FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:見送りムード強く小動きの展開

日経平均株価は、引き続き中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大が懸念されるほか、円高に振れている為替相場に対する警戒感も意識された。また、週末であることから売り買いともに偏ったポジションが取りにくく、見送りムードが高まった。結局、前日比31円高の2万3827円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強く道高調整の動き

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ109.58円付近まで小幅に値を上げた。しかし、中国国家衛生国家委員会が『新型コロナウイルスの患者が830人に増えて、25人が死亡』と発表したため、上値を追う動きは限られた。その後は、今日から始まる中国の大型連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、109.45付近へ下落した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向をにらみながら、109.50円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、前日に行われたラガルドECB総裁の会見がややハト派的な内容と受け止められ、緩和的な政策が長期化するとの思惑からユーロ安・ドル高が続き、1.10ドル台半ばの安値圏で推移した。

 

1月第2週の日本株は海外投資と個人が買って年金が売り

東京証券取引所が23日発表した1月第2週(14-17日)投資部門別株式売買動向(東京・名古屋2市場・1-2部・新興市場計)によると、海外投資家は3週ぶりに買い越し、買越額は751億円と前の週の売越額454億円から買い越しに転じた。一方、個人は2週ぶりに買い越し、買越額は1634億円と前の週の売越額88億円から買い越しに転じた。年金基金を代行する信託銀行は6週連続で売り越し、売越額は490億円と前の週の売越額173億円から拡大した。

 

新型肺炎感染が新たな世界経済リスクに

新型肺炎感染拡大が世界中で徐々に報じられている。世界保健機構(WHO)は22日、23日に開催した2日間の会合で、時期尚早との判断で『緊急事態』宣言を見送った。このため、いったん、恐怖は緩和した。ただ、中国政府による公表よりも、中国国内の感染例が実際に多い可能性があると懐疑的見方もある。万が一、SARSのような猛威に発展した場合は、世界経済の新たなリスクになると警戒される。2003年にSARSが蔓延した際、中国国内総生産(GDP)を2%近く引き下げた。 また、中国経済の構造が輸出型から消費型に移行しつつあるため、一部のアナリストはSARS時よりも、中国経済に与える影響が大きくなるとの警告もある。国内外旅行を含め、年を通じて消費が最も活発となる旧正月の休みに重なったことも手痛い。中国政府が複数都市での移動制限措置を実施していることなどから、中国人は旅行を取りやめ、自宅にとどまる傾向にある。

 

トルコ財務相は中銀は独立性を保っていると発言

ダボス会議に出席したアルバイラク・トルコ財務相は23日、トルコ中銀は米連邦準備理事会(FRB)と同じように独立性を保っていると述べ、中銀がエルドアン大統領の利下げ圧力に屈しているという見方を打ち消した。また、同財務相は今週、トルコ政府が掲げている20年の5%成長目標は現実的な数値と発言した。国際通貨基金(IMF)や世界銀行は、トルコの20年成長率は3%程度にとどまると予測している。

 

米大統領選に向けた民主党の候補者の支持率

2020年米大統領選に向けた民主党の候補指名争いで、バイデン前副大統領が支持率でトップに立っていることが、23日公表のロイター/イプソンの世論調査で明らかになった。調査は1月22-23日に、民主党員と無党派1108人を対象にオンラインで実施した。うち、有権者登録をしている人は545人。統計の誤差はプラスマイナス約5%ポイント。各候補の支持率は、バイデン氏の支持率は24%、サンダース上院議員は20%、ウォーレン上院議員は12%だった。また、ブルームバーグ前ニューヨーク市長は約10%、インディアナ州サウスベンド前市長のブテイジェッジ氏は7%、クロブシャー上院議員は3%で、この数週間に支持率がそれぞれ数%ポイント上昇した。

バイデン氏は昨年の出馬表明以来、支持率がほぼ一貫して首位になっているが、他候補を大きく引き離すには至っていない。

候補者選びが実質的にスタートするアイオワ州党員集会まで2週間を切る中、調査で候補者を選んだ人のなかでも、選択が最終決定だと回答した有権者は43%にとどまった。

 

 

米国市場では1月マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表

米マークイット1月製造業PMIは52.8と、12月の52.4を上回る公算となっている。1月15日発表の1月NY連銀製造業景気指数と16日発表のフィラデルフィア連銀景況調査はいずれも市場予想を上回った。マークイット1月製造業PMIも市場予想を上回った場合、来月初旬に発表される1月ISM製造業景気指数の改善が期待されることでドル買い要因となりやすい。

 

欧米イベント

○17:15   1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.6)
○17:15   1月仏サービス部門PMI速報値(予想:52.2)
○17:30   1月独製造業PMI速報値(予想:44.5)
○17:30   1月独サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.8)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.8)
○18:30   1月英製造業PMI速報値(予想:48.9)
○18:30   1月英サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:30   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ビルロワ・フランス中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ダボス会議で発言
○19:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ムニューシン米財務長官、黒田日銀総裁、ダボス会議で発言
○22:30   11月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:45   1月米製造業PMI速報値(予想:52.5)
○23:45   1月米サービス部門PMI速報値(予想:52.9)
○23:45   1月米総合PMI速報値
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、最終日)
○韓国、中国(旧正月)、休場

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