FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:手掛かり材料難から様子見ムード強い展開

日経平均は米国株高を好感し続伸スタートしたものの、年末年始の休暇を控えていることもあり、手掛かり材料に乏しく様子見ムードとなった。寄り付き後は前日終値付近での一進一退の展開が続いた。ただ、本日は配当権利落ち分は40円前後とされているため、実質的には小幅下落となった。結局、前営業日比87円安の2万3837円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円半ば前後でのもみ合い相場

ドル/円は、国内輸出企業などのドル売り・円買いが先行し、109.43円近辺まで下落した。日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたことも、円買いを誘った。しかし、米中貿易交渉『第1段階』合意の調印に向けた期待が高まっているため、下値を追う動きは限られた。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き109.50円近辺へ値を戻した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価をにらみながら、109.40円台を中心に狭いレンジ相場となった。クリスマス休暇明けとなる欧州勢の動向を見極めたいとのムードが強かった。ユーロ/ドルは、年末を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.11ドル台前半の高値圏で推移した。

 

来年早々の地政学リスクは台湾総統選

台湾国防部は26日、中国の新たな空母群が台湾海峡を通過したと明らかにした。台湾は1月11日に総統選を控えている。中国は台湾を自国の一部と位置付け、台湾が正式に独立の動きをみせれば攻撃すると明言している。

 

中国企業信用低下に歯止めかからず

中国企業の信用低下に歯止めがかからない。2019年の社債の債務不履行額は1600億元(2兆5千億円)と過去最高を更新した。財政負担の膨張を恐れる中国当局が経営への過度の介入を控えた結果、地方政府系や国有企業の不履行額が400億元と前年の3倍以上に膨らんだ。22年末までに満期を迎える社債は1兆6千億ドル(175兆円)に上り、借金依存の成長は限界が近づいている。

 

中東リスク高まる懸念も:トランプ大統領のツイッターに注意

中国国防省は26日、中国とロシア、イランの3カ国が27日~30日までオマーン湾付近で海上軍事演習を実施すると発表した。3カ国の演習は異例である。米国主導の有志連合も中東・ホルムズ海峡で民間船舶の安全確保をめざすとして監視や巡回活動をしており、中ロとイランの海上軍事演習は米国にらみの動きになる。中国は『中国版イージス艦』とも呼ばれるミサイル駆逐艦『西寧』を派遣する。中国国防省は『3カ国の海軍の間で交流を深め、海洋運命共同体の意思と能力を作り出す』と主張している。

 

米中貿易交渉の進展で米国産大豆の中国への輸出急増

米国産大豆の中国への輸出が急増している。中国の税関当局によると、米国からの大豆輸入量は11月に256万トンとなり、10月の114万トンの2倍超に増えた。中国の米国産大豆の輸入は昨年後半にほぼゼロまで落ち込んだが、米中貿易交渉の進展を受けて中国が輸入を増やしている可能性がある。

 

キリスト教右派の福音派がトランプ支持から離脱の可能性も

複数の米メディアは、来年の米大統領選で再選を狙う共和党のトランプ大統領陣営が、重要な支持層であるキリスト教右派、福音派の支持者集会を来年1月3日に南部フロリダ州で開催すると決めたと報じている。福音派の有力誌が弾劾訴追を受け大統領罷免を求める論評を社説で掲載しており、トランプ氏は危機感を強めているとみられている。

 

ガンドラッグCEOは2020年はドル安予測

米ダブルライン・キャピタルのガンドラックCEOは今週、『ドルの次なる動きは下方向になる』との見方を示した(ツィッターへの投稿)ことについて、市場関係者の間では『発言内容を精査する必要はあるが、ヘッジなしのドル買いポジションが増えていることは否定できない』との声が聞かれている。米国金利の先高観はやや後退していること、主要中央銀行が追加金融緩和に動くかどうか微妙であることから、一部の市場関係者は『米国以外の投資家は、ドル資産の価値が目減りすることを避けるために、為替リスクをヘッジする動きに出る可能性がある』と指摘している。リスクヘッジの規模については推測の域を出ないが、『全体で数千億ドル規模になってもおかしくない』との見方が出ている。

 

欧米イベント

○21:00   11月メキシコ貿易収支(予想:5.37億ドルの赤字)
○28日01:00   EIA週間在庫統計

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ