑発的』とし、徹底抗戦をすると発表している。南アの失業率は高いこともあり、労組は日本などよりも大きな影響力を持つことで、今後の政権と労組との対立もランドにとってネガティブなりやすい。

 

米中第1段階貿易合意で製造業が回復している証拠

米商務省が発表した10-12月期GDP改定値は前期比年率+2.1%と、予想通り速報値から修正はなく7-9月期と同水準を保った。10-12月期個人消費改定値は前期比年率+1.7%と、予想通り、速報値+1.8%から下方修正された。1-3月期来の低い伸びとなった。また、同期コアPCEは前期比+1.2%と、予想外に速報値+1.3%から下方修正され1-3月期来の低水準と、インフレの低迷が証明された。国内総生産(GDP)の算出に用いられる1月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値は前月比+1.1%と、3カ月ぶりのプラスに改善した。伸びは予想を上回り1年ぶり最大を記録しており、1-3月期のGDPの成長を支援する可能性が示唆された。米中第1段階貿易合意で製造業が回復している証拠となった。

 

欧米イベント

○15:00   1月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比6.45%)
○16:00   1月独輸入物価指数(予想:前月比0.2%/前年比▲0.4%)
○16:00   2月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○16:00   1月トルコ貿易収支(予想:46億ドルの赤字)
○16:00   10-12月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比5.0%)
○16:30   1月スイス小売売上高
○16:45   2月仏CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.5%)
○16:45   1月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   1月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○16:45   10-12月期仏GDP改定値(予想:前期比▲0.1%)
○17:00   2月スイスKOF景気先行指数(予想:97.5)
○17:30   10-12月期スウェーデンGDP(予想:前期比0.2%)
○17:55   2月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化3000人)
○18:00   2月ノルウェー失業率(予想:2.3%)
○19:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○20:15   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00   1月南アフリカ貿易収支(予想:138億ランドの赤字)
○21:00   10-12月期インドGDP(予想:前年同期比4.7%)
○21:00   1月メキシコ貿易収支(予想:26.5億ドルの赤字)
○22:00   2月独CPI速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.7%)
○22:30   12月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.6%)
       10-12月期カナダGDP(予想:前期比0.3%)
○22:30   1月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○22:30   1月カナダ原料価格指数
○22:30   1月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       1月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       1月米PCEデフレーター(予想:前年比1.8%)
       1月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○23:15   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:45   2月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.9)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:100.9)
○29日01:15   カンリフ・イングランド銀行(BOE)副総裁、講演

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