FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高寄り後は上値の重い展開

前日の米国株式市場が最高値を更新したほか、円安水準で落ち着いている為替相場を受け、幅広く買いを集めてスタートした。ただ、高寄りした後は模様眺めとなり、朝方全体をリードした主力輸出関連株は寄り付き天井となった銘柄が多かった。環境面は良好で売り材料がない一方、利益確定売りが出ており、高寄りした後は上値を追う様子が感じられない状況となっていた。結局、前日比113円高の2万4066円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小をながめて109.46円近辺まで下落した。仲値に向けて国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、前日の海外市場でつけた安値109.40円が下値目処として意識されると、下げも一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、109.55円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、109.50円台でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台半ばで小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

今週の日英の金融政策会合に注意

18-19日には、日銀の金融政策会合が開催される。最近の米中貿易合意や英EU離脱問題一服、米欧の中銀の緩和一服などにより、当座の緩和様子見が示される可能性がある。あくまで一時的ながらも追加緩和の遅延失望により、調整的な円高と日本の株安となるリスクをはらむ。
19日には英国中銀の金融政策委員会が予定されている。英議会選での与党勝利による政治不透明感後退や、合意なきEU離脱懸念の後退などにより、当座の利下げ様子見が想定されやすい。為替相場ではポンドの押し目買い地合いを支援するものだ。ただし、ポンド高のペースは急激であり、スピード調整的なポンド安の材料には注意が必要。

 

米国とトルコとの関係悪化でトルコリラ売り

 米上院は先週、オスマン帝国時代の終盤(1915-20年ごろに)に多数のアルメニア人が殺害された事件をジェノサイド(大量虐殺)と正式認定する決議案を可決した。トルコ側は、第一次大戦の結果であるとし、一貫してジュノサイドを否定した。エルドアン大統領も対抗措置を検討していると述べ、トルコ国内の米軍基地(核弾頭が配備されている)閉鎖も辞さない構えだ。米議会の判断が両国の溝を更に広げ、リラの重しとなっている。

 

米中貿易合意は玉虫色決着の様相

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は週末のTVインタビューで、米中貿易『第1段階』の合意はかなりの進展だが、全ての問題を解決したわけではなく、始まりに過ぎないと述べた。中国による米国農産物500億ドル規模の購入は規模的に不可能との懐疑的見方もあるが、とりあえず追加関税が回避されたことや一部中国製品に対する関税率が引き下げられたことは成長ペースの一段の鈍化のリスクを後退させ、世界経済が景気後退入りするとの警戒感を後退させる。
米中が通商協議で、『第一段階』合意がまとまたため、米国のトランプ政権は当初15日に予定していた追加関税の発動を見送った。現行の2500億ドル規模の中国商品対象の25%の関税は維持した。9月に発動した1200億ドル規模の中国商品を対象にしした関税率は現行15%から7.5%に引き下げられた。特に12月に計画されていた中国輸入品には消費関連商品が大半となっていたため、万が一、追加関税が発動された場合、米国の製造業に加えて消費に影響を与え、経済に大きな打撃になると警戒されていた。

 

米住宅指数の高水準も持続は困難との見方

全米住宅産業協会(NAHB)が発表した12月NAHB住宅市場指数は76と、1999年以降20年ぶり高水準を記録した。主に最近の住宅需要の急増が全体指数を押し上げた。購買見込み客足数は58と、1998年来の高水準に並んだ。現在の一戸建て販売は11月の77から7ポイント上昇し84と、1999年来の高水準となった。ただ、今後は住宅ローン金利が底入れすることを考えると、2020年は現状のペースでの建設セクターの伸びを期待することは困難との見方を、エコノミストは強めている。

 

米国市場では11月鉱工業生産が公表

10月実績が▲0.8%で市場予想を下回った。自動車部門の大幅な落ち込みが全体水準を押し下げた。11月については、自動車生産がやや回復していること、通信機器、設備機器の生産は反動増が予想されることから、全体水準は前月比プラスとなる可能性が高いとみられている。

 

欧米イベント

○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:30   11月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2.45万件/失業率なし)
○18:30   8-10月英失業率(ILO方式、予想:3.9%)
○19:00   10月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:200億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前、予想:170億ユーロの黒字)
○21:00   カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○22:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   10月カナダ製造業出荷(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月米住宅着工件数(予想:134.5万件、前月比2.3%)
        建設許可件数(予想:141.8万件、前月比▲2.9%)
○23:15   11月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.8%)
       設備稼働率(予想:77.4%)
○18日02:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○18日04:15   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演

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