FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は上昇:アジア株高と円安を好感して大幅高

前日の米国株式市場の大幅高や円安進行を好感した買いに加え中国・上海株や香港株の上昇で投資家心理が一段と強気に傾いた。また、複数海外メディアが『中国が米国からの一部輸入品の関税引き下げ』と報じ先物を買い戻す動きが強まったほか、トヨタが業績予想を上方修正して自動車関連中心の買いが加速した。アジア株高やNYダウ先物の上昇で、市場心理が改善されたことで一時600円を超えた。結局、前日比554円高の2万3873円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:心理的節目の110.00円に届かず

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ109.90円付近まで値を上げた。英国と中国で新型コロナウイルスのワクチン開発に大きな進展があったことも、引き続きリスク選好の円売り要因として意識された。午後もこの流れは続き、複数のメディアが『中国政府が対米報復関税の一部について、14日から引き下げる』と報道すると、さらにドル買い・円売りが進んで109.98円付近までじり高となった。ただ、心理的な節目の110.00円はドル売り・円買いオーダーが厚いと見られており、上げは一服した。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、109.95円付近でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.0990ドル台でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

新型コロナウイルスの治療薬の前進

英スカイ・ニュースは5日、同国の科学者による新型コロナウイルスのワクチン開発に大きな進展があったと報じた。ワクチンの通常の開発期間の一部を『2‐3年からわずか14日に』短縮することが可能になったという。スカイは、今回の感染拡大には対応できないが、次に感染が拡大した際に重要なワクチンになると報じている。また、市場関係者によると、中国のテレビは、浙江大学の研究チームが新型コロナウイルスに有効な治療薬を発見したと報じた。

中国湖北省の衛生局は、新型コロナウイルスの感染による同省の死者は70人増え、5日時点で549人に達したと発表した。新たに2987人の感染が確認され、感染者は合計で1万9665人となった。死者数の増加ペースは、4日の65人から加速した。しかし、新たに感染が確認された人数は、4日の3156人からやや減少した。

 

米国の1月サービス関連指標は予想を上回る好調を維持

米供給管理協会(ISM)が発表した1月ISM非製造業景況指数は55.5と12月54.9から予想以上に上昇し、昨年8月来で最高となった。一方で同指数の雇用は53.1と、12月の54.8から低下し、6カ月平均の53.7も下回った。
事前にマークイットが発表した1月サービス業PMI改定値は53.4と、予想外に速報値53.2から上方修正された。1月総合PMI速報値も53.3と、速報値53.1から上方修正された。

 

米国の貿易赤字は6年ぶりに縮小

トランプ大統領の貿易赤字を縮小させる措置が奏功し2019年の赤字はようやく6年ぶり縮小した。米商務省が発表した12月貿易収支は489億ドルの赤字となった。赤字幅は11月437億ドルから予想以上に拡大した。赤字幅は9月来で最大となった。ただ、2019年の貿易赤字は1.7%減の6170憶ドルと、過去10年間で最大となった2018年の6280億ドルから縮小したことで、6年ぶりの縮小となった。対中の関税率の引き上げで輸入が減少した。

 

米国市場では7日に最新1月雇用統計が公表

市場エコノミストは平均予想で、失業率が3.5%と50年来の低水準を維持、非農業部門雇用者数は前月比+16万人と、11月の+14.5万人から伸びが小幅拡大するとみている。
先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の1月分は前月比+29.1万人と、前月から伸びが鈍化するとの予想に反し前月から拡大した。予想のほぼ倍の伸びとなるポジティブサプライズとなった。2015年5月以降ほぼ5年ぶりの大幅な伸びを記録したため、1月雇用統計でも引き続き強い労働市場が再確認されると期待が強まった。例年に比べて暖冬が奏功した可能性が指摘されている。しかし、ボーイングの生産停滞による製造業の雇用に与える影響への懸念が根強い。また、調査によると、企業は本年の米国、世界経済成長が弱まると見ており、大統領選挙の年でもあることから下方リスクに特に警戒、雇用の拡大などの投資を控えている。
◆市場予想失業率:3.5%(12月3.5%)非農業部門雇用者数:前月比+16.3万人(12月+14.5万人)民間部門雇用者数:前月比+15万人(12月+13.9万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.0%(12月+0.1%、+2.9%)

 

欧米イベント

○15:15   インド中銀、金融政策決定会合(予想:5.15%で据え置き)
○16:00   12月独製造業新規受注(予想:前月比0.6%/前年同月比▲6.6%)
○17:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21:30   1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:00   1月ロシア消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%)
○22:30   10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比1.6%)
○22:30   10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比1.4%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/172.0万人)
○23:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○23:15   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○ニュージーランド(ワイタンギ条約記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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