FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外短期筋の先物売りに下げ幅拡大

米国株式市場が史上最高値を更新したものの、朝方は利益確定売りが先行し、前日の上げ幅を帳消しにする下げを演じた。ただ、売り一巡後は二階自民幹事長は2019年度補正予算案について、10兆円規模が必要と自民と役員連絡会で発言したことで、下げ止まる場面もあった。しかし、国内政治リスクが投資家心理の重荷となり海外短期筋の先物売りで一時下げ幅を170円超に広げた。結局、前日比124円安の2万3292円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株上昇に108.60円近辺でのもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の反落や米長期金利低下をながめたドル売り・円買いが先行し108.43円近辺まで下落した。しかし、米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気から、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、108.60円台へ値を切り返した。中国の景気対策に対する期待から、上海総合株価指数や香港ハンセン指数が上昇に転じたことも、リスク回避姿勢を和らげて円売りを誘った。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、108.60円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1075ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

いよいよラガルドECB総裁体制が始動:ECB内の結束できるか

欧州市場では今週、22日のラガルドECB新総裁講演を含めて幹部講演が相次ぐ。21日には10月23-24日に開催されたECB理事会の議事要旨が公表される。
ECBは9月にマイナス金利深堀りや量的緩和再開を決めたが、その緩和決定では委員による意見対立が露呈された。新総裁を含めて当座は『ECB内の結束重視』により、追加緩和に慎重姿勢が示されたり、各国政府に対して財政出動の要請を強める可能性もある。その場合はユーロ安の抑制や緩やかなユーロの下限切り上がりが支援されやすい。

 

12月のサウジアラコム上場成功に不透明感残る

サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは17日、12月にサウジ国内で予定する新規株式公開(IPO)計画の詳細を発表した。株式の1.5%を売り出し、最大で256億ドル(約2兆8000億円)を調達する意向だが、不透明な情報開示などを理由にサウジへの投資を控える欧米企業も多い。狙い通りの調達ができるかどうかは予断を許さない。
計画通りの調達額ならば、2014年に上場した中国電子商取引大手アリババグループ(250億ドル)を上回る。

 

米FRBの今後の金融政策を探る展開

今週の米国市場ではFRB幹部の講演が相次ぐほか、20日にはFRBが10月29-30日に開催したFOMC議事録が公表される。12月FOMCでの利下げ有無や、今後の利下げ回数とスケジュール、残りの利下げ幅などに関しての考え方が注目されやすい。
現状段階で米中貿易交渉への不透明感は残されているが、前週にはパウエル議長が改めて当座の金利据え置き姿勢を示した。今週以降も当座の様子見観測が優勢になると、ドル/円を含めて全般的にドルの支援材料となりやすい。ただし、過度に利下げ停止の失望が広がると、米国株の高値過熱感とあいまって調整株安と短期的にリスク回避の円高へと振れる余地も残されている。

 

ホワイトハウスで金融政策や景気などについて三者会談

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は18日、トランプ大統領およびムニューシン財務長官とホワイトハウスで会談し、景気や経済成長、雇用、インフレについて話し合った。米金融当局が発表した。金融当局は会談後に公表した声明で、会談でのパウエル氏の発言内容は『先週の議会証言での発言と整合的だった』と説明した。大統領の招待で会談が行われたことも付け加えた。声明によれば『パウエル議長は、政策経路は米経済見通しに影響する今後の情報によって全て決まるとの考えを強調したことを除けば、金融政策についての自身の見通しに言及しなかった』という。
トランプ大統領はその後、『非常に良い誠意ある会談だった』とツイートした。『金利やマイナス金利、低いインフレ、金融緩和、ドル高とその製造業に対する影響、中国や欧州連合(EU)などとの貿易を含む』さまざまな問題を議論したと書き込んだ。

 

米国市場では10月住宅着工件数が公表

9月実績は125.6万戸で市場予想を下回った。一戸建て住宅の着工件数は1月以来の高水準となったが、集合住宅の着工件数は大幅に減少したことが要因となった。10月については、先行指標となる9月の建設許可件数はやや減少していることから、9月実績に近い水準にとどまる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○18:00   9月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○19:00   9月ユーロ圏建設支出
○22:30   9月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.6%)
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:132.0万件、前月比5.1%)
        建設許可件数(予想:138.5万件、前月比▲0.4%)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

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