FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は上昇:米国株高と円安に連れて買い優勢

中国政府の景気対策への期待に前日のNYダウが407ドル高とナスダック史上最高値更新を受けて先物に買いが先行し1ドル=109円台前半の円安も輸出関連株の買い材料とされ上げ幅を広げた。米国株高や円安進行を好感して寄り付きから大幅高となった。ただ、早い時間に23400円台に乗せた後は戻り売りに押されて上げ幅を縮めた。その後、アジア株の堅調スタートを受けて盛り返したが、積極的に上値を追うほどの動きとはならず、次第にこう着感が強まった。結局、前日比234円高の2万3319円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株堅調推移でドル底堅い展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル売り・円買いが先行し109.37円付近まで下落した。しかし、中国政府が景気下支えに向けて経済政策を打ち出すとの期待が高まっているため、下押しは限られた。その後は、上海総合株価指数や香港ハンセン指数の上昇に支えられ、109.50円付近へ値を切り返した。トランプ大統領が一般教書演説を行ったが、市場の反応は限定的だった。午後は、日経平均株価をにらみながら、109.40円台を中心とした狭い値幅でももみ合いとなった。ユーロ/ドルは、今週発表された米経済指標の上振れで、欧米景況観格差を意識したユーロ売り・ドル買い優勢となり、1.10ドル台前半の安値圏で推移した。

 

トランプ大統領の一般教書演説では中国への言及は5回

トランプ大統領が4日夜に行った2020年の一般教書演説(SOTU)で中国に関して5回の言及があった。前年(4回)から1回増え、トランプ政権の通商・外交政策で中国に対する関心の高さが伺えた。今回のSOTUでは『数日前、我々は中国と画期的な新しい協定を結んだ。この協定で我々の雇用、知的財産権を守り、米国産品の市場を新たに切り開くことになった。週国家主席と共に良い関係を築きたい』と貿易協議のフェーズ1の成果を示す一方、『中国での新型コロナウイルスの感染拡大に、中国政府と協力して取り組んでいる』と述べ、足元で不透明要因となっている新型コロナを踏まえて中国との連携を強調していた。駐留米軍の経費増額に関して北大西洋条約機構(NATO)に関する言及はあったが、北朝鮮に関する言及もなく、米大統領選挙を控える中、東アジアの安全保障に対するトランプ政権の関心の低さが伺えた。

 

欧州市場ではユーロ圏12月小売売上高が公表

11月実績は前月比+1.0%だった。非食品の売上高が主に増加したが、自動車燃料は減少した。12月については、非食品の売り上げ増加が予想されているが、ドイツ、フランスにおける小売売上高は伸び悩むとの見方が出ており、全体的にはやや減少する可能性がある。

 

中国で現物金の需要が落ち込むとの懸念も

中国の景気対策を受けて新型肺炎をめぐる市場の懸念が和らぎ、世界的に株価が上昇した。安全資産とされる金に売りが出た。外国為替市場でドルが反発したことも、ドルの代替投資先とされる金の売りを誘った。新型コロナウイルスの影響で世界最大の金購入国である中国での現物需要が落ち込むとの懸念もある。同国の金輸入量は昨年12月に3倍となっていたものの、前年同月比では28%減となっていたことが先週金曜日に明らかとなっている。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)が1月31日発表した28日時点の建玉報告によると、COMEXで投機筋(非商業部門)による金先物の買い持ち高は4週ぶりに拡大した。前週比1万2397枚多い33万92枚とデータが開示されている1986年以降で最高となった。

 

米中通商協議の第2段階協議は新型肺炎で話し合いは進まず

最近は感染が拡大している中国の新型肺炎の話題が持ち切りで、米中通商協議の話はあまり出ていない。1月中旬に第1段階合意の署名に至り、中国の旧正月を終えてから第2段階協議の日程や内容などを含めた話し合いを行う段取りだったが、新型肺炎で今の中国にはその余裕がない。さすがにトランプ米大統領からも、最近は米中協議に関する発言が伝わっていない。もっとも第2段階協議では、本丸に位置付ける中国の産業構造改革が焦点になる。米国側は国有企業への補助金支給を通じた産業育成策の見直しを求める一方で、中国は外圧に負けて方向転換を迫られる事態になれば、習指導部の求心力にも影響を与えかねないので、米国の要求に応じる可能性は極めて低く、難航が見込まれている。また、今回の新型肺炎で中国が第1段階で合意した、中国は今後2年間で2017年に比べ、米国からのモノやサービスの輸入を2000億ドル以上増やすという約束を果たせるかどうかも雲行きが怪しくなった。

 

アイオワ州党員集会の結果は予想外にブティジェッジ候補が健闘

米民主党は、11月の米大統領選に向けた候補者選びの初戦となるアイオワ州党員集会の暫定集計結果を発表した。CNNの推計では、支持率は前インディアナ州サウスベンド市長のブティジェッジ氏が26.9%、バーニー・サンダース上院議員が25.1%で2位、エリザベス・ウォーレン上院議員18.3%で3位、バイデン前副大統領が15.6%で4位、エイミー・クロブシャー上院議員が12.6%で5位となった。

共和党は、党員集会をスムーズに進められない民主党に国を任せることは出来ないと指摘。トランプ大統領は『まったくの大惨事だ』とツイッターに投降した。

 

トランプ大統領の支持率は就任以来で最高

ギャロップ調査によると、トランプ大統領の支持率は49%と、就任以来で最高に達した。ほぼ半数の国民がトランプ大統領を支持したことになる。共和党員の支持は94%、どちらの党にも所属していないインディペンデントからの支持率は42%。一方民主党員の支持率は7%で、共和党員と民主党員の支持率の差は87%と調査が始まって以来で最大となった。
経済を巡るトランプ大統領の支持率は63%に達し、2001年の9月11日米国同時多発テロ直後のジョージWブッシュ元大統領の支持率72%以降で最高となる。トランプ大統領の再選確率が上昇することは一段のリスク選好の動きに繋がると見る。

 

欧米イベント

○15:45   1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲8)
○17:10   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:50   1月仏サービス部門PMI改定値(予想:51.7)
○17:55   1月独サービス部門PMI改定値(予想:54.2)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:52.2)
○18:30   1月英サービス部門PMI改定値(予想:52.9)
○19:00   12月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.9%/前年比2.4%)
○20:30   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   ラガルドECB総裁、講演
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○22:15   1月ADP全米雇用報告(予想:15.6万人)
○22:30   12月カナダ貿易収支(予想:6.1億カナダドルの赤字)
○22:30   12月米貿易収支(予想:482億ドルの赤字)
○23:45   1月米サービス部門PMI改定値(予想:53.2)
○23:45   1月米総合PMI改定値
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:55.0)
○6日00:30   EIA週間在庫統計
○6日06:10   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)

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