FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株が下げ渋ると連れて下げ幅縮小

前日の米国株式市場は新型コロナウイルスの世界的な大流行への懸念から4日続落した。東京市場も引き続きリスク回避のセンチメントに支配されたが、NYダウ先物などに買い戻しが入りプラス圏で推移していること。また、中国の景気刺激策への期待感から上海株が朝安後に持ち直し香港株も下げ幅を縮め日本株の売り圧力もやや後退したことで日経平均株価も下げ幅を縮めた。さらに、日銀の上場投信(ETF)買い入れ観測も下支え要因となった。結局、前日比179円安の2万2426円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:110円台半ばでドルの上値が重い展開

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りや上海総合株価指数の持ち直しに支えられ、110.50円付近まで上昇した。前日に急低下していた米長期金利が、上昇したこともドルの買い戻しにつながった。午後もこの流れが続き、110.58円付近までじり高となった。しかし、前日のNY市場でつけた110.67円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、新型コロナウイルスの感染拡大が、米経済に悪影響を及ぼすとの思惑からドル売りも散見され、110.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.08ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

コロナショックで世界上位100社の時価総額が大幅減少

新型コロナウイルスによる肺炎が猛威を振るう中、世界の株式市場で株安の連鎖が止まらない。中国のサプライチェーン(供給網)の寸断に加え、世界で大規模イベントの自粛や外出手控えの動きが広がり、企業業績の先行きに暗雲が垂れ込める。世界上位100社の時価総額はこの1ヵ月ほどで78兆円が消失し、米アップルからは9兆円消えた。

 

中国の経済成長率見通しは下方修正:IMFとゴールドマンサックス

国際通貨基金(IMF)は2020年の中国経済成長率見通しを1月時点の6%から0.4%引き下げ5.6%へ下方修正。世界経済の成長見通しを1月から0.1%引き下げ2.8%とした。2019年の3.3%成長から鈍化を予想している。米国経済ではゴールドマンサックスが1-3月期の成長見通しを1.4%からさらに引き下げ1.2%としたが、第2四半期の成長は2.7%に回復すると予想している。

 

米国では質への逃避による債券買いが活発化

米国のトランプ政権は今のところ米国内での新型肺炎の感染が制御されているとする一方で、米疾病対策センター(CDC)や米保健社会福祉省(HHS)アザー米厚生長官は『米国で新たに新型肺炎の感染が拡大する可能性』を警告した。潜在的なパンデミックに備えるよう呼びかけた。CDCはさらに、新型肺炎のパンデミックで『なるか・ならないかの問題ではなく、時間の問題だ』と警告した。
そのため、米国債券相場は続伸した。米国の成長見通しが引き下げられ、追加利下げ観測が一段と強まったほか、『質への逃避』目的の投資資金が流入したことが背景となる。米国の長期債利回りは過去最低を記録した。ただ、欧州や日本経済も景気後退のリスクに直面、ECBの追加利下げ観測も浮上する中、米国外の成長見通しも冴えず、ドル売りが継続するとは考えにくい。

 

金相場の受け皿としての銀相場も緩やかに上昇

金相場は対円で40年ぶりの高値に上昇しているが、金上昇の過熱警戒の受け皿として、銀相場も対円で緩やかな上昇となっている。2月24日には2016年8月以来の高値を更新する場面が見られている。しかも長期トレンド判断で参考になる月足テクニカルによると、銀の対円クロス・レートの一目均衡表では、強力な上値抵抗線となってきた雲の下限と上限を上抜け突破してきた。実に2013年4月以来の上抜けであり、テクニカルでは対円での銀相場の上値余地拡大(円安支援)が注目される。

 

米民主党候補者選びの予備選は状況

今年秋の米大統領選に向けて、民主党候補者選びの党員集会や予備選は今月初めから始まり、2月22日時点では3州のみ終了した。これまで獲得した誓約代議員は、急進左派のバーニー・サンダース上院議員が45人と他候補をリードしているが、民主党候補になるため必要とされる1991人にはまだ遠い。3800人以上の代議員が残るなか、29日にはサウスカロライナ州予備選(代議員54人)、そして3月3日には14州(合計代議員1344人)での予備選『スーパーチューズデー』が控えている。『スーパーチューズデー』では、代議員400人以上のカリフォルニア州や200人以上のテキサス州などの大票田が注目される。

 

欧米イベント

○16:45   2月仏消費者信頼感指数(予想:103)
○17:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   ラガルドECB総裁、講演
○24:00   1月米新築住宅販売件数(予想:前月比3.5%/71.0万件)
○27日00:30   EIA週間在庫統計
○27日03:00   米財務省、5年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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