FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は上昇:海外短期筋の買い戻し

寄り付きは93円高で始まったものの、その後は上げ渋る展開となり、一時マイナス圏へと転落する場面があった。しかし、複数メディアが『米大統領府が28日、中国で発生した新型コロナウイルス肺炎の感染拡大への対応を巡り米中の航空便運航停止を見送る』と報じて米国が新型肺炎拡大を深刻に見ていないとの思惑からヘッジファンドなど海外短期筋の買い戻しが入った。結局、前営業日比163円高の2万3379円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:終日109ドル前半でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、109.25円付近までじり高となった。ホワイトハウスが、朝方に伝わった『米政府は中国と結ぶ航空便の一時停止措置を検討している』との報道を否定したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、新型コロナウイルスの感染者拡大が続いていることから、上値では持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、109.20円前後でのもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や香港ハンセン指数の動向をにらみながら、109.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半でもみ合う展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪免疫研究所が新型コロナウイルスの培養に成功したと発表

オーストラリア南東部メルボルンにあるピーター・ドハーティー感染・免疫研究所は29日、中国で感染者が多発している新型コロナウイルスの培養に成功したと発表した。培養したウイルスは世界保健機関(WHO)を通じて世界の研究所と共有。ワクチンの早期開発につながる可能性がある。
同研究所は感染した患者から採取したサンプルを使って培養した。今回の成功により新型ウイルスに関する正確な診断が可能になるとして『重要な突破口だ』と強調した。培養したウイルスは抗体検査向けに使われるほか、試験段階のワクチンの有効性の評価にも役立つという。

 

中国政府は2月3日の取引再開に向け地ならし

中国市場では2月3日の取引再開後、波乱の展開が予想されている。中国本土の市場は24日から休場となっている。中国人民銀行(中央銀行)は声明で、中国株に売りが浴びせられる可能性に触れ、取引再開時には『大規模な資金』が用意されると言明した。オペの実施により、『銀行システムに合理的かつ十分な流動性が維持されるよう、潤沢な流動性を適時供給する』と表明した。一方、中国証券監督管理委員会(証監会)は証券各社に対し、取引所外取引を準備するよう促した。新型ウイルスの感染を封じ込める措置の結果、市場インフラに負担が生じているためだという。証監会は28日付の声明で、投資家が新型ウイルスの影響を『合理的かつ客観的に』評価するよう証券各社は導き、『長期投資、バリュー投資という概念を堅持するべきだ』と促した。

 

米議会予算局の今後の米国成長率などの見通し

米議会予算局(CBO)は28日、今年の実質国内総生産(GDP)成長率は2.2%と底堅く推移する一方、財政赤字は1兆0150億ドルに達するという見通しを示した。
GDP成長は2021年が1.9%、22年は1.7%と予想した。財政赤字は21年が1兆ドル、22年が1兆1160億ドルを見込む。19年は9840億ドルだった。
CBOは物価と金利について、過去10年の低迷を経て上向くとした。消費者物価指数(CPI)の見通しは20年が2.4%、21年が2.5%、22年が2.6%。10年債利回りは20年が1.9%、21年が2.2%、22年が2.6%。
長期見通しでは、GDP成長率が2021年から30年の期間に平均1.7%に減速すると予測した。インフレ率と金利の伸びも23年に鈍化に転じるとした。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開催

現行の政策金利は米中通商協議における第1段階の合意後も適切だが、通商問題などを巡る米中関係の不確実性が除去されたわけではなく、世界経済の減速傾向は特に変わらないと予想されていることから米国の金融政策は長期間変更なしの状態が続く見込みとなっている。

米国の経済専門局CNBCがFOMC前に市場関係者を対象として実施した調査で、回答者の100%が今回の会合で金利が据え置かれると見ていることがわかった。また、次の利下げは速くて11月と見ていることも明らかになった。

 

欧米イベント

○16:00   12月独輸入物価指数(予想:前月比0.3%/前年比▲0.6%)
○16:00   2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:9.6)
○16:00   1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:45   1月仏消費者信頼感指数(予想:102)
○18:00   12月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比5.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○24:00   12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.5%/前年比10.3%)
○30日00:30   EIA週間在庫統計
○30日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.50-1.75%で据え置き)
○30日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
〇欧州議会、英国の欧州連合(EU)離脱案を採決
○英中銀金融政策委員会(MPC、30日まで)
○中国(旧正月)、休場

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