FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:新型コロナウイルスの感染拡大懸念から売り優勢

ドル/円が円高に振れているほか、春節(旧正月)の大型連休に伴う人々の大移動で、新型コロナウイルスの感染による肺炎の拡大が急速に広がるとの懸念や、大引け後の日電産の決算発表を控え模様眺めムードが強まった。結局、前日比235円安の2万3795円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い強まる

ドル/円は、中国で発生した新型コロナウイルスの感染者が拡大していることで、世界経済の下振れリスクを警戒したドル売り・円買いが入り、109.60円台へ下落した。日経平均株価のさえない動きも円買いを誘った。午後もこの流れは続き、外務省が新型コロナウイルスの発生地である湖北省武漢市の危険レベルを引き上げたため一時109.56円近辺まで下落して10日以来の安値をつけた。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて様子見ムードが広がり、1.10ドル台後半で小幅な値動きに終始した。

 

欧米市場では欧州中央銀行(ECB)理事会を開催

ECBの戦略については水面下で見直し作業が始まっているとみられているが、今回の理事会で戦略再評価について正式な合意が得られる見込み。インフレ率が低水準が低水準で推移している原因を検討することなどが優先される可能性があるが、対象は広範囲に及ぶため、再評価の詳細が判明するのは次回以降となる見込みとなっている。

 

カナダ中銀は政策金利据え置きも利下げ観測強まカナダドル売り

カナダ中銀は金融政策決定会合で政策金利(翌日物貸出金利)を市場の予想通り1.75%に据え置くことを決定した。声明では政策金利が『適切』との文言を削除した。消費者信頼感指数や消費が予想外に弱かったと指摘し、成長減速が長期化するかどうかを綿密に監視していく方針を示した。また、第4四半期の国内総生産(GDP)成長見通しを10月の1.3%から0.3%へ大幅に引き下げた。 事前に発表されたカナダ12月消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいと、予想通り、11月‐0.1%から上昇した。前年比では+2.2%と、上昇予想に反して11月の水準を維持した。 カナダ中銀が声明で政策金利が『適切』との文言を削除したほか、成長見通しを引き下げたため、利下げ観測が強まりカナダドル売りが加速した。

 

好調な米国の12月中古住宅販売:2年ぶり最高

全米不動産協会(NAR)が発表した12月中古住宅販売件数は前月比+3.6%の554万戸となった。市場予想を上回り2018年2月以降ほぼ2年ぶり最高となった。中間価格は前年比で+7.8%の27.45万ドル(約3000万円)となった。供給が過去最低となったため価格が上昇した。米連邦住宅金融局(FHFA)が事前に発表した11月の住宅価格指数は前月比+0.2%と、伸びは6月来で最小にとどまり予想+0.3%も下回った。一方、10月分は+0.2%から+0.4%へ上方修正された。

 

トランプ大統領は米FRB理事にハト派を送り込む

米FRBが『2000年問題』に対応した緊急流動性供給が終了した2000年4月7-14日週に米ハイテク株が蝟集するナスダック指数が25%の急落を余儀なくされた。この悪夢を再現させないためにトランプ大統領は1月16日、空席となっている米FRB理事に欧州復興開発銀行元米国代表ジュディ・シェルトン氏と、セントルイス連銀クリストファー・ウォラー調査局長を指名すると発表した。シェルトン氏は16年大統領選時の陣営の経済政策アドバイザーを務め政策面では一段の利下げを主張、ウォラー氏は19年の利下げを逸早く主張した『ハト派』代表格セントルイス連銀ブラード総裁の側近であり、両氏共に金融緩和に前向きな『ハト派』である。株高を支える新型QEの賞味期限が切れる7月以降、FRBに緩和圧力を継続できるよう理事にハト派2人を送り込んだに違いない。

 

欧米イベント

○17:30   12月スウェーデン失業率(予想:6.6%)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:00   12月ロシア鉱工業生産(予想:前年比1.4%)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/174.6万人)
○24:00   12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.2%)
○24:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.8)
○24日01:00   EIA週間在庫統計
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、24日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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