FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株の落ち着きから買い戻しも

引き続き新型コロナウイルスによる肺炎の影響が懸念されたほか、急速に進んだ円高が嫌気され、輸出関連株を中心に幅広く売られた。一時400円を超す下げとなったが、春節の休み明けとなる上海株式市場が大幅安で始まった後、徐々に戻したことを受けて、日経平均も下げ渋る展開となった。結局、前営業日比233円安の2万2972円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:過度な円買いは後退し108円台半ばでもみ合い

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、108.58円付近までじり高となった。中国人民銀行が2日に大規模な資金供給を実施すると発表、春節明けで動向が注目された上海総合株価指数が下げ渋ったことも、過度なリスク回避姿勢を和らげて円売りを誘った。しかし、新型コロナウイルスの感染者や死者が増えていることから、上値ではドル売り・円買いも見られ、108.50円前後で取引された。午後は日経平均株価上海総合株価指数をにらみながら、108.50円を挟んでもみ合った。ユーロ/ドルは、1.1080ドル台でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

ゴールドマンは対円でのドルのじり安を見込み、1ドル=107円を行使価格とする2ヵ月物のドル・プットオプション(売り権利)を購入し、104円のプットを売る『プットスプレッド』を推奨する。107円前後のプットはまだ購入費用が安い。

 

ドル/円の1月アノマリー:月足と年足が一致

ドル/円相場では、1月の月足とその年の念足が一致する確率が高いというアノマリーがある。すなわち、1月の月足(円高=陰線、円安=陽線)と年間(1-12月)の年足が一致する傾向がある。日本が変動相場制に移行した1973円の翌年1974年から2019年までの47年間で、『1月効果』の戦績は28勝19敗、確率は60%となっている。2020年1月足は『陰線』(始値108.76円・終値108.35円)だったので、12月末の終値が108.75以下となり、5年連続で年足が陰線となる可能性は60%程度となる。

 

中国政府は市場安定化のため空売り禁止と資金供給

中国証券監督管理委員会(CSRC)は、国内の証券各社に対して、春節(旧正月)休暇明けで市場が再開する3日に顧客の空売りを禁止するような口頭で指導した。空売り禁止が4日以降も適用されるのかどうかは不明。中信証券は支店にあてた内部メモで、空売り禁止措置について、取引再開初日の市場安定化に向けた『政治的な任務』と説明している。中国政策当局者は、新型肺炎の影響から金融システムを守るため、さまざまな措置を講じている。中国人民銀行は、3日にリバースレポの公開市場操作を通じて1兆2000億元(1740憶ドル)を金融市場に供給すると発表した。

 

SARSコロナウイルス時の8%の円高基調から逆算

新型コロナウイルスの相場への影響を図る上で、2002-2003年のSARSコロナウイルス時の動向が参考になる。SARSコロナウイルスは、2002年11月16日の中国広東省の症例に始まり、32の地域と 国にわたり8098人の症例が報告された後、2003年7月5日に世界保健機関(WHO)によって終息宣言が出された。ドル円は、2002年12月の高値125.73円から2003年5月の安値115.10円まで10.63円、約8%下落している。新型コロナウイルスでも同様の下落幅を想定した場合、1月高値110.29円から約8%の下落では、101.47円まで下落と試算される。

 

コロナウイルスは高齢者ほど重症化のリスク高い

30日までに亡くなった213人のうち、地方政府や報道の発表で、年齢や性別などがわかる54人分の個人データを朝日新聞が集計した。平均年齢は70歳で、65歳以上が約8割を占めた。専門家は抵抗力の弱い高齢者に対する周囲のケアが必要だと指摘する。

中国政府は25日以降、死者の数などを発表しているが、それぞれの属性は明らかにしていない。朝日新聞は地方政府などが個別に発表しているデータを集計し、年齢や居住地、症状などがわかる死者の状況を調べた。
54人のうち最年少は、感染者が最も多い湖北省武漢市から70キロ離れた天門市の31歳女性、最高齢は武漢市の89歳の男性2人。65歳以上が42人を占めた。新型肺炎については、中国当局も高齢者ほど感染による重症化のリスクが高いと指摘しており、それを裏付ける結果だ。

 

大統領選に向けた民主党の候補者指名争いがスタート

秋の米大統領選に向けた民主党の候補指名争いが3日夜(日本時間4日午前)、初戦の中西部アイオワ州党員集会で開幕する。7月の党大会での指名を懸け、11人の候補が激戦を展開する。共和党のトランプ大統領との対戦が想定される11月3日まで、9カ月間の長丁場が始まる。党員集会は州内約1700カ所で夜7時から行われる。勝利すれば今後の指名争いに弾みがつくため、各陣営は総力を挙げる。
1日現在の世論調査の平均支持率は、中道派のバイデン前副大統領(77)が27.2%でトップ。急進左派のサンダース上院議員(78)が23.5%で追う。だが、アイオワに限ると、サンダース氏はバイデン氏を3ポイントほどリードしている。若者の人気を背景に大勢のボランティアを集め、有利に戦いを進めている。2人に続くのは、左派ウォーレン上院議員(70)と中道派ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)。女性で中道派のクロブシャー上院議員(59)が上位に食い込む可能性もある。予備選や党員集会は6月まで続き、それぞれの州・地域に割り当てられた代議員の獲得数が、過半数に達した候補が党大会で指名される。

 

米国市場では1月ISM製造業景況指数が公表

12月実績は47.2だった。また、先行指標的なマークイット1月製造業PMIは51.7で12月実績の52.4を下回った。一部地区連銀の製造業景気指数は改善しており、1月の数字は12月実績を上回る可能性が高いと見られているが、新規受注や生産は特に改善していないとみられており、1月も節目の50を大幅に下回り見込み。

 

欧米イベント

○16:00   1月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00   1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.10%/前年比11.90%)
○17:30   1月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:50.3)
○17:30   10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲1.5%)
○17:50   1月仏製造業PMI改定値(予想:51.0)
○17:55   1月独製造業PMI改定値(予想:45.2)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.8)
○18:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:30   1月英製造業PMI改定値(予想:49.8)
○23:45   1月米製造業PMI改定値(予想:51.7)
○24:00   1月米ISM製造業景気指数(予想:48.5)
○24:00   12月米建設支出(予想:前月比0.5%)
○4日03:00   1月ブラジル貿易収支(予想:4.68億ドルの黒字)
○4日06:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○メキシコ(憲法記念日)、休場

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