FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:コロナウィルスによる警戒感の高まりから売り優勢

前日の米国株式市場が休場で方向性を決定づける材料に乏しい中、2万4000円台の上値の重さも意識された。また、中国武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎感染拡大への警戒感から、香港ハンセン指数などアジア株が安く始まったことなどをにらんで日経先物に売りが出た。特に海外短期筋の利益確定売りに押された。結局、前日比218円安の2万3864円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下と日本株安で円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利低下をながめたドル売り・円買いに押され109.90円付近まで下落した。新型コロナウィルスの感染拡大が懸念され、上海総合株価指数や香港ハンセン指数が下落したことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、今晩予定されているダボス会議でのトランプ大統領の演説を控え、下げは一服した。午後は、日経平均株価をにらみながら、109.90円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.1095ドル前後でこう着する展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀株が34年ぶりに上場来安値更新

ジャスダック市場に上場する『日銀株』が下落している。一時3万3000円を付け、1985年10月以来、およそ34年3か月ぶりに上場来安値を更新した。2018年5月から一本調子で下げており、バブル崩壊後の高値が接近する日経平均株価の動きとは対照的となっている。株式市場では、日銀の金融政策に対する注目度が低下している象徴との受け止めが多い。ただ、『日銀株』といっても、一般的な上場企業の株式とは違う。出資証券と呼ばれ、銘柄コードは8301である。日銀に出資の持ち分を表す有価証券である。議決権はなく、解散した場合は残余財産の分配についても制限がある。配当も払込出資金額に対して年5%以内と定められるなど通常の株式とは異なるが、売買は可能となっている。

 

中国市場の春節(旧正月)連休入りが注目される。

周辺の中華圏市場を含めて休場が増えるため、連休前のポジション整理や利益・損失の確定などがアジア株のみならず、日米株の調整下落や調整円高をもたらす可能性をはらむ。同時に中国市場が長期連休となる場合、ちょっとした悪材料が浮上してくると、『リスク回避の代替ヘッジ対応』として、オープンしている日本市場で株安と円高が加速される可能性も無視できない。

 

世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)開幕

世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が21日、スイス東部ダボスで開幕する。トランプ米大統領と環境活動家のグレタ・トゥンベリさんは、それぞれ初日に登壇。気候変動が主要議題になるとみられる中、ツイッターなどでやり合ってきた2人が再度火花を散らすかが注目される。ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席が出席を見送る中、トランプ氏はメルケル・ドイツ首相と並び、主要国から参加する数少ない首脳である。緊迫化する中東情勢なども背景に、トランプ氏の演説に関心が集中するとみられる。日本からは、日銀の黒田東彦総裁、経団連の中西宏明会長、ノーベル医学生理学賞受賞の山中伸弥京大教授らが出席する。

 

米仏の『デジタル課税』問題による対決は当面回避

フランスのマクロン大統領は20日、米国などのIT大手を対象にフランスが独自導入した『デジタル課税』に米政府が対抗措置を検討している問題で、両政府が解決を探る協議を年内は継続することでトランプ米大統領と合意した。米側はその間、報復関税を発動せず、欧州側と関税の応酬に発展する事態も当面回避したとされる。地元メディアがフランス外交筋の話として伝えた。
米仏両国は経済協力開発機構で議論が進められているデジタル課税の国際ルールづくりで最終解決を目指すという。フランスは昨年、国際ルール作成までの代替策で米国のグーグルなどが対象となる独自課税を導入した。

 

欧米イベント

○17:30   12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.0%)
○18:30   12月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2.26万件/失業率なし)
○18:30   9-11月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○19:00   1月独ZEW景況感指数(予想:15.0)
○19:00   1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:30   トランプ米大統領、ダボス会議で講演
○21:00   12月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.41%)
○22:30   11月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.3%)
○24:00   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○EU財務相理事会(ルクセンブルク)
○米大統領の弾劾裁判、審理開始
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、24日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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