FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中首脳会談の12月延期見通しが心理的重荷

米国株式市場は、ほぼ横ばいで決めてとなる材料が不足する中、早朝からドル/円がやや円高方向に振れたことが上値を重くした。米中貿易協議の部分合意を署名する米中首脳会談が12月にズレ込む可能性が報じられ米中協議先行き不透明感が重荷となり下げ幅を広げたものの引けにかけて買い戻され、結局、前日比26円高の2万3330円と3日続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の低下でドル売り

ドル/円は、米中通商交渉の先行きを警戒したドル売り・円買いが入り、108.70円近くへ下落した。米長期金利が低下したこともドル売りを誘った。午後に入ってもこの流れは続き、108.61円まで値を下げた。しかし、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが入り、下げは一服した。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、108.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速に対する根強い懸念からユーロ売りが優勢となり、1.10ドル台後半から1.10ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

欧州市場では9月鉱工業生産を公表

8月実績は前月比+0.3%と減少予想に反して増加した。中間財と資本財の生産増加が寄与した。9月については資本財の生産はやや減少する可能性があること、輸出回復の兆しは見られないことを考慮すると、やや減少する可能性がある。

 

欧州市場では英中央銀行が金融政策を発表

英中銀金融政策委員会(MPC)の前回分の声明では、『英国の欧州連合(EU)からの離脱を巡る不透明感がさらに長引けば、需要が抑制されて供給過剰となり、国内の物価上昇圧力が徐々に低下していく』との見通しが示された。英国のEU離脱期限は来年1月末まで延期されたが、12月に総選挙が実施されることになり、需要増大の思惑は後退していることから、政策金利を含めた金融政策の現状維持が決定される見込み。

 

恐怖&欲望指数は米国株の過熱感を示唆

米中貿易戦争『停戦』合意期待に世界景気の再加速見通しが広がり米ダウ平均は史上最高値を更新したが、すでに米国株ブルベア指標が80%の強気と過熱感を示し、米ヘッジファンドがポジションメイクの参考にする米CNN『Fear & Greed index』(恐怖&欲望指数)が88(11月6日現在)へと急上昇し、買われ過ぎ『過熱感』に覆われつつある。米CNN 『Fear&Greed Index』(恐怖&欲望指数)は投資家心理の7つの指標を分析し、市場の『欲望』と『恐怖』の度合いを示すもので、80前後を超えると過剰欲望の過熱感を示しているとされる。少なくとも17-18年の『Fear&Greed』指数は80越えが一つの過熱ピークを示唆する数字として理解され、今回も88に上昇しただけに買われ過ぎ「過熱感」には注意が必要となる。

 

米民主党はウクライナ疑惑をめぐって議会で公聴会開始

アメリカのいわゆるウクライナ疑惑をめぐって、トランプ大統領の弾劾に向けた調査を進めている野党・民主党は来週、議会で公聴会を始めると明らかにした。公開の場で関係者に証言を求めることで、トランプ大統領の弾劾に向けて攻勢を強めたい考えとされる。公聴会は13日から始まり、ウクライナ政策に関わってきたアメリカ大使館のテイラー臨時代理大使ら2人が証言するという。

 

トランプ離れは本物か?

米国の地方選挙が5日、各地で投開票された。2016年の大統領選でトランプ大統領が圧勝した南東部ケンタッキー州の知事選では、接戦の末に民主党の候補が勝利を宣言した。東部バージニア州でも州議会の上下両院で共和党が占めていた過半数を民主党が奪うなど、大統領選を1年後に控え、民主党の勢いが浮かんだ。
米国では都市部で民主党、地方で共和党が強い傾向があり、中間に位置する郊外の動向が20年大統領選の行方に大きく影響すると言われている。昨年の中間選挙では、郊外に住む穏健保守層の『トランプ離れ』が表れ、民主党の勝利につながった。5日も、民主党候補が郊外で票を伸ばしており、この傾向が続いている模様だ。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%/前年同月比▲4.4%)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   MPC議事要旨
○21:00   英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○21:00   10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.07%)
○21:00   10月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.52%)
○21:30   カーニー英中銀(BOE)総裁、記者会見
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168.3万人)
○8日03:00   米財務省、30年債入札
○8日03:05   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○8日05:00   9月米消費者信用残高(予想:150億ドル)

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