FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ヘッジファンド等の継続的な買い

世界保健機関(WHO)が国際的な緊張事態と宣言したことで、新型肺炎への国際的な取り組み強化進展などの期待が高まり買いが先行した。ヘッジファンド等の断続的な先物買いに一時上げ幅440円超へ広げた後戻り待ちの売りに押され、結局、前日比227円高の2万3205円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:109円を挟んでの値動き

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、109.14円付近までじり高となった。世界保健機関(WHO)は新型ウイルスについて『緊急事態宣言』を発表した。しかし、一方で国際的な貿易と渡航の制限を勧告しないと表明したことが、引き続き円売り要因となった。ただ、29日高値の109.27円が上目目処として意識されると、上げは一服した。午後は、日経平均株価や香港ハンセン指数をにらみながら、109.05円を挟んでもみ合い相場となった。春節明けとなる中国市場の株価や人民元相場の動向を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは1.1025ドルを挟んでこう着相場となった。

 

今週末はオーストラリアの首都では熱波

オーストラリア南部サウスオーストラリア(South Australia)州で30日、気温が40度を超え、森林火災の発生しやすい複数の地域で火災警報が発令された。森林火災に見舞われた同国南東部は今後数日のうちに熱波に襲われると予想されており、火災の悪化が懸念されている。31日にはメルボルンや首都キャンベラで熱波が予想されており、週末にはシドニーの一部で45度超えが予想されている。

当局は、燃えるような暑さと乾いた風により、南東部ニューサウスウェールズ(New South Wales)州とビクトリア(Victoria)州の一部で深刻な森林火災が発生しやすくなると警告した。この2州では現在も80か所以上で火災が続いている。

 

中国の湖北省では感染者急増で医療体制が間に合わず

新型コロナウイルスの感染が拡大する中国では、患者の数は7711人、死亡した人は170人に上っている。このうち患者数が4000人を超えて最も深刻な湖北省では、連日、3万人以上が発熱を訴えて各地の病院や診療所に詰めかけており、患者の急増に、医療施設や医療関係者の数が追いつかなくなっている。
中国のメディア『財新』は『指定された大型病院は患者を受け入れられず、感染が疑われる患者が住宅地ごとに臨時に設けられた診療所に滞留していて、入院を待っている間に重症化している』と指摘している。そのうえで『症状の重い患者は今後毎日数百人のペースで増え続け、重症患者への治療が行き届かなくなるおそれがある』と警告している。

 

新型コロナウイルスを上回る桁違いの米国インフルエンザ

新型コロナウイルスの感染拡大が世界中の懸念になりつつあるが、米国ではもう一つ、インフルエンザの大流行についても危惧されている。米疾病対策センター(CDC)によれば、昨年10月1日から今年1月18日まで、インフルエンザに感染した人数は1500万人から2100万人と推定されている。そして、インフルエンザによる死者数は少なく見積もっても8200人、最大では2万人にも達する。18/19年シーズンは約6万人、17/18年では約8万人のインフルエンザを原因とした死亡者が米国ではでており、今年も更なる流行拡大への警戒感が高まっている。

 

欧州市場では10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が公表

12月のユーロ圏景況指数は上昇していること、家計支出の増加、工業生産はやや拡大しつつあることから、ユーロ圏の景気はやや持ち直しの兆しが見られる。大幅な改善は期待できないものの、前年比1%台前半の成長となる可能性が高い。

 

メキシコはマイナス成長でペソ売り

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)がこの日発表した2019年の実質国内総生産(GDP)の速報値は前年比▲0.1%となった。マイナス成長は金融危機の影響が出た09年以来、10年ぶりとなった。なお、10-12月期メキシコGDP速報値は前期比横ばいと予想の▲0.2%を上回った。前年同期比でも▲0.3%と予想の▲0.5%を上回っている。また、WTI原油先物価格の下落などを背景に産油国通貨とされるメキシコペソに売りが出た。

 

米成長はトランプ大統領就任後最低の伸び

米商務省が発表した10-12月期GDP速報値は前期比年率+2.1%と、予想通り7-9月期と同水準の成長を維持した。同期個人消費速報値は前期比年率+1.8%と、7-9月期+3.2%から鈍化し、予想+2.0%も下回り1-3月期以来の低い伸びとなった。
燃料や食料品といった変動の激しい項目を除いた10-12月期コアPCE速報値は前期比+1.3%と、7-9月期+2.1%から低下し、予想+1.6%も下回り1-3月期来の低水準となった。

2019年の成長は2.3%と、2018年の2.9%、2017年の2.4%の伸びを下回り、トランプ大統領就任以降、最低の伸びにとどまった。2019年のPCEは2.6%2018年の3%ペースを下回った。トランプ政権は目標にしていた3%成長がまだ達成できずにいる。このことはトランプ大統領が、FRBに利下げ圧力をかける理由となっている。

 

欧米イベント

○15:30   10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%)
○16:00   12月トルコ貿易収支(予想:43億ドルの赤字)
○16:00   12月独小売売上高指数(予想:前月比▲0.5%/前年比4.5%)
○16:30   12月スイス小売売上高
○16:45   12月仏PPI
○16:45   12月仏消費支出(予想:前月比▲0.1%)
○16:45   1月仏CPI速報値(予想:前月比▲0.5%/前年比1.5%)
○18:00   1月ノルウェー失業率(予想:2.5%)
○18:30   12月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○18:30   12月英マネーサプライM4
○19:00   10-12月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.1%)
○19:00   1月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比1.4%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、シュナーベルECB専務理事、メルシュECB専務理事、講演
○21:00   11月南アフリカ貿易収支(予想:120億ランドの黒字)
○22:30   11月カナダGDP(予想:前月比横ばい/前年比1.4%)
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比横ばい)
○22:30   12月カナダ原料価格指数
○22:30   10-12月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.7%)
○22:30   12月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       12月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       12月米PCEデフレーター(予想:前年比1.6%)
       12月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.6%)
○23:45   1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:48.8)
○24:00   1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:99.1)
○英国の欧州連合(EU)離脱期限
○中国(旧正月)、休場

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