FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:押し目を拾う動きも出て下値も限定的

米アップル株の急落をきっかけに先週末の米国株式市場が下落した流れを引き継いだ。電子部品や半導体関連銘柄に売りが続き、株価指数を押し下げた。ただ、市場では『個人投資家の間で、押し目を拾う動きも出ている』との指摘もあった。今週から本格化する企業決算への期待感から下値も限定的だった。結局、前週末比74円安の2万2088円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:地政学リスク後退と米長期金利上昇からドル底堅い

ドル/円は、週末に北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を中止すると表明したことが好感されてドル買い・円売りが先行した。また、米長期金利が2014年1月以来の高水準となる2.96%台まで上昇し、日米金利差が拡大したこともドル買いにつながった。ただ、日経平均株価がさえない動きとなったことを受け、上値では利食い売りも入りもみ合った。午後からは107.80円を挟んだ方向感に乏しい動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.2270ドル前後で小幅な値動きが続いた。欧州勢待ちの様相となっている。本日は欧州市場で重要経済指標の発表があるので、午後4時以降から値動きが荒くなる可能性が高い。

 

欧州市場では4月マークイットユーロ圏総合PMIが公表

3月実績は55.2で2月の57.1を下回った。米国の保護主義的な通商政策に対する警戒感が高まったことが要因となる。総合PMIは1月の58.8が当面のピークとあんった可能性が高い。ただし、ユーロ圏経済の回復が続いており、雇用情勢は改善していることから、4月の総合PMIは3月実績と同水準になる可能が高い。

 

原油ヘッジファンドに資金流入

原油価格が2014年以来の高値に上昇する中、昨年には資金が流出していた商品ファンドへの流入が回復している。市場では原油価格がほどなく80ドルを超えるとする予想も出始めている。世界経済に対する信頼感が増す一方、地政学的緊張や生産不足が収まる兆候が示される中、20日までは全ての要因が原油価格上昇の継続を示唆していた。ただ、トランプ大統領は同日ツイッターで、原油価格は人為的に高水準となっており容認されないと述べ、OPECを批判した。

 

米国の利回り曲線の平坦化も一服

景気後退の兆候とされる利回り曲線の逆転に関しては、FRB内でも意見が分かれている。ブラード米セントルイス連銀総裁は6ヵ月以内に利回り曲線が逆転する可能性を警告している。FRBは今、利回り曲線の問題を協議する必要があると訴えた。政策金利も据え置くべきだとした。カプラン米ダラス連銀総裁も年2回の利上げにとどめるべきだと主張した。一方で、クオールズ米FRB副議長は、最近の利回り曲線の平坦化が『景気後退のシグナルではない』と指摘している。ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総も、利回り曲線の逆転が力強いリセッションの兆候になると認めたうえで、現在の平坦化は『正常』と指摘した。またFOMCの利上げとともに長期金利も上昇し、利回り曲線の逆転を予想していないとした。しかし、利回り曲線が逆転したら真剣に受け止めると加えた。

 

4月17日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

      (4月10日)   ⇒   (4月17日)

・円     : +2,761   ⇒    +2,591

・ユーロ   :+147,463   ⇒   +151,476

・ポンド   :  +43,016   ⇒     +47,702

・豪ドル    :  ▲2,796   ⇒   ▲10,155

 

ドル/円に関しては、ほぼニュートラルのポジションとなっている。そのため、円高・安どちらにも振れやすい。今週末には南北(韓国・北朝鮮)首脳会談が予定されており、蜜月が演出されると見られているが、その場合も既にこういった面は織り込まれており。リスク志向に影響はなさそう。また、来週以降、日本ではゴールデンウィークにより日本市場の参加者が減少するとことや、日本市場が休場となるので、新たなポジションの形成は、休み明けからとなりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   4月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.5)
○16:00   4月仏サービス部門PMI速報値(予想:56.5)
○16:30   4月独製造業PMI速報値(予想:57.5)
○16:30   4月独サービス部門PMI速報値(予想:53.7)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:56.1)
○17:00   4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.6)
○17:30   3月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.6%)
○21:30   2月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.7%)
○23:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○23:00   3月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.2%/年率換算555万件)
○24日04:30   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、議会証言

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