FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:新型肺炎の感染者減少と円安を好感した買い優勢

中国当局が朝方発表した18日の中国本土における新型肺炎の新たな感染者は1749人で17日の1886人から減少したことなどが安心材料となった。また、日経平均株が前日大きく下落した反動もあって上昇しやすく、ドル/円の110円乗せをにらんで上げ幅を拡大した。また、トランプ大統領が安倍首相から夏の東京五輪に招待され出席を検討していると伝わり新型肺炎の感染拡大に伴う五輪開催への不透明感が後退して海外短期筋の先物の買い戻しに一時上げ幅を270円超に広げた。結局、前営業日比206円高の2万3400円と5日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:円売り強まり110円台で推移

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、110.11円付近まで上昇した。上海総合株価指数や香港ハンセン指数が上昇に転じたことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、12日につけ110.13円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、利益確定売や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、110.05円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価をにらみながら、110.05円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.0800ドル付近でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

2019年の米国債買い越し額は日本とユーロ圏が主導

米財務省が18日に発表した2019年の海外投資家による米財務省証券投資は7年ぶりの高水準を記録した。日本やユーロ圏の投資家が、より利回りの高い米国債に向かった。2019年の海外投資家による米財務省証券投資は6兆6960億ドルの買い越しなとなり、前年の4250憶ドルから増加し、2012年以来の高水準となった。日本の投資家は2019年に米国債を1150憶ドル買い越した。ユーロ圏の投資家も1000億ドル以上買い越した。

日本の米国債保有高が1兆1540憶ドルで首位で、昨年6がつ以降は首位を保っている。また、中国の保有高は、12月時点で1兆0690億ドルで第2位で、同国の保有高は6ヵ月連続で減少し、2017年2月以来の低水準となった。

 

2月NY連銀製造業景気指数は好調だが新型肺炎の影響反映されず

米国2月NY連銀製造業景気指数は12.9となり、市場予想を上回り5月来で最高となった。新規受注が22.1と1月6.6から大きく改善し、2017年9月来で最高となった。また、出荷も18.9と8.6から上昇した。米中第1段階貿易合意の成立で一部の関税が解除されたほか関税率が引き下げられたことが製造業の需要拡大につながった。しかし、この指数は15日までの調査結果であるため、新型肺炎の影響が完全に反映されていない。サプライチェーンの混乱で、全国的にこの楽観的な傾向が続くとは考えられていない。

 

比較的良好な経済成長の米国ドルに資金が向かう

新型肺炎の感染拡大の勢いは収まらず、経済のみならず、長期化すると企業収益にも影響を与えかねない。米国のアップルは新型肺炎の影響で中国での生産が遅れるほか、需要も鈍化するため1-3月期の売上高の目標達成が困難になると業績見通しを引き下げ。また、米国大手小売りウォールマートが発表した年末商戦の売上高、通期見通しが予想を下回ったことも投資家の警戒感につながっている。日本の10-12月期国内総生産(GDP)は増税が重しとなり前期比年率で‐6.3%と、2014年4-6月期以来で最低を記録した。1-3月期には新たに新型肺炎の影響が加わり一段の悪化も予想され、景気後退入りが懸念される。また、ドイツの2月ZEW景気期待指数は8.7と、3カ月連続でプラスとなったもののやはり新型肺炎の影響で予想を大幅に下回った。一方、米国2月NY連銀製造業景気指数は12.9と予想以上の上昇で5月来で最高となった。比較的良好な成長が期待される米国ドルに資金が向かっている。

 

米国市場では1月住宅着工件数を公表

12月実績は前月比+16.9%、160.8万戸と2006年12月以来の高水準となった。低水準の住宅ローン金利が住宅需要を押し上げている。1月については、12月に急増した反動で減少する可能性が高いものの、140万戸程度の水準を維持する見込み。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表

FRBは1月28-29日のFOMCで現行の政策金利の据え置きを全会一致で決定した。ただ、国内総生産(GDP)の通ねでの下振れを背景に2020年中の金融政策に不透明感が広がる。内容次第ではドル売りの手掛かりになる可能性もある。

 

欧米イベント

○17:00   1月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比4.4%)
○17:30   1月スウェーデンCPI(予想:前月比▲1.1%/前年比1.7%)
        コア指数(予想:前月比▲1.2%/前年比1.6%)
○18:00   12月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:30   1月英CPI(予想:前月比▲0.4%/前年比1.6%)
         CPIコア指数(予想:前年比1.5%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.6%/前年比2.6%)
○18:30   1月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.8%)
○19:00   12月ユーロ圏建設支出
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:10.75%に引き下げ)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:10   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○22:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:30   1月米PPI(予想:前月比0.1%/前年比1.6%)
        食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.3%)
○22:30   1月米住宅着工件数(予想:142.5万件、前月比▲11.7%)
          建設許可件数(予想:145.0万件、前月比2.1%)
○22:30   1月カナダCPI(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○20日01:45   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○20日03:30   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○20日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28日-29日分)

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