FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は下落:先週末の米国株安を嫌気した売り優勢

先週末の米国株が大幅安となったながれを引き継ぎ、売りが優勢の展開となった。そのため、寄り付きから200円近い下落となった。大きく水準を切り下げて始まったが、その後は追加の売り材料が見当たらないことから下げ渋っているものの、戻りも鈍い展開となった。また、中国・上海株の戻り一服で短期筋による先物買い戻しが一巡し11日の祝日休場で取引を手控える海外長期投資家が多く商い低調で膠着感を強めた。結局、前日比142円安の2万3685円続落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合う展開

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染者拡大が続き、中国本土の死者が900人を超えたことがリスク回避の円買いを誘い、1090円台半ばへ水準を切り上げた。しかし、東京市場では、日経平均株価の下げ幅縮小や上海総合株価指数の持ち直しに支えられてドル買い・円売りが進み、109.88円近辺までじり高となった。米長期金利が小幅上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。ただ、7日につけた110.04円が上値の目処として意識されると上げは一服し109.80円付近まで小緩んだ。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、109.70円台を中心とした狭いレンジ取引となった。ユーロ/ドルは、1.09ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。

 

中国株の下落懸念は後退しているがパンデミックの可能性は残る

新型コロナウイルスに関しては、中国株の下落懸念は、中国人民銀行による大規模な流動性供給やリバースレポ金利の引き下げ、夜間先物取引の中止、投機的な売りの禁止などが奏功して払拭されつつある。感染拡大への警戒感はワクチン開発などの報道で緩和されつつあるものの、感染者数は依然として増加傾向にあるため、パンデミック(爆発感染)に陥る可能性は残されている。 世界保健機関(WHO)は、ワクチン開発に向けて、研究と開発の優先事項を策定するために、2月11-12日にジュネーブで専門家会合を開く。関連報道が注目される。

 

中国での1月の日本の新車販売台数は減少

日産自動車が7日発表した中国市場における1月の新車販売台数は、前年同月比11.8%減の11万8143台となった。春節(旧正月)の大型連休で販売店の営業日数が少なかった上に、肺炎を引き起こす新型コロナウイルス感染の拡大が重なった。日系大手ではトヨタ自動車とマツダも前年実績を割り込んでおり、人気が高い日本車の販売にブレーキがかかった。新型肺炎は2月に入って一層深刻化しており、今後の販売減が懸念される。

 

米欧通商摩擦と英・EUのFTA交渉難航する可能性高くユーロは軟調

米国の2019年の貿易赤字は対中貿易赤字の減少などで減少していたものの、対欧州連合(EU)では1778.66億ドルとなり、2018年の1686.60億ドルから拡大した。12月の対米貿易黒字も拡大している模様である。トランプ政権がEUに対して自動車関税を賦課する可能性が高まれば、米欧通商摩擦が激化してユーロ売り要因となる。また、EUが金融危機後に成立させた第2次金融商品市場指令(MiFID2)の一部修正を検討しており、英・EUの自由貿易協定(FTA)交渉が難航する可能性が高まったことも、ユーロ売り要因となる。

 

今週の英国経済指標の結果次第では再び利下げ観測も

英国内で10-12月期GDPや12月鉱工業生産指数などが発表される。今年に入って英中銀当局者から先行き経済を懸念する声が多く聞かれ、利下げ思惑もくすぶっていたが、1月末の会合で利下げ支持のメンバーは前回と変わらずの2人にとどまった。ただ、EUとの通商交渉が難航することが見込まれる中、指標が景気減速懸念を強める内容となれば、再び利下げ観測が高まる可能性がある。

 

南アランドの上値は限定的

南アでは先週に入り再び電力会社が負荷制限を始めています。一時交通がピークに達したときには負荷制限を解除したが、電力の需要が高かったことで、電力会社はこのような緩和措置を行う余裕はないという声明を出した。電力施設のメンテナンスで今後18カ月は負荷制限が避けられないこともあり、ランドの上値を圧迫することになる。経済指標では11日発表される10-12月期の失業率に注目が集まる。7-9月期は29.1%まで失業率が上昇したが、もしこれ以上、失業率が上がった場合には、南アの治安がより一層悪化し、ラマポーザ政権も危機を迎える可能性がある。先週の企業景況感指数が落ち込んだ理由の一つが、治安の悪化とされているように、今回失業率が上昇した場合は治安悪化、ラマポーザ政権に対する信頼低下にもつながる。特に5割を超えている若年層の失業率悪化には警戒したい。また13日ラマポーザ大統領が第4次国家演説も行う予定となっている。

 

米民主党候補指名争いではブティジェッジ氏が勢い維持

米紙ボストン・グローブは6日、米大統領選の民主党候補指名争いの第2戦の予備選が11日に行われる東部ニューハンプシャー州での世論調査結果を発表した。それによると、3日の初戦アイオワ州党員集会で躍進した最若手のブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が勢いを得て、ニューハンプシャー州でトップを走るサンダース上院議員を追い上げている。グローブ紙が州内の民主党支持者を対象に連続で行った調査によると、アイオワ州党員集会が開かれた3日、4位のブティジェッジ氏の支持率は11%だった。しかし、躍進が伝えられると、支持率が6日までの3日間で倍の23%に上昇して2位に浮上。この間7ポイント減らして11%となったバイデン前副大統領と立場が入れ替わった。6日発表のエマーソン大の調査でも、ブティジェッジ氏は2位に入り、バイデン氏の2倍の支持を得た。

 

欧米イベント

○15:45   1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.6%)
○16:00   1月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.7%/前年比1.2%)
○16:00   11月トルコ失業率(予想:13.4%)
○16:30   1月スイスCPI(予想:前月比▲0.2%)
○22:15   1月カナダ住宅着工件数(予想:20.50万件)
○22:15   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:30   12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.8%)
○11日03:45   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○11日05:15   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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