FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中対立の貿易協議への警戒感から売りやや優勢

米国株高やドル/円の109円台半ばの円安を好感して買い優勢で始まったものの、香港人権法の成立を受けて売り物に押される場面があった。その後は、アジア株が落ち着いていることなどを受け、引き戻したが強弱感が対立する状況となっている。前日まで4日続伸したことから、利益確定売りに押された。結局、前日比28円安の2万3409えんと5日ぶり反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル売りも限定的で109円台半ばでもみ合い

ドル/円は、トランプ米大統領が香港人権・民主主義法案に署名したため、中国政府の強い反発を警戒したドル売り・円買い先行し、109.29円近辺まで下落した。しかし、前日に発表された米経済指標の改善で、米景気先行き懸念が和らいでおり、下値を追う動きは限られた。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価持ち直しに支えられ109.50円付近まで値を戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、109.45円を挟んでもみ合う展開となっている。本日はNY市場が感謝祭で球場のため、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.1005ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

外国企業による日本への投資額が過去最高を更新

外国企業による日本への投資額が去年、初めて30兆円を突破し、5年連続で過去最高を更新したことが分かった。アメリカと中国の対立が続く中、生産や研究の拠点として日本に関心が高まっていることなどが背景にある。JETORO=日本貿易振興機構が27日、明らかにした。日本に投資した企業の国を見ると、アメリカが最も多く6兆5000億円余り、次いでオランダが4兆6000億円余り、フランスが3兆7000億円余りなどとなっている。法人税の実効税率引き下げなどビジネス環境の改善を背景に、外国企業による日本への投資額は、この10年で1.5倍に増えている。

 

中国の景気対策も財政の悪化で実行が難しく

中国財政省は27日、来年の特別地方債発行枠のうち1兆元(1420億7000万ドル)を今年に前倒しすることを明らかにした。ウェブサイトで明らかにした。財政省は地方政府に対し、特別債をできる限りに早期に発行・利用するよう指示した。『来年初めに確実に成果が出るよう、できる限り早期に景気を効果的に押し上げるべきだ』と表明した。多くの地方政府は、減税や景気減速に伴う歳入の減少で財政が悪化しており、中央政府が景気対策として期待を寄せる大型インフラ事業の実行が難しくなっている。

 

英国の保守党優位でもどの政党も過半数に届かないとの見方

27日に公表された世論調査の分析結果によると、12月12日の英総選挙では、与党・保守党が過半数を大きく上回る議席を確保する見通しだが、野党支持者が戦略的に投票した場合、保守党の議席は減り、過半数を割り込む可能性もある。 欧州連合(EU)残留を訴える団体「Best for Britain」が公表したフォーカルデータの分析結果によると、保守党に対抗するための野党間の選挙協力がない場合、保守党は650議席中、最大366議席を獲得する見通し。 ただ、多くの選挙区では、どの政党も過半数に届かないという結果が見込まれる。

 

弾劾調査と株高・景気拡大の記憶が買い安心感

民主党が過半数を握る米下院で弾劾決議案が可決されても、共和党が過半数を占める米上院で弾劾決議案は否決されると説明され、NYダウは米下院の弾劾公聴会の開催中にも拘わらず上昇を続けている。2017年1月20日のトランプ大統領就任以降、米S&P500指数は34%上昇し、この上昇率は父ブッシュ大統領4年間の51%上昇に匹敵する。過去最長の景気拡大直前に就任したオバマ前大統領は任期8年間で株価は182%上昇、レーガン元大統領の8年間の上昇率118%を凌駕した。しかし、最も株価が上昇したのは、クリントン大統領時代であり、8年間で株価は210%上昇した。しかも、クリントン大統領(当時)に対し弾劾調査が行われた1999年も米国株は「強気」相場を続け、米景気も10年に及ぶ拡大期を謳歌した。そうした弾劾調査と株高・景気拡大の記憶が買い安心感に繋がっている可能性がある。
対照的に、ニクソン大統領(当時)に対するウォーターゲート事件への弾劾調査は、1973-74年の『弱気』相場の只中にあり、原油高による高インフレとベトナム戦争の泥沼化によるリセッション期入りでもあった。

 

欧米イベント

○15:45   7-9月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.2%/前年比0.8%)
○16:00   11月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○18:00   10月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比5.5%)
○18:30   10月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比3.1%)
○19:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲7.2)
○19:00   11月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:101.0)
○22:00   11月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.6%/前年比1.3%)
○22:30   7-9月期カナダ経常収支(予想:90.0億カナダドルの赤字)
○29日00:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○29日01:35   クーレ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○29日05:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○米国(感謝祭)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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