FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外勢の買い戻しと打診買いに大幅上昇

前日の米国株主要3指数が過去最高値で取引を終えた流れを引き継ぎ、寄付きで取引時間ベースの年初来高値を更新した。英FT紙(5日電子版)が『トランプ政権が中国の既存の制裁関税の一部を撤回するかどうか検討している』と報じ関税一部撤回による来期以降の業績回復期待その後も上値を伸ばす場面となった。市場からは、日経先物のショートポジションの買い戻しに加え、現物に海外投資家の打診買いも入ったとの声もあった。結局、前営業日比401円高の2万3251円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好でも心理的節目の1009.00円に届かず

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、108.78円までじり高となった。朝方に伝わった『米国は対中関税の一部撤廃を検討している』との一部報道も、引き続き円売り要因として意識された。午後もこの流れは続き、日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利の上昇を眺め、108.82円まで上昇した。しかし、心理的節目の109円近辺は、ドル売り・円買いオーダーが厚いと観測されており、上げは一服した。その後は、今晩発表される10月米ISM非製造業景況感指数を見極めたいとのムードが広がり、108.80円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ツイートでドイツ銀行が破綻するとのウワサ

『Deutsche Bank bankruptcy』でツイッターを検索すると、海外で『ドイツ銀行が破綻するとのウワサが出ている』とのツイートが飛び交っているのが分かる。あくまでもウワサとみられるが、ユーロ/ドルは豪州準備銀行(RBA)理事会で政策金利の据え置きが決まった後、1.1113ドルまでユーロ安・ドル高に振れる場面があった。経営再建中のドイツ銀行が経営破たんするなどと変なウワサを広めて、ユーロ売りを仕掛ける動きが出たのだろうか?しかし、その後にユーロ/ドルは下げ渋る動きとなり、日経先物も一段高となり、マーケットに警戒する動きは見られない。

 

英総選挙でジョンソン首相自身が落選する可能性も

12月12日に決まった英総選挙で、ジョンソン首相は自らの選挙区で野党候補との接戦を強いられる可能性がある。仮に全体として与党保守党が勝利したとしても、ジョンソン氏自身が敗れれば首相を退任せざるを得ず、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の行方も変わるかもしれない。ジョンソン氏の選挙区アクスブリッジはロンドンの端に位置するベッドタウン。同氏は1924年以来の英首相の中で、直近の選挙で野党候補との得票差が最も小さかった。ジョンソン氏にとって不安の種は、ブレグジットへの抗議や、2015年にアクスブリッジで落下傘候補として出馬したことへの反発から、伝統的な保守党支持者が同氏に投票しない事態だ。

 

米国の製造業関連指標は減速傾向

米商務省が発表した9月製造業受注は前月比▲0.6%となった。8月▲0.1%に続き2カ月連続のマイナスとなり、市場予想▲0.5%も下回り、4月来で最低となった。貿易の停滞が引き続き響いた。 また、10月耐久財受注改定値は前月比▲1.2%と、市場予想外に速報値▲1.1%から下方修正され5月来で最小の伸びとなった。変動の激しい輸送用機を除いた10月耐久財受注改定値は前月比▲0.4%となり、やはり予想外に速報値▲0.3%から下方修正された。
企業の設備投資の先行指標となる製造業受注・資本財(航空機を除く非国防)改定値も前月比▲0.6%と速報値▲0.5%から下方修正され2カ月連続でマイナスとなった。国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア資本財の出荷改定値は予想通り前月比▲0.7%と、3カ月連続のマイナスとなり7-9月期GDPで製造業がマイナスに寄与した可能性が示された。

 

米国市場では10月ISM非製造業景況指数が公表

米10月ISM非製造業景況指数は53.4と、9月の52.6から改善が見込まれる。前回大幅に鈍化した反動で持ち直す可能性があり、市場予想と一致した場合、株高を通じてドルを押し上げる要因となりやすい。

 

米国市場では9月貿易収支が公表

参考となる8月実績は▲549億ドルだった。対中貿易赤字は縮小したが、携帯電話端末などの消費財の輸入が過去最高を記録し、全体の赤字幅は拡大した。9月については、農産物の輸出増加が予想されるが、消費財の輸入額は引き続き多いとみられており、貿易赤字幅の大幅な縮小は期待できない。

 

欧米市場イベント

○16:45   9月仏財政収支
○17:00   7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:3)
○18:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○18:30   10月英サービス部門PMI(予想:49.7)
○19:00   9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比▲1.2%)
○22:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30   9月カナダ貿易収支(予想:7.0億カナダドルの赤字)
○22:30   9月米貿易収支(予想:525億ドルの赤字)
○23:45   10月米サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○23:45   10月米総合PMI改定値
○24:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.5)
○6日02:40   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○6日03:00   米財務省、3年債入札

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