FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:週末に模様眺めから上値が重くなる

前日の米国株式市場は下落したものの、為替市場で円安が進んだことが支えとなり、康頼した後は一時プラスとなる場面もあった。しかし、週末とあって次第に模様眺め気分が強まった。新型コロナウイルスについて市場では、『いつかは収束するもので、どこまでも企業業績や景気の足を引っ張るとは思わないが、足元の1-3月期、次の4-6月期までは影響が出そう。株価上昇の原動力となっていた来期の業績回復期待が少ししぼんだ』との声があった。結局、前営業日比92円安の2万3386円と3日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:株安や米長期金利の低下でドルの上値重い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、112.18円付近まで上昇した。日本で新型コロナウイルスの感染が続き、リセッション入りする可能性が浮上していることも、円売りにつながった。しかし、前日に付けた10ヵ月ぶりの高値112.23円が意識されると、上げは一服した。その後は、日経平均株価のさえない動きや米長期金利の低下をながめたドル売り・円買いに押され111.89円付近まで下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、111.90円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなたt。手掛かり材料に乏しく、週末ということもあり積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、1.0790ドル台でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

★中国政府は下支えに向け政策を総動員

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国政府が経済の下支えに向け政策を総動員している。中国人民銀行(中央銀行)が20日に金融緩和に踏み切ったほか、企業向けの負担軽減策も次々打ち出し、景気の失速を防ごうと躍起だ。人民銀は20日、毎月改定している企業向けの最優遇貸出金利(LPR)の1年物を前月より0.1%引き下げ4.05%にした。LPRの引き下げは2019年11月以来、3カ月ぶりで、経営難に直面する企業の資金繰りを支える狙いがある。中国では感染拡大で企業や工場の再開が大幅に遅れ、経済の停滞が長期化している。李克強首相は18日に国務院(政府)常務会議を主宰し、金融・財政など『複数の措置を同時に実施することで企業と雇用の安定を図る』と強調した。企業の負担を軽減するため年金・失業・労災の各保険料を最大6月まで免除するなど追加支援策を打ち出した。

 

★新型コロナウイルスの影響を受けアジアでは利下げラッシュ

インドネシア中央銀行は20日、政策金利を5%から4.75%に引き下げたと発表した。利下げは昨年10月以来、4カ月ぶりとなった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、インドネシアでも観光客の減少や資源輸出の停滞による景気悪化が懸念されている。金融緩和で景気を下支えする。インドネシア中銀のペリー総裁は20日の記者会見で『新型コロナウイルスの影響は中国だけでなく、世界経済に影響が出るため、予防的な措置をとる』と述べた。新型コロナウイルスによる観光客の減少などを受け、東南アジアでは2月、タイやフィリピンの中銀も利下げに動いた。

 

★南アランド相場は内生的材料に乏しく外部環境に揺さぶられる展開

南アフリカでは電力不足が経済活動の足かせとなるなか、ラマポーザ大統領の施政方針演説に注目が集まったが、具体性に乏しい上に『見せ球』だらけであるなど、改革の『ギアアップ』は期待出来ない状況にある。こうしたなか、主要格付機関で唯一南アフリカを『投資適格級』とするムーディーズ社は最新のレポートで同国の経済見通しを下方修正し、その見通しに基づけば3年連続で0%台に留まる。電力不足による民間部門の弱さを理由に挙げており、新型肺炎の影響を勘案すれば事態打開の道筋は描きにくい。 内生的な材料に乏しいなか、今後の南アランド相場は引き続き外部環境に揺さぶられる脆弱な展開が続くと予想される。

 

★欧州市場では2月マークイットユーロ圏製造業PMIが公表

1月実績は47.9で同速報値47.8から上昇修正された。生産指数の上昇が寄与した。2月については、引き続き節目の50を下回る公算となっている。ドイツ、フランスの生産活動は多少持ち直す可能性はあるものの、1月実績をやや下回る可能性がある。

 

★米FRBと米市場参加者の利下げ観測感の違い

新型肺炎の感染拡大が成長を一段と抑制するとの懸念から、米国金利先物市場では年内少なくとも1回、最大で2回の追加利下を織り込み始めた。市場は速くて、6月、7月あたりの利下げを織り込んでいる。 一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)は米国経済に依然楽観的で、年内の金利据え置き予想を維持している。クロリダ副議長は20日、CNBCとのインタビューで新型肺炎が第1四半期の中国経済に影響をあたえることは必至だと指摘した。また、中国経済が米国経済の多くを占めると警告した。しかし、現在のところ、新型肺炎が米国の金融政策の修正を必要とするような証拠がないとした。 リスクは存続するが、米国経済は『強い』と主張している。労働市場も強く、新型委肺炎の影響を判断するのは『時期尚早だ』と加えた。米金利先物市場の利下げの織り込みを払拭させるべく、『利下げの可能性は高くない』との考えを示した。

 

★米国市場では2月マークイット製造業PMIが公表

・1月実績は51.9で12月実績を下回った。2月については第1段階の米中通商合意が署名されていることから、将来的な生産増加への期待が浮上している。他の項目が改善されていた場合、1月実績をやや上回る可能性がある。

 

★欧米市場イベント

○17:15   2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.7)
○17:15   2月仏サービス部門PMI速報値(予想:51.3)
○17:30   2月独製造業PMI速報値(予想:44.8)
○17:30   2月独サービス部門PMI速報値(予想:53.8)
○18:00   2月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:47.5)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.2)
○18:30   2月英製造業PMI速報値(予想:49.7)
○18:30   2月英サービス部門PMI速報値(予想:53.4)
○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.4%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.1%)
○22:30   12月カナダ小売売上高(予想:前月比0.1%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:35   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○23:45   2月米製造業PMI速報値(予想:51.5)
○23:45   2月米サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○23:45   2月米総合PMI速報値
○24:00   1月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.8%/年率換算543万件)
○22日00:15   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、ボスティック米アトランタ連銀総裁、討論会に参加
○22日02:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22日03:30   クラリダFRB副議長、メスター米クリーブランド連銀総裁、討論会に参加
○22日03:30   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○インド(シバ神生誕日)、休場
○22日 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(サウジアラビア・リヤド、23日まで)

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