FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:後場からは下げ幅縮小傾向

前日の米国株が424ドル安と大幅下落したことにつれて売りが先行し、押し目が入ったが戻りは鈍かった。『自民党幹部が衆院解散の可能性を示唆した』との一部報道が伝わったことも売り材料視された面があり、一時200円近く下げ幅を広げた。しかし、日銀の株式ETF買い期待が相場を支えた。結局、前日比62円安の2万2215円と反落して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:米金利先高観からドル底堅い展開

ドル/円は、仲値に向けて国内輸入企業などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれたことや米長期金利が上昇したことに支えられ、109.05円付近へじり高となった。しかし、上値を追う動きは限られ、利食いなどに108.80円台へ押し戻された。また、月末に絡む国内輸出勢のドル売り・円買いも観測された。午後からは米金利先行観から短期筋などのドル買い・円売りも見られた。日経平均株価が下げ幅を縮小したことも、リスク回避の動きが後退したドル買いが入った。ユーロ/ドルは、26日のECB理事会に対する警戒感から持ち高調整などのユーロ売りが入り1.2210ドル付近へ下げた。

 

26-27日から2期目の黒田日銀がスタート

今回の会合では、スーパーマネタリストかつリフレ派急先鋒として若田部副総裁が他のリフレ派を巻き込み追加緩和案を提出、現状維持反対2-3票が現出しなければ、失望による円買いが強まるとの見方もある。すでに日本経済が景気循環のダウンサイクルへと目に見える形でリスクが顕在化してきている。景気先行指数はピークから反転下降しつつ、銀行貸出の伸びは17年半ばの3.3%から今年2月には2.4%に鈍化、住宅ローンを介した銀行貸出と住宅着工件数はピークから100万件減少し900万件へと減縮している。最も重要な家計と内需の景気循環的2つの指標が、景気下降リスクを顕在化させつつある。

 

26日ECB定例理事会後のユーロ安に注意

今回の会合では金融政策を据え置くと見られている。注目は9月に期限がくる資産購入プログラムの行方となる。ECBの声明、または、ドラギ総裁の会見で、年内の量的緩和(QE)終了する方針が示唆されるかどうかに注目点となる。投資家はECBによる速やかな出口戦略の実施を織り込みユーロ買いを積み上げてきた。シカゴのIMMのユーロ買い持ち高も高水準となっている。ところが、最近の経済指標が思ったように伸びてこない。ドイツの4月IFO企業景況感指数は102.1と5ヵ月連続で低下した。ECBの高官も域内の経済回復が一旦ピークに達した可能性に言及している。そのため、ECB定例理事会でも年内のQE終了を発表するのは時期尚早と判断する可能性がある。ドラギ総裁も、インフレが引き続き抑制されているとのQE終了に慎重な姿勢を維持する可能性がある。ユーロの買い持ちが積み上がっており、定例理事後をきっかけにユーロが反落する可能性が高いので注意が必要となる。

 

米長期金利上昇が日本株へのインパクトを和らげた要因

米長期金利上昇では、2月初旬に世界的な株価急落『VIXショック』のトリガーになったことは記憶に新しい。日経平均株価が限定的だったのは、日米金利差の拡大による円安・ドル高基調になったことだ。日米首脳会談でトランプ大統領から為替けん制発言がなかったことから、素直に日米金利差による円安となっている。また、米長期金利上昇の持続性に懐疑的な見方が多い。市場では借入れ金利が上昇しても、トランプ減税で相殺されるとの見方がある。さらに、2月のようにボラティリティが上昇していない。ボラティリティが上昇すると、保有資産内容を見直す『リスク・パリティ』戦略をとる投資家が多いが、今回はボラティリティが上昇しないため、売り殺到という動きにはつながっていない。

 

欧米イベント

○15:45   4月仏消費者信頼感指数(予想:100)
○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、レーン・アイルランド中銀総裁、講演
○17:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.00%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○26日02:00   米財務省、5年債(350億ドル)入札
○26日05:15   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、議会証言

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