FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:堅調地合いに買い安心感強まる

前日のNYダウの上昇や1ドル=106円台の円高でも堅調な地合いに買い安心感が強まったほか、アジア株の上昇もあり個人投資家中心に打診買いの動きが広があり上げ幅を広げた。また、2月決算企業の配当権利取りの動きなども株価を下支えした。結局、前日比156円高の2万1892円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:全般ドル高が優勢もドル/円は上値重い展開

ドル/円は、全般にドル高が進んだ流れに沿ったほか、午後に日経平均株価が160円超高を背景に買いが散見され、107.03円までじわりと上げた。NY時間で付けた107.07円が目先のレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ユーロ/ドルは、小幅ながら全般ドル高が進んだ流れに沿って1.2295ドルまで弱含んだ。

 

2月波乱相場で個人投資家が買い支え

2月に入り需給面から個人投資家の存在感が増している。東京証券取引所が22日に発表した2月2週(13-16日)の投資部門別売買動向によると、個人は4週連続で日本株を買い越し、買越額は851億円となった。前週は7458億円とブラックマンデーのあった1987年10月3週の6505億円を上回り、過去最大を記録した。また、4週連続の買い越しは昨年4月1週以来、10ヶ月ぶりとなった。4週間の類型買越額は1兆2859億円に達した。

 

英中銀の利上げ発言に注意:ころころ変る見通しや発言

英中銀が5月にも利上げするとの思惑が、ポンド相場を下支えしている。しかし、直近発表された経済指標では、1月の雇用指数が総じて予想を下回り、さらに10-12月期GDPの改定値も速報から下方修正された。ただ、英中銀のMPCメンバーのホールデン委員は『英金利は、中銀の見通しよりも速く上昇する必要がある』、カーニー総裁は『追加利上げに向かっている』、テンレイロ委員は『11月時点より利上げの見込みが強まった』と利上げを示唆する発言となった。ただ、英中銀の見通しや発言は、ころころ変ることが多く、EU離脱交渉の行方もはっきりしない中で、不透明感が残る。英国は、貿易赤字国であり、ポンド高は輸入物価が下落することで、物価の押し下げ要因になりやすい。

 

現在のドル安サイクルの中で経常赤字はドル安を加速

1970年代に主要通貨が変動相場制に移行して以来、ドルは6年前後上昇すると、10年近く下落するというサイクルを繰り返している。今は2020年代前半まで続くドル安局面にあるとみられる。とりわけ2000年代前半のように、サイクルの初期に米政府の支出増加を伴うケースでは、経常赤字の拡大とドル安が加速する傾向がある。

世界を眺めれば景気のけん引役を輸出に頼ろうと事実上、通貨安競争が進んでいる。通貨を発行する中央銀行への信任よりも景気を優先する流れとなっている。しかし、その結果として株価は上がっても、潜在成長力の向上を持っていなければ実質的な株式の保有価値は低下してしまう。基軸となる通貨の地位は揺らぎ、為替相場はその時々の政治経済情勢で乱高下するようになる。

 

欧米イベント

○16:00   10-12月期独国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.6%/前年同期比2.9%)
○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.3%)
○21:00   ラムスデン・イングランド銀行(BOE)副総裁、講演
○22:30   1月カナダCPI(予想:前月比0.5%/前年比1.5%)
○24日00:15   ダドリー米ニューヨーク連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○24日03:30   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○24日05:40   ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○欧州連合(EU)首脳会議(非公式)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ