FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体関連や電子部品中心に買い戻し

前日の米国株式市場は主要3指数はが下落して取引されたことから、日経平均株価も続落して寄り付いた。そして、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の世界的感染拡大が懸念され売りが先行したものの、本格化する主要企業の決算発表を控え前日に下落した半導体関連や電子部品中心に買い戻しが入った。また、昼休み時間帯に香港株が堅調裡に推移し感染拡大懸念がやや後退しことで底堅い展開となった。結局、前日比166円高の2万4031円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株の持ち直しで110円を挟んでもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅拡大に支えられ、110.10円付近までじり高となった。また、香港ハンセン指数の反発や上海総合株価指数の持ち直しも、円売りを誘った。しかし、前日の海外市場で付けた110.11円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、中国で発生した新型コロナウイルスの感染者が拡大するとの根強い懸念から、持ち高調整のドル売り・円買いも見られ110.05円前後でもみ合いとなった。午後は、日経平均株価やアジア主要株価をにらみながら、110.00円近辺でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは1.1080ドル台でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

新型コロナウイルスは実態より深刻である可能性も

香港大学の研究チームは21日、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が武漢市だけで約1,300人にのぼるとの推計値を発表した。海外の発症者数と武漢から海外への渡航者数などから算出した。中国は国内の感染者が21日時点で219人としており、実態はより深刻である可能性が高まってきた。

 

WHOが新型コロナウイルスに関する緊急委員会を開催

スイス・ジュネーブでは本日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウィルスに関する緊急委員会が開催される。昨日は米国でも初の感染者が確認され、市場はリスク回避ムードが強まった。2002年から2003年にかけて広まったSARSコロナウイルスでは、発見から終息まで約8カ月かかっている。当時と比べて中国人の海外渡航数はかなり増加しているため、今後の対応いかんでは感染域の拡大や終息までの長期化も危惧される。なお、当時の中国の海外旅行認定国について、2003年時点では欧州域ではドイツのみ解禁されていた。

 

国際通貨基金は2020年の世界の成長見通しは昨年より加速

国際通貨基金(IMF)は2020年の世界の成長見通し3.3%へ、2019年の2.9%からペースが加速すると見ていることを明らかにした。米中の貿易戦争が解消する傾向にあることを理由に挙げた。また、フランスのマクロン大統領は米国のトランプ大統領と電話会談をし、「関税の拡大を回避するよう努めることで合意」し、テック大手企業に対するデジタル税を対象とした当面見送る方針を示した。これにより、米国による仏産ワインやシャンペーンなどを対象とした報復関税の発動も回避できる。このことは世界経済にとり有益となる。
米中が第1段階貿易協定で調印、USMCAも承認され法律となったため残る関税問題は欧米間のみとなっており、引き続き交渉の行方に注目が集まる。

 

米仏のデジタル課税は年後半まで持ち越し

フランスのルメール経済・財務相は21日、デジタル課税を巡る米国との交渉は『依然として困難』だとの見解を示した。前日には、マクロン仏大統領とトランプ米大統領が会談し、少なくとも年内は貿易戦争を回避することで合意した。ルメール氏は、現在課税を免れているか、あるいは税率が低すぎる企業に対して経済協力開発機構(OECD)の提案に沿って最低限の課税をすることがフランスの目標であることに変わりないと語った。
デジタル課税問題を巡る国際レベルでの協議が進まないなか、フランスは昨年7月に大手IT(情報技術)企業を対象とする『デジタル課税』の導入を上院が承認した。対象となる企業の多くが米企業だったため米政府が反発し、ワインなどフランスの主要輸出品に課税すると警告した。フランスの外交筋によると、米仏首脳は年内は関税引き上げを見送ることで合意した。年末までOECDでのデジタル課税を巡る交渉を継続する。

 

欧米イベント

○16:40   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○16:45   1月仏企業景況感指数(予想:105)
○17:00   12月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比4.0%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   12月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月カナダ卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○22:30   12月カナダCPI(予想:前月比0.1%/前年比2.2%)
○23:00   11月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○24:00   12月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.3%/年率換算543万件)
○23日01:15   ポロズBOC総裁、会見
○世界保健機関(WHO)が新型肺炎に関する緊急委員会(ジュネーブ)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、24日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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