FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米アップルショックで寄り付きから売り先行

米アップルの1Q売上計画未達報道を嫌気して寄り付きから大幅売りが先行した。ハイテク関連が軒並み安となったことで、その後も下値を試す流れが続いた。アジア株は落ち着いた動きではあったものの、総じて弱めのスタートとなったことから押し目でも買いは入らず、下げ幅を広げた。市場から『これまで心理的な側面が強かった新型肺炎の影響が具現化した格好となった。各種イベントの中止によって不安感が高まってきた中で、世界景気の見通しに不安を与えた』との声が聞かれた。結局、前日比329円安の2万③19③円と4日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:中国政府の景気刺激策期待からドル底堅い

ドル/円は、日経平均株価の大幅続落やアジア株安を背景にドル売り・円買いが進み、109.65円付近まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、中国政府が景気刺激策を打ち出すとの期待か高まっているため、下げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、109.70円台を中心に取引された。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速を経過したユーロ売り・ドル買いが続き1.08ドル台前半の安値圏で推移した。

 

ドイツ経済成長は弱さが続くとの見通し

ドイツ連邦銀行(中央銀行)は17日に公表した経済報告で、輸出低迷と中国の新型コロナウイルスの影響で第1・四半期のドイツ経済成長は弱さが続くとの見通しを示した。 独連銀は、第1四半期の経済に根本的な変化の兆候はないとし、『年初に発生した中国のコロナウイルスで、新たなリスクが加わった』と指摘した。新型ウイルスが世界の価値連鎖の混乱や独企業による製品供給の障害になる恐れがあるとした。

 

新型肺炎の拡散と世界景気の悪化懸念による各国の政策対応

中国への貿易依存度が高いユーロ圏では、ECB(欧州中銀)の先行き金融緩和強化の思惑がユーロ安の一因となっている。日本に関しても、企業業績への打撃や国内感染の増加による内需悪影響が懸念され始めた。ただでさえ、日本では昨年10-12月の実質GDPが消費増税や台風被害などにより、年率-6.3%と5四半期ぶりの大幅マイナスに落ち込んでいる。1-3月も2期連続マイナスとなる『景気後退(リセッション)』リスクが高まってきた。先行き政府による追加財政出動や、日銀緩和強化の議論浮上が注目される。なお、日銀の黒田東彦総裁は17日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、感染拡大が『国内経済にとって一番大きな不確実性』だと指摘した。景気に影響が出る場合、追加的な金融緩和策をためらわない姿勢を強調した。

 

米国企業の業績と株価のかい離が鮮明に:ソシエテ・ジェネラルリポート

ソシエテ・ジェネラルは17日のリポートで『昨年はマーケットが好調だったにも関わらず、S&P500採用企業の純利益はわずか0.3%の上昇にとどまり、ビック5(マイクロソフト、アルファベット、アップル、アマゾン・ドットコム、フェイスブック)を抜いたベースでは7.5%減少した』と指摘した。コストの増加(販管費)と、支払利息および税金の大幅な増加によるもので、『低金利にも関わらず米企業で支払い金利が上昇していることに注目すべき』だという。また、米株の強さに貢献している自社株買いに関しては『2019年は前年に比べて20%減少しており、ビッグ5と金融を除けば32%減少している』とも指摘した。主力ハイテク企業のビック5が自社株買いを行い続ける一方で、他の企業が自社株買いを減らす傾向が続くなら『業績と株価のかい離を説明するのに役立つだろう』ともみていた。

 

米大統領選の民主党候補指名争いにブルームバーグ氏が急浮上

米大統領選の民主党候補指名を争う主要候補はこの週末、支持率を急上昇させているブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)に対し、相次いで攻撃を仕掛けた。ブルームバーグ氏が参戦するのは3月からだが、その並外れた資金力に警戒感が強まっている。キニピアック大の今月の世論調査によると、支持率は前月比7ポイント増の15%となり、サンダース上院議員(25%)、バイデン前副大統領(17%)に次ぐ3位につけている。サンダース氏は15日の演説で、ブルームバーグ氏が過去に最低賃金引き上げや富裕層増税に反対してきたと紹介し、『トランプ大統領を倒すには高投票率が必要だが、そのための興奮や熱狂を生み出すことは彼にはできない』と批判した。

 

欧米イベント

○17:30   1月スウェーデン失業率
○18:30   1月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○18:30   10-12月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○19:00   2月独ZEW景況感指数(予想:21.5)
○19:00   2月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30   12月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.5%)
○22:30   2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:5.0)
○24:00   2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:75)
○19日06:00   12月対米証券投資動向
○EU財務相理事会(ブリュッセル)

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